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縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

「身体智」・・・糸魚川産鉱物で作った火打石セット

2016年03月07日 19時33分00秒 | DIY・こんなモノ作った!

身体智(シンタイチ)とは、身体経験を通じて身に付けた知恵の事。

本当に役立つのは、本を読んで身に付けた知識ではなく、実際の経験のなかで失敗と工夫、そして成功に至った過程なのだ。

その意味と、鉱物資源の豊富な糸魚川をアピールする目的で火打石セットを商品化したが、私に火打ち石発火法や原始の摩擦式発火法を教えてくれたのが原始技術研究家の関根秀樹先生で、様々な生活技術と共に身体智という言葉も教わった。

セット内容はヒスイ・チャート・碧玉といった糸魚川産鉱物で作った火打石、火打ち鎌、火口、付け木の四点セット。付け木に塗ってある硫黄以外の全ての資材がDIY店で揃えられるという処がミソなのだ。

 

ジオパーク糸魚川は豊富な鉱物資源に恵まれている。

旧石器時代から糸魚川産の蛇紋岩類は優秀な石器素材として広範囲で利用されており、縄文時代にはヒスイや滑石も加わる。

現代の糸魚川でも石灰石を利用したセメントや肥料などの化学化合品が主要産業なのだ。

真面目なお勉強を抜きにして、火打石で遊びながら火起こしを愉しめばいい。

その過程で、地学・化学・歴史・民俗学が学べるのだし、いかに糸魚川の鉱物資源が豊富かという事が理解できるというもの。

月末26日に柏崎市の「お寺フェスタ」、27日に上越市の「男たちのフリーマーケット」というイベントに二日連続で参加するので、当日は物販とワークショップをする。

お堅い話は抜きにして、子供も大人も楽しんで欲しいもんだ。


2016年はこれが来る!・・・疑似餌ピアス

2015年12月29日 13時51分48秒 | DIY・こんなモノ作った!

何時でも海を感じていたい貴女のために疑似餌ピアスを開発。

風に揺れるところがいい!

闇夜でタコの眼が光ることろがいい!

これで海好き男子が釣れること間違いなし!

売れたら次はワーム(みみず)タイプの疑似餌ピアスを作ってやりたいと切に願う。

買う人大募集!

 


ハニワの一輪差し・・・仕事の合間のほんの息抜き

2015年12月09日 21時49分46秒 | DIY・こんなモノ作った!

趣味と実益を兼ねて、土偶やハニワをモチーフにしたオカリナを作っている。

フリマや京都の「民族楽器コイズミ」さんで売って貰っているのだけど、面白がった知人からハニワの鉛筆立てを作ってくれいと頼まれて作ったのがこれ!

モデルは国宝の「踊る埴輪」で、実物はもっとスマート。可愛くない?電話の横に置いてウケ狙いしたいそうだ。

孔は貫通させてあるが、オカリナの場合は貫通させていない。貫通孔になってはいても底を指で塞げばオカリナになるのだ。

作ってから一年以上経つのだけど、一輪差しにしてみた。古墳時代の貴婦人(笑)

古墳時代のヘンな人(笑)

せっかく作ったのだから、世に出してやりたいというのが親心ですな。

それにしても、よく考えたら鉛筆立て・一輪差し・オカリナの3ウエイ機能が付いておるという凄い発明品だ。

晴天続きだから、日時計機能も付けてやろうか?


手作り楽器・・・コブラ笛と蟲笛

2015年10月21日 21時12分42秒 | DIY・こんなモノ作った!

