■5月18日(日)~5月24日(土)
□高橋正子選
【最優秀】
★駅までの道は一本麦の秋/黒谷光子
駅までゆく道は、ただ一本。日陰も木立もないだろう。太陽の光りが道を白くし、麦秋の風が通り抜ける道。麦秋の気分が深く伝わってくる。(高橋正子)
【特選/5句】
★白バラに夕陽のまじる時となり/祝恵子
白バラに夕陽が傾き、あかあかと差してくる時刻。「夕陽のまじる」が的確。夕陽に染まる花びら、奥深く染まらぬところ。これを「まじる」と言った。「まじる」がリアルで、夕陽を受ける白バラの美しさが出た。(高橋正子)
★睡蓮の葉の三つ四つと伸び出し/河野啓一
睡蓮の葉は、はじめ巻葉である。あちらに三つ、こちらに四つと艶やかな巻き葉が池水から伸び出る。水面に一度にすずしい季節の到来を知らされる。(高橋正子)
★柿の花ときにこぼるる石の上/大給圭泉
柿の木のあるところは、石垣の上だったり、なんの用か石が置かれていたりする。土の上にも落ちるが、石の上にもときには、落ちる。石の灰色と浅緑の柿の花の取り合わせに、奥ゆかしい美しさがある。(高橋正子)
★さいはてのたんぽぽの野を一輌車/おくだみのる
さいはての野をゆく一輌車。時は一面にたんぽぽの咲くころ。一人旅であろうか。「さいはて」の寂寥感を慰めてくれるたんぽぽに感銘を覚える。(高橋正子)
★一面の花たんぽぽや牛放つ/志賀たいじ
一面にたんぽぽの花が咲いている牧場。牧場に春がやってきたのだ。自由に草を食べ、遊べよと牛を放つ。生活のなかにある牧歌的風景への賛歌。(高橋正子)
【入選Ⅰ/15句】
★海に向く灯台跡や麦の秋/宮本和美
長い歴史のある灯台が、その役目を全うして廃墟になった寂しさと、初夏に黄色に熟した麦との対比が素晴らしいです。(小口泰與)
★夕映えの海に傾れる植田かな/國武光雄
夕映えの海を臨む高低さのある傾いた植田。その植田には、青々とした早苗が田水の上から見える。オレンジと緑、そして海と田水の水の色。海を臨む田圃の景色とともに色彩の変化がこの句に彩りを添えている。日本の原風景を感じさせる一句です。(飯島治蝶)
★園児らの水色リボン夏帽子/小河原宏子
爽やかな夏帽子に水色の爽やかなリボンが元気そうな園児たちによく似合いますね。(大給圭泉)
★青葉雨けさより赤き車椅子/かわな ますみ
車椅子が新しくなりました。「赤」い色は安全でいいですね、{青葉雨}が効果的で好きな一句です。(吉川豊子)
★ゆったりとバラ園巡る車椅子/渋谷洋介
先日、同じような景を見て誠に微笑ましく思いました。上五の「ゆつたりと」が抜群な咲作品と存じます。共感の一句です。(宮本和美)
★観覧車青葉見下ろす空といる/竹内よよぎ
景がよく見えます。ゆっくりと回る観覧車。特に、観覧車が最高到達点にまで来たときは、至福のとき。今のこの時期はまさに、「青葉見下ろし空といる」です。共感した一句です。(飯島治蝶)
★母の忌や空飛びたがる夏帽子/篠木 睦
「空飛びたがる」が実に面白い見方だと思う。青嵐でしょうか緑の風に帽子が飛びそうだ。帽子を飛ばしそうなそんな「薫風」までが見えてくるようだ。(まえかわをとじ)
★夏大根葉を青々と買われゆく/臼井愛代
メニューは大根おろしでしょう。葉つきのままのものを求めるのは、スーパーでは難しいですが、これは産地直売のものでしょうか。新鮮な大根の葉は食欲も涼味もそそります。(多田有花)
