今年も3月11日がやってきた。
東日本大震災が起こった日であり、原発が暴走し始めた日でもある。
毎年この日は、「原子の火から原始の火へ」という古代の摩擦式発火法の体験会をしていたが、今年は会場の問題と俺が忙し過ぎて休止。
そのかわりに7月27日に「縄文の火をつくろう!」という体験会が予定されている。
体験会でのキリモミ式発火法。
体験会で火打石をおっかなびっくり試す少女・・・かわいい!
火打ち石はヒスイ、火打ち金は100均の金鋸で作った自家製。
一昔前は自分で火をお越すことは日常生活の中で前の事だった。
その前の時代は、着るものも家族の誰かが縫ったり、あるいは繊維を作る段階から自家製であった。
現代はお金さえあれば衣食住に何の苦労もない時代。
今や一人で焚火を起こすことのできる日本人が国民の何割いるのだろう?
マッチすら擦ったことのない日本人も増えてきているのだ。
初めて摩擦式の発火法に成功した人は、誰でも突然に炎がぼうと立つのでこんな反応をする。
自分で作った炎・・・誰だって感動する。
父親の起こした炎に驚く少年。「うわーっ!お父さん凄~い!!」って歓声を挙げていた。
出産や婚礼、葬式もお金で他人に頼む時代になって、日本人から生活実感が希薄になってきている。
便利な時代は結構だけど、今のままでは将来どうなるのか?
知人の高校教諭から、蝶々結びもできない高校生もいると聞いている。
一昔前の自分で工夫して身体を使って生活を作る・・・こんな視座を真剣に見直す時代だと思うのだが。
http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/sys/20100224140352698.html
ご紹介頂いたHPを見てみましたら、摩擦式といっても江戸時代後半に発明された舞錐式発火法ですね。
博物館や教育委員会レベルでも、舞錐式発火法を縄文式と誤って教えている所がおおいのですよ。
舞錐式発火法を某考古学者が伊勢神宮でも行われているから古代の発火法に違いないと紹介して以来、何時の間にか定説のようになってしまったことと、簡単で体力もいらないので教えやすいんでしょうね。
因みに、糸魚川市でも舞錐式を縄文の発火法として教えていたので、学芸員に指摘したら「・・・あまり詳しくないもんで・・・」と横を向かれてしまいました(笑)