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縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

DIY塗り壁でひび割れを軽減させるコツ・・・ぬなかわヒスイ工房改装プロジェクト

2022年09月04日 07時18分28秒 | ぬなかわヒスイ工房
塗り壁の石膏ボード下地が完成した夕方に、後輩から瓶コーラの差し入れ。瓶コーラなんて何年ぶりだろう。
予算の関係で珪藻土ではなく、塗り壁DIY希望の友人たちの体験会も兼ねて、安くて施工が楽なサンゴの化石由来の壁材を来週火曜日に塗ることになった。興味ある人は遊びにきてくださいな。
壁紙、塗り壁、塗装と仕上げに問わず、またプロの施工であっても、後から開口部の角に縦や横、斜めのクラックが出ることが多いのは、建物が乾燥収縮などで動き、出隅に応力が集中することが原因で、これは致し方ない。
 
しかし壁下地と出隅を一致させないことで、クラック発生要因を軽減させることはできる。
でも開口部の出隅を欠きこんで壁下地を張る作業が面倒なのだ。
 
とくに次がない私の場合は、端材を転用してゴミを出さないようにしているので、やたらと時間がかかる。
おかげで石膏ボードゴミは極端に少なかった。本当はもっと大きく欠き込みをした方がいいのだけど、ゴミになる石膏ボードが多くなるからカンベンしてください( ´艸`)
 
塗り壁が乾燥したら、荷物を搬入できるので、グンとギャラリーっぽくなると思う。工房の方は収納棚を作って荷物を入れ始めたので、8畳間と玄関を占領していた荷物が徐々に片付きつつある。
 
 
 
 

 


モノとワタシの共同作業・・・長者ヶ原遺跡の牙状勾玉にみるモノつくりの原点

2022年09月02日 07時21分56秒 | ぬなかわヒスイ工房
長者ヶ原遺跡出土の牙状勾玉(きばじょうまがたま)は、縄文前期出土の頭部と尾部に刻みがある、あまり類例のない形状の滑石製の勾玉。
実物の牙状勾玉は滑石製だが、私はヒスイやネフライトで作っている
 
頭部に刻みがある勾玉といえば、弥生時代以降に出現する丁子頭勾玉(ちょうじがしらまがたま)があるが、牙状勾玉から4,000年くらいの断絶期があるので、牙状勾玉はプロト丁子頭勾玉とは言えない、と思う。
 
ではなんでこの形状???
ヒスイ加工の経験からいって、原石を小割した際に偶然できたギザギザを、作者が面白がって活かした結果、この形状になった可能性を感じている。
オレンジが混じった三ケ月形のペンダントは、原石屋さんが三ケ月をモチーフにしたペンダント作りをしようとして、歪になったのでリメイクできないか?と託されたもの。
ギザギザを強調して整え、石目に線刻して三ケ月を鳥状に変更したペンダントに仕立てて渡したら、非売品にする!と喜んでお店に展示されることになった。
 
最初にデザインを決めて作ることもあれば、原石の形状を活かして手遊びした結果にできる作品もある。実のところ、後者がモノ作りの原点では?と、私は考えている。
 
「大勾玉展」で上京する機会に、以前からお逢いしたいと思っていた縄文モチーフの造形作家さんの工房を訪ねることになった。
 
パソコンでデザインしたり、レーザーで外形をくりぬいた量産勾玉までが売られる昨今、「最初にモノありき、モノとワタシがセッションして産み出されるデザイン」について語りあえたら幸い。
 
 

要所はプロにまかせる・・・ぬなかわヒスイ工房改装プロジェクト

2022年07月15日 07時52分15秒 | ぬなかわヒスイ工房

DIYでサッシを取付ける時は、床がからまない窓なら意外に簡単で水平垂直の精度もでるが、難しいのは床や土間がからむ出入口という学びをした(笑)

床がらみの出入口サッシを取付ける時は、床の水平の精度が悪かったので大引き・垂木のやりなおしで収めることができたし、床にサッシ枠を乗せてしまえばひとり作業でも大丈夫。

右側が工房とギャラリーの間のはき出しの引き違いサッシ、奥がギャラリー裏口のはき出しの引き違いサッシで、これは水平な土台や床に乗せて枠の垂直を出していけるのでひとり作業でも思いのほか簡単だった。
 
問題はメイン玄関の土間収まりの引き違いサッシで、三和土(タタキ)仕上がりの未来位置の墨に合わせて上から吊り下げて取付けなければならず、取付ける時に墨をみてもらう人は必要。
 
水平垂直の精度が悪いとサッシがきちんと締まらないし、敷居をモルタルで固定しなければならないので、ツッチーこと土田左官に手伝ってもらった。
一間幅のサッシ枠は、吊り下げただけでは敷居の中央がたるんで水平にはなっていなかったが、中央に定尺に切った「バカ棒」を入れ、ぴったりになるように敷居の左右からモルタルを押し込んで水平にしていくプロの技をみせてもらった。土田さんの右手横にあるのが、左右の枠と同じ長さに揃えたバカ棒。
DIYでも要所はプロに頼んだ方がいい。それにしても持つべきものは友人。
これでサッシの取り付けは完了したので、大雨が降っても吹き込むことがないので安心。次は外壁工事ですな。
 