★岩魚釣る御岳からの水澄めり/古田けいじ
岩魚のすむ渓流を成す御岳の水の清冽なさまを思います。岩魚が姿を現す澄んだ水を見つめる釣り人の、わくわくとした気持ちが伝わってきます。(臼井愛代)
★白つめ草丘の起伏をたんぽぽと/あみもとひろこ
一面に広がる白つめ草とたんぽぽが、そのまま丘の起伏の形となっているうつくしさに触れた作者の感動があります。(臼井愛代)
★蕗を剥く水張りボ-ルにたっぷりと/小川美和
「たっぷりと」に、初夏の野山からのゆたかな恵みをいただくうれしさがあります。蕗が剥かれるときの、野趣に溢れた香りも漂ってきそうです。(臼井愛代)
★武蔵野の台地一面昇り藤/小口泰與
昇り藤が台地一面に咲き乱れる見事な情景に触れたときの、作者の強い印象や感動が、武蔵野の地名を入れられたことで、よりはっきりと表現されていると感じました。(臼井愛代)
★かくれんぼ若葉青葉の隠す子ら/飯島治蝶
こんもりと茂った若葉青葉が、かくれんぼの子らの格好の隠れ場となっている楽しさがあります。自然の中で遊ぶ子供たちの元気な様子を、読者は明るい気持ちで思い浮かべます。(臼井愛代)
★はんにちは日輪白く竹の皮脱ぐ/甲斐ひさこ
「竹の皮脱ぐ」は7音の季語。半日は、太陽は白く耀いている。午後からはうす曇とでもなったのであろうか。竹が皮を脱ぐ季節は、こういった天気の日もある。そうして次第に五月も終るのだが、皮を脱いだ竹の生長が目に見えるようだ。(高橋正子)
★葉桜の先の薄紅初々し/井上治代
葉桜といっても、すぐに青々と茂るのではなく、はじめは薄紅色が葉先に残って、その薄紅色が初々しい。その初々しさにはっとさせられる。(高橋正子)
【入選Ⅱ/14句】
★自家用にじゃが芋の花咲かせける/堀佐夜子
ずいぶん前、大阪吟行の時に佐夜子さんのお宅をお尋ねしましたが、よく手を加えられたお住まいで、充実した日々を送っておられる様子を拝見しました。家庭菜園でしょうか。清楚な花が咲いているのでしょう。(吉田 晃)
★麦秋を街へ真っ直ぐ通学路/吉田晃
山麓から街へと広がる麦畑が黄色い絨毯を敷いたように広がる。その中を通学路が一直線に白々と舗装され、登下校の児童達が往き来します。麦の大きな農村風景と通学路という取り合わせによって、初夏の若々しさを感じさせてくれました。「まっすぐ」がいいですね。(おおにし ひろし)
★朝採りの枇杷を選りたる道の駅/柳原美知子
初夏の味覚、枇杷は保存が利かず、産地直売に限ります。「道の駅」を下五に据えた巧みな句作に教えられました。美味しそうな枇杷の形が目に浮びます。(河野啓一)
★家中を煮立てて香る苺ジャム/小西 宏
苺ジャムの甘い香りが家中に。暖かい家族の温もりが見えますね。(祝恵子)
★若竹の丸き切り口新しき/多田有花
若竹の新鮮さ,瑞々しさが切り口にまで表れている初夏の清々しさの表れた句と思いました。(小河原宏子)
★万緑やスウィッチ運転飛騨特急/かつらたろう
緑あふれる山を電車がスピードを落としジグザグに登ってゆくのでしょう。先人の知恵が万緑を更に味わい深くしてくれているようでいいですね。(吉田 晃)
★郭公の遠くに聞こゆ朝厨/丸山草子
郭公の声が遠くに聞こえる、静かな清々しい朝です。きもちよく一日が始まります。(池田多津子)
★万緑や乳母車の児眠らせり/藤田裕子
