オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

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はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

ABCDEFバンドルって何?

2018-01-14 15:05:46 | 倫理
ABCDEFバンドルって知ってますか?

2010 年にVasilevskisさんたちが提唱したものです
Reducing iatrogenic risks: ICU-acquired delirium and weakness--crossing the quality chasm.


これは、人工呼吸器装着している患者さんの管理で、せん妄とICU-Aquired weakness を予防するために ABCDE を頭文字とする管理をバンドル(束=全部やる)でやってみようという概念です。
A:Awaken the Patient Daily : Sedation Cessation = 毎日の覚醒トライアル
B:Breathing : Daily Interruptions of Mechanical Ventilation = 毎日の呼吸器離脱トライアル
C:Coordination : Daily Awakening and Daily Breathing = A+B の毎日実践
D:Delirium monitoring =せん妄のモニタリングとマネジマント
E:Early Mobility and Exercise =早期離床


ABCDEバンドルはその後どんどん進化していきます。

CCM2017ではABCDEバンドルはABCDEFバンドルとなりました。

Aが痛みのアセスメント、予防、管理についてとなり、Fの家族の力を活用し、エンパワーすることが追加されました。


このように進化してきたABCDEFバンドルは効果があるのでしょうか?

CCM2017にABCDEFバンドルの効果を研究した論文がありました。
Improving Hospital Survival and Reducing Brain Dysfunction at Seven California Community Hospitals: Implementing PAD Guidelines Via the ABCDEF Bundle in 6,064 Patients.

この研究の目的はABCDEFバンドルの遵守と、病院の生存期間、せん妄・昏睡期間の関係を明らかにすることで、多施設前向きコホート研究です。
6064名のICU患者を対象にしています。


さて、結果やいかに??

対象はおよそ4分の1は呼吸器管理をされており、ABCDEFバンドルの要素すべてに適合しました。
呼吸器管理を受けていない患者は、バンドルの遵守を評価する際にA(SAT)、B(SBT)、C1(SAT+SBT)の要素の対象から外しました。

患者アウトカムと遵守率に関してです。
10人に1人が退院する前に死亡し、ICU在室日数は3日、在院日数は5日でした。
ABCDEFバンドルの遵守率は89%、95%とともに高かったです。



この図は、横軸がバンドルの遵守率、縦軸が生存率を表しています。
上のAはバンドルの要素を全て実施したものを分析していて、下のBは要素を部分的に実施しているものを分析しています。
すべてのバンドルの遵守率が10%増加するごとに、院内生存率が7%有意に増加します。
部分的なバンドルでも、遵守率が10%増加するごとに、院内生存率が15%有意に増加することが示されました。


この図は横軸がバンドルの遵守率で、縦軸にせん妄・昏睡フリーの日数です。
すべてのバンドルの遵守率が10%増加するごとに、せん妄・昏睡フリーの日数が2%増加し、部分的な遵守率が10%増加するごとに、せん妄・昏睡フリーの日数が15%増加しています。

このように、観察研究ですが、ABCDEFバンドルが効果的だという結果が出てきました。

看護師ができることはとても多いように感じます。
実際にやれていることも多いのではないでしょうか。
一つ一つを丁寧に可視化して発展させていけるように、自分も行動していきたいなぁと思います。



毎週日曜日にブログ更新予定(あくまで予定です)!
よーし、2018年もがんばるぞー!!!
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