開口部が半分になったので風通しも半分になったが、また一歩完成に近づいた。
 
 
 

ヒスイ工房の床にはアビトン!・・・ぬなかわヒスイ工房改装プロジェクト

2022年07月02日 06時20分49秒 | ぬなかわヒスイ工房

赤外線で水平や垂直を計測する「墨だし器」という便利なものがあり、国産有名メーカーなら4万円以上はする。

半信半疑で6,000円の中華製コピー品を購入したら、内装なら十分使えるレベルだった。DIYする人なら持っていると便利だ。
レーザー墨出し器のお陰で、平らに床が仕上がった。
 
仕事柄、床材は摩耗と水に強いアビトンという南洋材を選択。ちなみに3坪(6畳間)分で送料込みで8万円ほど。
アビトンはトラックの荷台の床材や、店舗などの土足用床材に使われるが、堅牢無比のうえに安いので、最近は一般家庭のリビングにも使われるようになっているようだ。
 
張り終わったばかりの床に、あおむけになって休憩。風向きを考慮した窓の位置が正解だったようで、通りぬける風が気持ちいい。
 
少しづつ完成に近づいている。
 
 
 

数寄屋大工シゲさんから習った鉛筆の削りかた・・・ぬなかわヒスイ工房改装プロジェクト

2022年06月29日 07時01分55秒 | ぬなかわヒスイ工房
藤沢在住時代に、数寄屋大工のシゲさんから教えてもらった鉛筆の削り方。
鉛筆の片側だけひろく削って平べったくすると、鋭い芯で細い線が描け、かつ芯が折れにくい工夫がされている。
 
当時60代のシゲさんは、中卒で親方の家に住込みで弟子入りして、年季があけてからは「渡り大工」の修行した経験のある大工さんで、大学の研究機関から文化財の修復を頼まれるような名工だった。
 
すでに死語になったが、「渡り大工」とは道具箱と着替えのはいったボストンバッグだけ持って電車に乗り、城下町で降りては材木屋を訪ね、修行先になりそうな現場を教えてもらっては、飛び込みで仕事をさせてもうらうのだそうだ。宿泊先は、親方からアパートを紹介してもらったりなどして、仕事期間は現場が終わるまで。
 
渡りをすることで、親方ごとの仕事振りや、その地域の建築様式が学べるのだが、シゲさんの渡り修行は恐らく70~80年代くらいで、その頃までそんな習慣が残っていたことに驚いた。
 
ずいぶん経ってから、テレビでドイツに残る渡り大工の特集をやっていて、かの地では黒づくめのシャツとラッパズボン、フェルトのハットという古風な姿が、渡り大工のコスチューム。寝袋をはすっかいに担いぐ姿で旅をして、野宿したりもするそうだから、まるでスナフキンのよう。
 
で、その番組を観る少し前に、シドニーの雑踏でドイツの渡り大工そのまんまの姿の若い男を観たことがある。
 
真夏の南半球で黒づくめの異様な姿が目立っていたが、その姿がドイツの渡り大工だとは知らず、ヘンタイさん?としか思わなかった。声をかければよかったと悔やんでいる。
 
 
 

サクランボ・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年06月11日 06時52分08秒 | ぬなかわヒスイ工房

屋根下地が終わり、週明けの板金工事を待つ間に間柱、開口部など造作しつつ、やっと小屋らしくなってきた。

屋根下地ベニアをひとりで屋根にあげるたび、ビス固定するたびに一歩づつ完成に近づいていく。

近所の桜の樹にサクランボがなっているのを初めてみて、落ちているのを食ったら正真正銘のサクランボ。すわ天変地異の前触れか!と母に教えたら、八重桜にはサクランボがなるのだと、驚きもしなかった。
 
屋根桁の上に屋根垂木をのせると、当然ながら垂木分の隙間ができる。素人仕事だと隙間の寸法がバラバラなので、隙間を閉じる埋木の寸法もバラバラだから、面倒くさい。
ところが今回は中川親方に桁と垂木をやってもらったので、同じ寸法に切りそろえた埋木がスパスパと収まっていくではないか。前回の時はホームセンター購入のツーバイ材を使ったが、今回は地元の製材所「ランバー羽入」さんの屋根垂木を使ったこともある。
 
生あくびがと溜息が出てくるようになったので、ここらが休憩の潮時のようだ。この土日は久しぶりに工事から離れる。
今日から8月まで、イベント講師や来客の予定が目白押しだから工事はペースダウンしそう。
 
しかし屋根さえできてしまえば、慌てることはない。6月中には7割がた完成して、7月中にはいい線いっているだろう。
 
 
 

