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考古学者の著作で実証できない神話をあつかう場合は、本題の間のコラム欄で箸休めとして扱うのが定番なのだが、本書は考古学の立場から神話を読み解いているので素人でも読みやすい。
日本の国土のことを記紀では大八洲(おおやしま)と呼ぶ。おおやしま、オオヤシマ・・・なんだか格好いい響きでございます。
八つの島とは主に西日本のことなのだが、著者の森浩一先生は陸上ルートが定まっていない時代は、海上ルートがヒトとモノを運んでいたから、陸続きであっても島の感覚なのだと解説する。

この解説は丸木舟やシーカヤックで「海のヒスイロード」を検証した時に、航海術をもたない人々にとって海は陸のお終いだが、航海術に長けた人々にとっての海は、世界への玄関口なのだと実感していて大いに賛同する。
神話を独善的に解釈したニューアカデミズム論者の著作やYouTube動画を鵜呑みにして、「隠された真実はこれ!」と喧伝する人は多いが、たまには考古学の本でも読んだらどうだろうかね?考古学者は「真実」を隠している訳でなく、実証できないことは扱わないのが考古学なのだと理解できるかもw
その点は本書は「神話に興味はあるけど考古学の知識がない」タイプの人の入門書にいいのではないかな。
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