児を眠らせるのは、万緑である。万緑の季節は、風もそよそよと心地よい。少し汗ばむほどの陽気が眠気をさそう。乳母車の児をすやすやと眠らせるのもいい季節だから。(高橋正子)
★麦熟れて日ごと明るく陽を返す/池田多津子
麦が熟れはじめ、刈り取られるまでは、日ごとに明るい陽射しを返す。風に陽に、熟れた麦は揺れて、健康的な明るさを見せてくれる。(高橋正子)
★ふくいくと粒の揃いしさくらんぼ/吉川豊子
★早朝の目覚め爽やか新樹光/大山 凉
★百合の木の弾けるような青葉照り/おおにし ひろし
★夕凪や真っ直ぐ伸びる陽の光/高橋秀之
★御座船やみどりみどりの中進む/まえかわをとじ
■互選高点句
□集計/臼井愛代
【最高点/9点】
★仔馬蹴るうしろの海は初夏の青/志賀たいじ
(啓一・有花・宏・美知子・愛代・治蝶・凉・ひろし・ひさこ選)
緑の草を食みながら子馬も軽快に跳ね廻っている、海の見える牧場。広々とした爽快な景を満喫させられました。「仔馬蹴る」が簡にして要を得た表現かと存じます。(河野啓一)
海はオホーツクでしょうか。海の見える牧場に放たれた仔馬、まだ母馬のすぐそばに寄り添っているのでしょう。広々とした北の大地の風を感じます。(多田有花)
牧場の背後はすぐに海だという。子馬の跳ねる姿や海の青さ。初夏の季節とともに北海道という広やかさを読者にも伝えてくれます。(小西 宏)
愛らしい仔馬が元気いっぱい跳ねる広々とした草の原。その向こうに更に広がる海の青さが夏の訪れを感じさせます。喜びに満ちた牧場の夏が始まります。(柳原美知子)
すくすくと育っている仔馬の足元には大きな大地、後ろの海は、初夏の色を見せて広がっています。元気な仔馬の躍動感が、明るい初夏の自然に相応しく思います。(臼井愛代)
長閑な中に、元気な仔馬の動き。中七からの展開が巧妙。動的で、しかも広がりのある初夏の句に仕立てられいます。仔馬の動きが、大自然の中に生き生きと伝わって来ます。(飯島治蝶)
蒼い牧草と青い海、初夏の大きな自然の営みの中での子馬の生き生きと、愛くるしい動きが伝わってきます。(大山 凉)
青々とそして、茫洋とした北の海は夏の青さ、大きさに、仔馬の愛苦しい生命が息づいて見えます。(おおにしひろし)
伸び伸びと仔馬が駆けている牧場の遥に夏の海が眩しく広がっている。憧れる風景です。(甲斐ひさこ)
【次点/5点/2句】(作者名五十音順)
★芍薬のふっくらと咲き今日の供花/黒谷光子
(たいじ・晃・睦・ひさこ・有花選)
★富士山を大きく置きて葱坊主/大給圭泉
(みのる・ひろこ・けいじ・治蝶・よよぎ選)
□高橋正子選
【最優秀】
★駅までの道は一本麦の秋/黒谷光子
駅までゆく道は、ただ一本。日陰も木立もないだろう。太陽の光りが道を白くし、麦秋の風が通り抜ける道。麦秋の気分が深く伝わってくる。(高橋正子)
【特選/5句】
★白バラに夕陽のまじる時となり/祝恵子
白バラに夕陽が傾き、あかあかと差してくる時刻。「夕陽のまじる」が的確。夕陽に染まる花びら、奥深く染まらぬところ。これを「まじる」と言った。「まじる」がリアルで、夕陽を受ける白バラの美しさが出た。(高橋正子)
★睡蓮の葉の三つ四つと伸び出し/河野啓一
睡蓮の葉は、はじめ巻葉である。あちらに三つ、こちらに四つと艶やかな巻き葉が池水から伸び出る。水面に一度にすずしい季節の到来を知らされる。(高橋正子)