ついに棟上げ・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年06月05日 06時22分17秒 | ぬなかわヒスイ工房
棟上げ前の休憩に、基礎工事をしたツッチーが、片道1時間をかけて建前の祝いの甘酒を持ってきてくれた。
 
 
屋根束を打ち込んでいるところ。大工さんのバランス感覚って凄いですわ。
母屋の取付け。片流れ屋根だからこの段階が棟上げです。
屋根垂木と順調に進み、夕闇せまる頃合いに鼻隠し・破風、広小舞までが完了して、中川親方の助っ人終了。
 
今日からひとりで野地ベニア、ルーフィング工事だが、屋根屋さんは天気次第ですぐに着工できるというから、ありがたい。
中川親方が本業を抜けられる期限があったので突貫工事だったが、ひとり作業では無理なところまで仕上がったので、仕事終わりにコーヒーを淹れて談笑。感慨無量。
 
屋根さえできてしまえば、風雨や酷暑に関係なく外装・内装工事ができるので、安心していられる。
 
車庫を占領していた建築資材も、残りは内装用木材や建材だけになりガランとしてきた。
 
今月中には8割がたの工事が終わる見込みで、7月以降に予定されている来客をギャラリーに迎え入れることもできるし、海のイベントのスタッフも心置きなく参加できる。もちろん内装工事と並行してヒスイ加工も再開して、8月中には完成の見込み。
 
友人たちの助けで、ギリギリながら結果オーライ!
 
 
 

屋根完成まであと一息・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年06月04日 06時33分22秒 | ぬなかわヒスイ工房

ついに柱が建ち、梁、軒桁が繋がって、梅雨突入前に屋根下地が完成する見込みがたった。

既存部は私が作ったパネル工法モドキで、垂直・水平の手直しにえらく時間がかかったが、増築部は中川親方が作った木軸在来工法で、こちらは筋交いや金物なしでもグラグラ揺れずに垂直・水平と見事なもの。

軒桁の通りをみたら、頼りなかった既存部から増築部までまっすぐに通っていたので、プロのスゴ技に感動した。
 
ドキュメンタリー映画「くじらびと」で、舟でいちばん揺れ動く舳先に銛うちが直立してクジラを追う場面がなんどか出てくるが、ベテラン大工のバランス感覚も凄い。忍者みたいですわ。
 
中川親方が仕事を抜けられる最後の今日は、屋根束、母屋、屋根垂木、破風・鼻隠しの取付け。
 
明日からは独りで屋根下地ベニアとルーフィングか・・・来週から天気が怪しくなるが、今度は屋根屋さんの都合次第となる。
 
 
 

職人のサバイバル能力・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年05月30日 07時25分07秒 | ぬなかわヒスイ工房
ヨガ大工中川親方の助っ人二日目。
暑いし、雨がふってもいいようにタープを張る。
 
家つくりをする職人衆は、常人とは異次元の空間感覚を持っている。現物がないのに寸法を割り出し、その通りに加工して組み立てるとピッタリ一致!
 
既存建物から推測して、増築部の基礎を工事してくれたツッチーの墨出しも、中川親方が計測したらピッタリだった。長年にわたって修行してきた職人ってスゲーなぁ。
 
自然災害などでサバイバルが必要になったら、これは危ない、これは安心という膨大な経験則と、それを現実化できる技術を持っている家つくり関連の職人がいると心強いと思う。
 
もちろん雨でも酷暑でも環境の悪いところでも仕事をしているから、基礎体力だって普通の人より高い。世の独身女性よ、結婚相手なら職人はイザという時に頼りがいがありますよう。
 
その点、ヒスイ職人はロクな修行せずに職人を名乗れるし、仕事がマクロ過ぎてヤワですわ。
 
 
 

運気のいい来客は来訪神・・・糸魚川観光案内

2022年05月28日 06時52分04秒 | ぬなかわヒスイ工房
信州のお客さんからガイドを頼まれたら、直前までの土砂降りが快晴となり、めったに拾えないロウカン質ヒスイを拾った女性もいて、気持ちもいいが運気のいい人たちだった。
フォッサマグナミュージアムの後は長者ヶ原遺跡は必須!
小さな欠片でも極上のヒスイ。別の女性もヒスイの欠片を拾った。
 
ノリがよくてガイドを面白がって聞いてくれるので、当方もサービスして、予定になかったヌナカワ姫の史跡や海に沈む夕日鑑賞、安くてうまい晩ご飯までご案内。
運気のいい来客は運気のお裾分けをしてくれる来訪神のように感じる。
 
「いちゃれば ちぇーでい」沖縄方言で「一度あえば兄弟」という意味で、こんなお客さんは次回から友人として迎え入れる。工房が完成したらまたおいでよ。今度は縄文キャンプもいいし、水着を持ってくれば海遊びに連れていくよ!と別れを惜しむ。