今年は屋外ライブイベントと縁ができて、来年からは積極的にブースを出すようにな気配だ。

音楽好きが集まるイベントだから、ぬなかわヒスイ工房で作っている石笛ももちろん出展するが、ミネラルショーのように鉱物好きが集まるイベントなら売れても、音楽フェスの客層にはちと高額。

それに手作り楽器の体験会講師として呼ばれる事も多くなってきて、詳細未定ながら来年の広島での体験会の話しも出てきた。

 

そこでこれまで趣味で作ってきた手作り楽器をバージョンアップして、来年に備えている。

その第一弾が、コブラ笛の改良である。

インドのコブラ使いの笛だが、実物に忠実に作ると子供たちにいじくり回されて壊されてしまう事が度々あり、壊れにくい構造で、壊れても修理可能な工夫をしてある。具体的には、実物は松脂と蜜蝋で竹と瓢箪を固定させているのに対して、弾力があって差替え可能なコルクで固定した。

ペットボトル製は、スケルトンなので音の出る原理が解る工夫。斜めにカットした竹の先端に、実物のリン青銅の振動弁の代替品に、なんとネガフルムの振動弁を固定してある。このアイデアは、恩師の関根秀樹先生から教わったもの。

 

第二段は、蟲笛。

ご存じ、「風の谷のナウシカ」に出てくる蟲を制御する笛で、アニメではギギギ~という効果音だった。

実際にはキュルキュルコココッ~というお腹がくすぐったくなるような音。

蟲笛の画像をネット検索すると、音の出る理屈を理解してなさそうな商品が結構な値段で売っている・・・あれじゃ良い音はしないだろうにとは思うが、これは石笛も同じですな。

 

ちょっと自慢だが、私の作る蟲笛の音は改良する余地がないので、改良点はズバリ、製作時間の短縮だ。

以前は節のある竹に細長い孔を開けていたが、今は節の無い竹筒の両端に蓋をする構造にしたので、製作時間は半分ほどになった。

なんだかんだと言っては佳いモノを作るには手間暇がかかるので、あんまり安く売りたくないねえ(笑)

 


こんなモノ作ったぁ!・・・食器入れの竹筒

2015年09月18日 06時55分37秒 | DIY・こんなモノ作った!

私の最近のアウトドア遊びは単独行より大勢で賑やかにというパターンが増えてきた。

そこで趣味の木工と仲間達に自慢がてら、こんなモノ作った。

箸やスプーン類を汚さずに収納する竹筒です!

一本の竹筒の中間を切断して、両端を入れ子にしただけ。

箸は四月十日の「けんか祭り」の時の「鶏爺の竹」を貰って作った縁起物。

フォークとナイフは百均製品。市販のアウトドア用品はプラスチック製品が多く、なるべくプラスチック製品や割り箸や紙皿などの使い捨てのモノは使いたくないのだよ。

蓋をした状態。ラオスの山奥の山岳民族が、同じ構造の収納用品を切れない刃渡り四十㎝もある山刀とナイフだけで三十分ほどで仕上げた現場に直面して吃驚した事がある。世界一器用な人達ですな。

以前の私は半日も掛けて仕上げていたが、現在は何個も作っている内にコツを覚えて三十分ちょっとで作れるようになった。

また入れ子の内側を削る時には外丸ノミを使っているので精度はラオス式より上だと自負できる。

因みにラオスの竹は柔らかくて粘りがあるので竹細工に向くというハンデもあるぞ。仕上げは蜜蝋を擦り込んである。

底の小さな孔は内部を湿気させない工夫に加え、いざという時には火吹き竹になるという遊び心(笑)


足袋の綺麗な干し方教えます!・・・江戸の知恵

2015年02月13日 09時06分44秒 | DIY・こんなモノ作った!

暮れからひと月ほど愛車の軽トラに積んでいた竹。

何に使うのってよく質問されていたのでご回答!

足袋が綺麗に干せる足袋干しを作るためである。

俺は整体協会の会員だと何回か書いているけど、稽古着は着物と野袴なので足袋は日常的に履くのである。

大分前に江戸民俗資料博物館に行った時に、再現されていた江戸の長屋にこの足袋干しに足袋が干されていたのを観て、レプリカを作ってみたら大変に具合が良かったのだ。

ただ竹を逆さまにしただけではなく、一ヶ月の葉枯らしの後、丁寧に洗って汚れを落とし、先端や余分な枝を伐った部分は丸めて成形、仕上げは火で焙って油抜きをしてある。

売り物になる程度の足袋干しを作るには、結構手間暇がかかるのだ。

油抜きの方法は、火で竹を焙ると内部から樹液が滲みでてくるので、熱いうちに布で油を擦り込むように拭き取る。

こうすると竹はピカピカに艶が出て、黴たり割れたりせず、経年で渋い色合いに変化していってくれる大事な仕上げ方法。

 

