フィリピン産の安いバナナやパイナップルが、どのように作られ、日本のスーパーに並ぶのか?
ミンダナオ島のジャングルでつつましく狩猟採集生活をする人々が、ある日突然に軍隊から立ち退きを命じられる。
問答無用にジャングルが開墾され、ドールやデルモンテなどのアメリカ企業のプランテーションができる。
財源は日本のODAだ。
「教えられなかった戦争 フィリピン編」の書籍版
生活の糧を奪われた人々は、やむなく低賃金のプランテーションで働くが、パイナップルの苗を一人当たり1万株を移植するのが一日のノルマで、先進国で使われることのない猛毒の農薬に曝され、1年をまたず廃人となる過酷な状況。
まさしく使い捨ての奴隷だ。
生活手段を失った人々はマニラのスラムに移住し、女は夜の街へ、子供は裸足でゴミの山に登り、資源ごみを漁る日々・・・。
抗議する勇敢な人は、フィリピン国軍の特殊部隊に次々と暗殺されていく。その訓練先は「思いやり予算」という名の日本の国家予算がつぎ込まれている、沖縄のキャンプハンセン、すなわちグリーンベレーの極東基地。
人々の血と涙にまみれた果物は、日本の商社が輸出入を独占し、スーパーで売られる仕組み。
現地の人は、日本は鉄砲を使わない戦争を続け、未だに我々から収奪している!と涙ながらに訴える。
日本政府と商社、アメリカ企業、フィリピン政府がグルになった巧妙な侵略戦争・・・生活を奪われた人々の共通認識だ。
20年ほど前に、この映画をフィリピン当局の眼を盗んで命がけで撮影したのは、日本の高岩仁監督。
プレスリリース試写会ではマスコミ各社の記者が騒然となり、「これほど酷い大問題を知らなかった!是非とも記事に!」との声をあげるが、全てデスクの段階でボツ。
政治家やスポンサー企業を告発することになるからだ。
消沈した高岩監督は上映してくれる映画館を探すが、映画の価値は認めてもらっても、どの映画館も抗議を恐れて上映自粛。
だからこの空前絶後の渾身のドキュメンタリー映画は、一般に知られることがなく、有志の草の根運動で細々と上映され、ビデオ販売で拡散しているのみ。
失意のうちに高岩監督は亡くなったが、この映画は世界遺産として遺し、少しでも多くの人に知って欲しい。
年間で700万tもの食べられる食材が捨てられている、我が飽食日本の裏側の事情である。
「教えられなかった戦争」はシリーズになっていて、他に中国編、マレー半島編、沖縄編がありますが、興味のある人、タイトルで検索すれば書籍が購入できます。
下記はその抜粋のYouTube動画
編集済 教えられなかった戦争
#日本の侵略戦争は終わっていない #教えられなかった戦争フィリピン編 #安いバナナがスーパーに並ぶ仕組み