硝子戸の中でのひとりごと

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タイトルは漱石より拝借☆

龍王山に登る!

2018-04-05 22:51:58 | 奈良
行こう行こうと言っていて、やっと行ってきましたシリーズ。

奈良県天理市にある、龍王山。
標高586mのこの山には、かつて十市氏の山城がありました。
今は、山登りハイキングコースになっています。

龍王山山頂の山城(跡)は、私たち地元民にとっては有名な
怪談が残る場所です。

その名も「ジャンジャン火」※別名「ホイホイ火」。
人魂伝説です。それも、人を焼き殺すというなかなか物騒な。
私は、祖父母からこの話をよく聞いていました。

いわく、
龍王山に山城を築いた十市氏は、信貴山の松永秀久に滅ぼされた。
その恨みが根強く残っているので、
今にも雨の降りそうな蒸し暑い夏の夕方や夜に、
龍王山に向かって「ほ~い、ほ~い」と叫ぶと、
大きな人魂が「ジャンジャン」と音を立てて襲ってくる。

この、「ジャンジャン」という音は、鎧の当たる音なんだそうです。

また、合戦があった日には、龍王山から松永の居城跡に向けて
ジャンジャン火が飛ぶのだとか。
この火に遭遇したら、とにかく逃げなければならない、
人魂に見つけられたら追いかけられて焼き殺される、と。

いやいや、子供心に、なかなか怖かったです(笑)

ただし、この話はちょっと史実とは違うみたいです。
ま、伝説ってのはそんなものでしょう。
しかし、だとしたらいったいどこからこんな話ができたのかしら…?

それはともかく、今回は、天理市トレイルセンターのあたりから、
崇神天皇陵ルートで登っていきました。


龍王山は、山中に古墳が多いのも特徴です。
龍王山古墳群といいますが、円墳と横穴墓が各300基以上、
合わせて600基以上存在します。
登山ルートから見えるわかりやすい古墳もいっぱいあります。
こんな感じ。
 

崇神天皇陵ルートは基本的に明るくて、登山風景も楽しいんですけど、
最後の最後、ひと区画だけが、暗くて枯れたような木が密集している
場所があって……そこがちょっと不気味で残念なんですよね。
手入れする人もいないと思うから、仕方ないのかもしれないんですが。

そのく暗い所を抜けると、山頂エリアに出ます。
説明看板もあります。


近くには、ショウジョウバカマの自生地も。
(田の龍王社 周辺)



龍王山城は、とても珍しいタイプの城だったよう。

十市遠忠が築いたこの山城は、南・北二つの峰に別れていて、
南北両城を合わせると、大和随一の中世城郭となるそうです。
二ヶ所に別れていながら、互いに呼応しあい、一つの城を形づくる
こういった城の様子は、<別城一郭の構え>というのだとか。

今回は、南城のほうから見に行きます。
城跡の部分には、なぜか小さいアスレチックみたいなものと
ベンチが設置されています。
南城跡からは、大和国中が一望できます。
……午後から行ったので逆光なうえガスってますけど(笑)
 

さて、先ほどの看板のところまで戻って逆側へ進むと北城です。

この碑が目印。


城跡へ行くのは、ちょっとだけ大変です。
途中、というか城跡直前が完全に獣道でした(笑)

北城の跡は、南城より広め。
下界では満開を通り越しかけていた桜も、まだ咲きかけでした。
やっぱり気温が違うんだなあ。



というわけで、下山です。
ルートを変えて、長岳寺ルートで戻ると、途中にはこんな
不動明王がいたりします。


道自体は、こちらのほうが険しく感じました。


そして無事下山。

龍王山初登山となったこの土曜日は、
初夏を思わせる暖かい日だったので、疲れも心地よい感じでした。

ま、ちょっとだけ筋肉痛はきましたけどね(笑)











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