洗濯バサミで足袋を干すとしわくちゃになるが、竹の枝で作った足袋干しだと綺麗に干せるだけでなく、足袋に足を入れた時にスーっとして気持ちがいい。

足が気持ちいいって喜んでるが解る(笑)

お世話になっている整体仲間に幾つかプレゼントしたら、評判になってたまに注文を受けるのである。

足袋干しの使い方。軍手もこれで干すと、縮まずに長持ちする。

 

竹細工に限らず、樹木を作るには、寒い時に伐った材料に限る。

温かい時期だと水分が多くて黴たり、虫が入ってしまうのだ。

だから竹は真冬に伐って陰干ししておくのだが、今回は注文を受けてから時間が無かったので、伐った竹の葉っぱを付けたまま軽トラの荷台に放置させて乾燥させておいたというのが真相。

葉っぱを付けたまま放置する乾燥方法を「葉枯し」と呼び、水に浸けて内部の樹液を抜く方法は「水枯し」と呼ぶ。

石笛仙人の守山鷲声さんの本業は篠笛職人で、彼は伐採した竹を苛性ソーダで煮てから、三年の陰干しをした上で割れなかった竹だけを使うそうだ。

これは奈良の名産品、「高山茶筅」も同様。

ただし、同じ竹細工でも竹籠類は油抜きはしないようだ。

勉強になりましたか!(笑)

 

 


炬燵に入って食う水羊羹はいかが?・・・風流な竹筒で作ってます。

2015年01月03日 23時48分18秒 | DIY・こんなモノ作った!

水羊羹と言えば夏場の食い物というのが一般的。

しかし北陸地方では冬に食う。

糸魚川も正月のお節料理にはかかせないデザートだから、我が家では大晦日に大量に水羊羹を作っている。

お節料理に満腹して炬燵でごろ寝・・・ちょっと小腹が空いてきたな、というタイミングで食うと絶妙に美味い!

寒い冬の夜、炬燵に入ってヒンヤリと冷たい水羊羹は、北陸の冬の風物詩。

歯に沁みる水羊羹が喉元を冷やしながら通過・・・これぞ至福の時。

これが竹筒羊羹!雪の上で食うという訳ではない(笑)。庭のサザンカの花弁が散る絶妙のタイミングだったので参考までに。

 

ところがどんなに美味いデザートでも、三が日を過ぎる頃には流石に飽きてくる。

自家製だから保存料無し・・・冷蔵庫に入りきらない位残っているので、黴が出る前に食わなきゃと半ば義務のように食う。

そこで俺が考案したのが、殺菌作用のある青竹の筒に煮上がったばかりの水羊羹を流し込んで固めるというもの。

東南アジアの路上や駅周辺で売られている竹筒ご飯をヒントにした。

水羊羹が固まったら、両刃鉈で先端に切れ目を入れて先端にサランラップを巻いて涼しい場所に置いておくだけ。

食う時に切れ目を手でパカッと開けば、青竹の香りと共に瑞々しい水羊羹が現れる。

半分に割った竹の上でナイフで切れ目を入れて、そのまま爪楊枝を差して食うのだ。

年始客の土産や、こっちが年始に行く時の手土産に持って行くと風流だと好評だ。

田舎では手入れの行き届かない竹林を持っている人が多く、竹を伐らせてくれいと頼むと喜んで伐らせてくれるので一石二鳥!

これだから田舎暮らしは愉しい。

 

 


最後の記事です・・・ブログ次回から引越し

2014年11月21日 09時52分44秒 | DIY・こんなモノ作った!