★柿の花ときにこぼるる石の上/大給圭泉
柿の木のあるところは、石垣の上だったり、なんの用か石が置かれていたりする。土の上にも落ちるが、石の上にもときには、落ちる。石の灰色と浅緑の柿の花の取り合わせに、奥ゆかしい美しさがある。(高橋正子)
★さいはてのたんぽぽの野を一輌車/おくだみのる
さいはての野をゆく一輌車。時は一面にたんぽぽの咲くころ。一人旅であろうか。「さいはて」の寂寥感を慰めてくれるたんぽぽに感銘を覚える。(高橋正子)
★一面の花たんぽぽや牛放つ/志賀たいじ
一面にたんぽぽの花が咲いている牧場。牧場に春がやってきたのだ。自由に草を食べ、遊べよと牛を放つ。生活のなかにある牧歌的風景への賛歌。(高橋正子)
【入選Ⅰ/15句】
★海に向く灯台跡や麦の秋/宮本和美
長い歴史のある灯台が、その役目を全うして廃墟になった寂しさと、初夏に黄色に熟した麦との対比が素晴らしいです。(小口泰與)
★夕映えの海に傾れる植田かな/國武光雄
夕映えの海を臨む高低さのある傾いた植田。その植田には、青々とした早苗が田水の上から見える。オレンジと緑、そして海と田水の水の色。海を臨む田圃の景色とともに色彩の変化がこの句に彩りを添えている。日本の原風景を感じさせる一句です。(飯島治蝶)
★園児らの水色リボン夏帽子/小河原宏子
爽やかな夏帽子に水色の爽やかなリボンが元気そうな園児たちによく似合いますね。(大給圭泉)
★青葉雨けさより赤き車椅子/かわな ますみ
車椅子が新しくなりました。「赤」い色は安全でいいですね、{青葉雨}が効果的で好きな一句です。(吉川豊子)
★ゆったりとバラ園巡る車椅子/渋谷洋介
先日、同じような景を見て誠に微笑ましく思いました。上五の「ゆつたりと」が抜群な咲作品と存じます。共感の一句です。(宮本和美)
★観覧車青葉見下ろす空といる/竹内よよぎ
景がよく見えます。ゆっくりと回る観覧車。特に、観覧車が最高到達点にまで来たときは、至福のとき。今のこの時期はまさに、「青葉見下ろし空といる」です。共感した一句です。(飯島治蝶)
★母の忌や空飛びたがる夏帽子/篠木 睦
「空飛びたがる」が実に面白い見方だと思う。青嵐でしょうか緑の風に帽子が飛びそうだ。帽子を飛ばしそうなそんな「薫風」までが見えてくるようだ。(まえかわをとじ)
★夏大根葉を青々と買われゆく/臼井愛代
メニューは大根おろしでしょう。葉つきのままのものを求めるのは、スーパーでは難しいですが、これは産地直売のものでしょうか。新鮮な大根の葉は食欲も涼味もそそります。(多田有花)
★岩魚釣る御岳からの水澄めり/古田けいじ
岩魚のすむ渓流を成す御岳の水の清冽なさまを思います。岩魚が姿を現す澄んだ水を見つめる釣り人の、わくわくとした気持ちが伝わってきます。(臼井愛代)
★白つめ草丘の起伏をたんぽぽと/あみもとひろこ
一面に広がる白つめ草とたんぽぽが、そのまま丘の起伏の形となっているうつくしさに触れた作者の感動があります。(臼井愛代)
★蕗を剥く水張りボ-ルにたっぷりと/小川美和
「たっぷりと」に、初夏の野山からのゆたかな恵みをいただくうれしさがあります。蕗が剥かれるときの、野趣に溢れた香りも漂ってきそうです。(臼井愛代)
★武蔵野の台地一面昇り藤/小口泰與
