神職さんに勾玉を贈るための、ぬなかわヒスイ工房への注文依頼である。
原石はどれも綺麗なヒスイばかりだが、一目見てヒビが深くて加工途中で割れる可能性が高いヒスイなので溜息が出た。
通常、「山ヒスイ」と呼ばれる原石。
ハンマーなどで大割した原石に、多少の加工を加えてからバレル研磨機で仕上げてあるのが一般的。
石目を読むまでもなく、プレート状に加工する工程でバラバラに分解してしまう可能性が高い。
この二つは海岸で拾った「海ヒスイ」で漂石である。
海で拾った綺麗なヒスイは、「海擦れ」という自然の研磨が掛かっているので、原石のままの方が価値を持つ。
特に左のヒスイは透明感があって綺麗だが、小さい上に石目が深いので、小割するとバラバラになってしまうだろう。
こんなヒスイは、原石のまま鑑賞するか、シルバーワイヤーで包むなどしたアクセサリーに仕立てた方が無難。
右のヒスイもそれなりだが、白い斑(フ)が中まで入り込んでいるので、加工しても綺麗にはならないだろう
ただし、縄文時代の勾玉レプリカならこんなヒスイの方が感じが出る。
左も山ヒスイ。
右はラベンダーヒスイ。どちらも小さいことと未充填のヒビがクッキリ観えるので、すぐに割れると思う。
ヒスイ原石を購入する場合、将来的に勾玉などに加工したいのなら、最初からプレート状に加工された原石を買うことをお勧めしたい。
ヒビがクッキリと解るので、加工途中で割れるリスクを避けられることと、プレート加工する段階で割れる原石は割れているので、それ以上に割れるリスクが少なくなるのだ。
またヒスイ原石を割ってみると、表面の色合や質感が中まで入り込んでいないこともあるので、加工すると見栄えのしなくなるヒスイもあることをご理解して頂きたいもんですな。
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