OCNブログのシステムの問題で、来週からgooブログに引越します。

タイトルは「縄文人(見習い)の糸魚川発!」のままですので、お気に入りに設定してある方は、タイトルで検索してください。

恐ろしい事に旅先で、行政関係者や考古学者、糸魚川関係者の人々から「ブログ読んでますよ!」と声を掛けられるのだ。

それと各地の糸魚川会の先輩諸氏、けんか祭りの仲間たち・・・有難いことです。

さて、OCNブログ最後のアップは体験会情報。

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糸魚川市にUターン帰郷して5年・・・最初は自主企画の体験会ばかりだったけど、最近は色んな団体から体験会の講師に呼ばれるようになってきたのは喜ばしい限り。

つまり友達が増えてきたということだ。
友達と言えば先日、とっても仲の良い友達夫婦からペア勾玉の注文があった。
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何時でも身に付けられるような小さな勾玉を、お守りとお国自慢ネタにしたいのだそうだ・・・しかも夫婦ペアの勾玉。
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注文主の顔が見える注文は気合いが入るし、愉しい仕事。
小さくても大きくても、勾玉を作る手間暇は変わらないし、五円玉より小さい勾玉を作るのは意外に難しい。
形が崩れたり、割れたりと苦労は多いけど、職人魂に火が付くのだ。

もちろん同じ原石からペア勾玉を作った。
仲のいいご夫婦・・・いいねえ。

それでは次回はgooブログにて・・・サラバ!









越後塩炊き祭り in cafe DONA・・・原発の海で塩作り

2014年11月04日 23時27分14秒 | DIY・こんなモノ作った!

「海のヒスイ・ロード」の旅の途中で仲間になった柏崎市の「umicafe DONA」さんは、原発の東2キロにある海を見下ろす素敵なカフェレストラン。

このカフェには面白い仲間が集まってくる。
その一人、長岡市の清野さん(せーちゃん)が発起人となって、11月2日~3日に原発の海の海水を煮詰めて塩を作るイベントを行った。

柏崎刈羽の原発再稼働の賛否に関わらず、例え廃炉となっても共存し続けなければいけない原発に対して、事故を起こさないで欲しいという願いを込めた祭りである。
海水は、上越地区、下越地区からも集めた。
上越地区は糸魚川のヒスイ海岸で皆既月食の日に汲んだ海水!
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右端がせーちゃん。左端の男性が富田さん。


俺の担当は、薪割りと火起こし。
塩炊きの指導は、大阪で染めや鉄火味噌作りなどの工房を営む富田貴史さん。
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祭壇を整える富田さん。彼は各地で塩炊きの指導をしているそうだ。
一睡もせずに塩炊きをし続けた富田さんの姿に感銘を受けた俺は、塩
炊きの後に名刺を渡して挨拶をしたら、名刺代わりと自分の工房で作っている麻製の越中褌をプレゼントしてくれた。
俺の勝負下着に決定!


当日は祭りの始まりの祈りの儀式までは天候がもっていたものの、火起こしで釜に火を入れる直前に風速8mの暴風雨となり、準備していた縄文式発火法の道具が一瞬でびしょ濡れとなるアクシデント発生。

慌てず騒がず、何時も携帯しているファイアー・スターター(アウトドア用品の現代版火打石)で着火した。

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薬缶で煮たてた海水を大鍋に移して灰汁やゴミを掬いながら沸騰させ、大釜に移してから煮詰めるという三段構えの体制。
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瞬間最大風速10m超えと思われる暴風雨に、雨除けのタープが吹き飛ばされそうになる。誰ともなく自主的に骨組みにぶら下がって錘になってくれた。
俺も薪割りの合間にタープの補強や控えロープ増強に励んだ。
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放浪の歌姫PHOKAちゃんと、歌うラーメン屋ゆっけが歌ってみんなを励ます。
踊り出す女たち、黙って薪を割る人、海水のゴミを掬いとる人、熱いお茶やコーヒーを淹れて振舞う人、ゆっけは夜食のラーメンを作ってくれた。
みんながそれぞれのやり方で塩炊きに参加していた。
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一晩中、煙で目を真っ赤にしながら釜に薪をくべ続けた富田さん。
薪の寸法、種類を選び、薪の並べ方まで考えた緻密な火力の調整をしていた。
その集注感は整体指導者並みで、間違いなく今回の塩炊きは富田さんの集注感がみんなを引っ張っていく牽引力になっていた。とても立派な人だと思った。
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朝3時くらいに暴風雨が峠を越して、風が風速5m前後に落ちてきた。
客観的にいって、風速10mもあればホームセンターで売っているようなタープは吹飛んだり、破れたりしてもおかしくはない。
みんなの想いが暴風雨からタープを守ったのだ。
俺も安心して仮眠したら4時間も爆睡・・・一晩中起きて塩炊きしていた人もいた。
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DONAさん店内で、各自が好きな時に好きな場所で寝ていた。
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朝7時から
晴れ間を縫って薪割り指導。長岡在住の親子だったが、奇しくも母親は糸魚川市青海町の出身で、高校の後輩だった。
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「わっしょい餅つき」。
左は上越市在住のアメリカ人のラッセルで、カナディアンカヌーに乗ってのツーリングキャンプが好きだという。ジョーク好きな気持ちのいい男で、家具職人だから意気投合してすぐに友達になった。
ラッセルもタープの補強を手伝ってくれたが、現場の即興対応力のあるヤツは好きだし、彼もよく研いだ刃物を常に持ち歩いているようだから実に気が合う。
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明け方に塩が結晶化してきた・・・感動の場面。
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大釜の底に溜まった塩の結晶を掬って木綿で濾し、遠心分離機で脱水。
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できた塩はみんなで作った宝物。

