limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
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地球規模の震撼

2017年01月22日 00時10分40秒 | 日記
中国の前漢王朝を簒奪した王莽は、国号を「新」と定めたが、その政治理想・理念は聖代と言われていた「周王朝時代」へ回帰すると言う、復古主義に走った。例えば、王朝が変わったのだから、これまで漢の王朝が各地の王や諸侯及び百官に授けていた印綬をすべて回収し、新しい新王朝のものに授け直すことにした。それにあたって、周の古制を持ち出し「昔は、華と夷をはっきり区別していた」と言う種族主義の立場から、「匈奴を「王」としたのは、古制に反するからこれを「候」に落とす」と言う方針を打ち出した。これまで漢が匈奴の単于に与えていた印綬は「璽」と言う最高の用語を使っていたのを「章」と改めた。これは、明らかな降格である。匈奴は元の「璽」を求めて抗議をしたのだが、王莽に拒絶されたので、怒り心頭で辺境の土地に攻め込み、官吏や住民を殺め、略奪を働いた。王莽はそこで、匈奴単于の名を「降奴服于」と改めた。「降服」と言う文字を用いたのでは、匈奴も激怒したのは当然であろう。高句麗に対しても「援兵を送ってこなかった」として「下句麗」と名を変えた。高を下に変えるなど、これはまさに児戯に類する事と言わねばならない。(高句麗は現在の朝鮮半島北部にあったので、現代に措いては左程問題は無い)

オバマ氏はこう言っている「制度を根底から変えるのであれば、よく考え周囲の意見を聞いた上で、熟慮を重ねてからやるべきだ。そうでないと取り返しのつかない事態に陥る」と。皇帝ジョーカーは「専門家の説明をメモを取りながらじっと聞くが、最後まで自分の考えは明かさない。頭の中はブラックボックスと言われている」とワシントンの当局者は言っている。ブラックではなくからっぽなのかも知れないし、認知症が進行してるだけではないかとも言える。もう、十分に高齢化しているし「あらゆる認識が20年前で止まっている」と断言しても異論は出ないだろう。簒奪演説の締めくくりが、お決まりの「Make America Great Again(アメリカ帝国をふたたび偉大にする)」だったことがなによりの証明だ。リンカーン元大統領が宣誓で使った聖書が泣いている。

「アメリカ合衆国」を簒奪し「アメリカ帝国」の皇帝に座ったジョーカーだが、予想した「迷演技」をしっかりと演じ切ってくれた。国民の失望・絶望は海よりも深く、エベレストよりも高い。史上最低の支持率が何よりの証拠物件だ。簒奪演説も予想した通りの「自己中心主義かつ自己陶酔型」のお話にもならない低俗な内容であった。歴代の大統領は、国民に対して「結束と融和」を呼びかけ、世界に向けて「平和と自由」のために強いメッセージを発信してきたものだが、そのような言葉は欠片も無かった。「史上もっとも軽蔑すべき演説」として後世に伝えられるだろう。予定通りにTPPからは「離脱」を宣言。NAFTAの「アメリカ帝国有利への書き換え」を行うとした。当然、メキシコもカナダも黙って居るはずがないから、帝国の南と北で火の手が挙がるだろう。特にメキシコは「ジョーカーの長城」の建設費用の全額負担を巡って「報復も辞さない」と宣言しているので、両国の関係悪化による経済損失は、地球規模で跳ね返ってくることになりそうだ。安全保障を巡っても、「NATOは形骸化している」発言を受けてEUとの関係がきしみ始めているし、日韓との同盟関係も「駐留経費の全額負担」発言以降、不透明感が益々酷くなっている。このままでは、ジョーカーの「皇帝独裁専制政治」が行き過ぎた保護主義と孤立主義を全世界に蔓延させ、第二次大戦後に冷戦を経て自由主義陣営が形作った世界秩序が乱れ、崩壊へと向かうことになる。最大の懸念は、自由・民主主義・人権といった価値観を一切無視して「アメリカ帝国に有利な取引」を外交の基軸に据えることだろう。例えるならば、今現在、アメリカ帝国に対して不快感をあらわにしている中国と、損得勘定であっさりと折り合ってしまうといったシナリオも無くはない。皇帝ジョーカーは、多額の貿易赤字(対中国が最大の赤字国)をネタにツイッターで「艦砲射撃」を繰り返したが、手のひらを返すが如く中国にすり寄る「姑息な外交」をやってのけるかも知れない。アメリカ帝国さえよければ、善悪関係なしにどんな手でも使う。これが一番恐ろしい。安全保障上の最悪のシナリオは、欧州の崩壊。中でも欧州を引っ張って来たドイツのメルケル首相の権力失墜だそうだ。ツイッターでの「艦砲射撃」で、難民の受け入れに関して「壊滅的」と断じてしまったツケは大きいかも知れない。皇帝ジョーカーのツイッターを「制限」出来うる人材は居ないのだろうか?あれだけは止めさせるべきで、ホワイトハウスが全責任を持って阻止すべきだ。ホワイトハウスの主人の言動には、重い責任が伴うことを皇帝ジョーカーに自覚させなければならない。私達、日本も皇帝ジョーカーの「皇帝独裁専制政治」になるべく振り回されないように、準備と心構えをしておく必要に迫られている。まだ、少しだが時間はある。NHKのニュースで「官僚機構の整備に、まだ数か月はかかる」と伝えていた。これは、与党共和党の重鎮が「新帝国に仕えてはいけない」との書簡を送り、深刻な人材不足に陥っているらしいのだ。「皇帝独裁専制政治」とは言っても実際の実務を取り仕切るのは「官僚達」である。官僚機構が機能していないのであれば、このスキを逃すべからずである。皇帝ジョーカーの本領が発揮される前に、手が回れば危機回避の道筋も見えて来よう。皇帝ジョーカーの言葉がそのまま法律になるにしても、官僚が居なければ、改正も起草も出来ないのだから、帝国は機能不全を起こして立ち往生してしまう。裏を返せば「見切り発車」の部分が多々あると言う事になる。皇帝ジョーカーのアキレス腱は「官僚機構の不整備」なのかも知れない。

王莽の「新王朝」は15年と言う短命に終わった。終始でたらめ、朝令暮改では国家は保てない。不満分子が各地で反旗を翻すのに、さして時はかからなかった。アメリカ帝国も多くの不満分子と言うか「反ジョーカー運動」が活発に活動している。簒奪は行われ「合衆国」は滅びたが、「合衆国建国の理念」までは滅んではいない。4年間と言う任期を皇帝ジョーカーが全う出来るとは誰も思ってはいないだろう。過激派も暗殺を予告している。本当は、簒奪演説中に撃たれて落命するのが「最善のシナリオ」だった。それは叶わなかったが、「合衆国」は死に絶えてはいない。声を抗議活動を続ける国民がまだ残っている。自由と正義と寛容・博愛の志を持った人々の手で「アメリカ帝国」を打倒して「アメリカ合衆国」を再興して欲しいと願わずにはいられない。それだけの力はまだまだ残っている。甦れアメリカ合衆国よ!倒れよ帝国主義者、皇帝ジョーカー!!!

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