夏に工芸品の製作現場を取材したいと訪ねて来た美術専攻の女子大生のOさんから、「ヒスイ石笛に関する考察」という分厚い論文が送られてきた。
ヒスイ文化について永井荷風や漱石まで引用して過不足なく書かれており、膨大な資料を読み込んだ形跡が解る力作で、大いに感銘を受けた。
ヒスイ文化に関する文章は、いい加減なネット情報などを孫引きしたような独善的な記述や誤認が多くて辟易するのだが、鉱物学でも考古学でもない美術専攻の学生の視点が面白く、私の立場なら参考文献として信用の置けるレベル
某ヒスイ関係の団体のホームページなど酷いもので、事実誤認以前に常套句の使い方までヘンテコだから、誘われても仲間だと思われたくないので入らない(笑)
ぬなかわヒスイ工房の仕事を丁寧に記述してあり、石笛の形状のこだわり処も書いてくれた。
着眼点、取材力、緻密さ、論考力、文章力、姿勢、人柄など優秀な学生だが、大学院に進むより早く就職して両親に仕送りしたいとかで、今も2件のバイトを掛け持ちしているらしい。
即ち、おじさんキラー(笑)
大学生が1泊2日で取材に来るというので我が家に泊めてあげたのだが、帰る時にはお袋が野菜や加工品など山ほど持たせていた。人に親切にして貰えるのも若者の特権。
美術館や博物館の学芸員さんに最適な人材なので、実家のある関西方面で就職先が見つかればいいのだが。
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