スタッフ以外は特に役割分担を決めていなかったけど、参加者は人手が足りなさそうな所に自分の判断で手伝うという理想的な動きで塩が作られていった。
雨でずぶ濡れになったり、煙で燻されて目を真っ赤にしながら・・・みんないい顔してた。
新しい友達が沢山できた。
指導した富田さん、企画した清野さん、場所を提供して裏方で支え続けたDONAさん、そして参加者のみなさんに感謝!
かけがえのない仲間たちに幸あれ。











「海のヒスイ・ロード」の報告書・・・人生初の原稿料!

2014年11月01日 23時27分57秒 | DIY・こんなモノ作った!

「海のヒスイ・ロード」検証実験航海の報告書を3ケ月かかってまとめた。

旅もちょうど3ケ月かかったが、何かの縁だろうか。

報告書は、素人の道楽に付き合ってくれた各地の埋蔵文化財センターの学芸員さんや、チャレンジ支援を受けたアウトドア総合ブランドのモンベルさんへの結果報告のつもりであったが、「糸魚川郷土研究会」の蛭子健治先生からの依頼でもあるのだ。
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蛭子先生は高校の時に古典を習った恩師だ。
退職後は郷土史研究の会を主催されており、「糸魚川郷土研究」という郷土史の発行や講演会、音楽会などを精力的にされておられるのだ。

旅から帰ったら、「糸魚川郷土研究」の次回号に原稿用紙70枚の報告書を寄稿して欲しいと、相変わらずの達筆の手紙が届いていた。

蛭子先生の達筆は懐かしい。
高校の古典の試験問題は、全て先生の草書体の手書きで設問が書かれていて、解読に手間取って答えを記入している途中で時間切れとなり、落第しそうになった事があるのだ。

生徒たちの抗議に、「手書き文章の解読も含めて古典の試験だと思うんですよ。申し訳ありませんが、私の試験は手書きで出させて下さい。」と優しくも毅然とした態度で応えておられたが、今から思えば尤もな理屈だし、先生の態度は立派だったと思う。


古典は赤点しかとった事しかない不肖の教え子に、70枚も原稿を依頼されるというのもどうかと思うが、せめてもの恩返しのつもりで快諾したし、「海のヒスイ・ロード」が活字化されて多くの人に読まれるのは望外の幸せといいうもの。

49枚の論文にまとめて先生にお渡ししたら、恐れ多い事に「薄謝」と書かれた原稿料を用意されておられた・・・律儀なお人柄に感服。

文章でお金を頂くのは初めての体験で恐縮した。

原稿料を頂いては同じ報告書を他に出す訳にもいかず、年内まで原稿は待って頂いて、大幅に加筆訂正する事にした。

「糸魚川郷土研究」は、来年3月に発行予定だそうです。
糸魚川市内の書店で購入可能ですし、図書館で閲覧することもできます。
興味のある方、お楽しみに!