昇り藤が台地一面に咲き乱れる見事な情景に触れたときの、作者の強い印象や感動が、武蔵野の地名を入れられたことで、よりはっきりと表現されていると感じました。(臼井愛代)
★かくれんぼ若葉青葉の隠す子ら/飯島治蝶
こんもりと茂った若葉青葉が、かくれんぼの子らの格好の隠れ場となっている楽しさがあります。自然の中で遊ぶ子供たちの元気な様子を、読者は明るい気持ちで思い浮かべます。(臼井愛代)
★はんにちは日輪白く竹の皮脱ぐ/甲斐ひさこ
「竹の皮脱ぐ」は7音の季語。半日は、太陽は白く耀いている。午後からはうす曇とでもなったのであろうか。竹が皮を脱ぐ季節は、こういった天気の日もある。そうして次第に五月も終るのだが、皮を脱いだ竹の生長が目に見えるようだ。(高橋正子)
★葉桜の先の薄紅初々し/井上治代
葉桜といっても、すぐに青々と茂るのではなく、はじめは薄紅色が葉先に残って、その薄紅色が初々しい。その初々しさにはっとさせられる。(高橋正子)
【入選Ⅱ/14句】
★自家用にじゃが芋の花咲かせける/堀佐夜子
ずいぶん前、大阪吟行の時に佐夜子さんのお宅をお尋ねしましたが、よく手を加えられたお住まいで、充実した日々を送っておられる様子を拝見しました。家庭菜園でしょうか。清楚な花が咲いているのでしょう。(吉田 晃)
★麦秋を街へ真っ直ぐ通学路/吉田晃
山麓から街へと広がる麦畑が黄色い絨毯を敷いたように広がる。その中を通学路が一直線に白々と舗装され、登下校の児童達が往き来します。麦の大きな農村風景と通学路という取り合わせによって、初夏の若々しさを感じさせてくれました。「まっすぐ」がいいですね。(おおにし ひろし)
★朝採りの枇杷を選りたる道の駅/柳原美知子
初夏の味覚、枇杷は保存が利かず、産地直売に限ります。「道の駅」を下五に据えた巧みな句作に教えられました。美味しそうな枇杷の形が目に浮びます。(河野啓一)
★家中を煮立てて香る苺ジャム/小西 宏
苺ジャムの甘い香りが家中に。暖かい家族の温もりが見えますね。(祝恵子)
★若竹の丸き切り口新しき/多田有花
若竹の新鮮さ,瑞々しさが切り口にまで表れている初夏の清々しさの表れた句と思いました。(小河原宏子)
★万緑やスウィッチ運転飛騨特急/かつらたろう
緑あふれる山を電車がスピードを落としジグザグに登ってゆくのでしょう。先人の知恵が万緑を更に味わい深くしてくれているようでいいですね。(吉田 晃)
★郭公の遠くに聞こゆ朝厨/丸山草子
郭公の声が遠くに聞こえる、静かな清々しい朝です。きもちよく一日が始まります。(池田多津子)
★万緑や乳母車の児眠らせり/藤田裕子
児を眠らせるのは、万緑である。万緑の季節は、風もそよそよと心地よい。少し汗ばむほどの陽気が眠気をさそう。乳母車の児をすやすやと眠らせるのもいい季節だから。(高橋正子)
★麦熟れて日ごと明るく陽を返す/池田多津子
麦が熟れはじめ、刈り取られるまでは、日ごとに明るい陽射しを返す。風に陽に、熟れた麦は揺れて、健康的な明るさを見せてくれる。(高橋正子)
★ふくいくと粒の揃いしさくらんぼ/吉川豊子
★早朝の目覚め爽やか新樹光/大山 凉
★百合の木の弾けるような青葉照り/おおにし ひろし
★夕凪や真っ直ぐ伸びる陽の光/高橋秀之
★御座船やみどりみどりの中進む/まえかわをとじ
■互選高点句
□集計/臼井愛代
【最高点/9点】
★仔馬蹴るうしろの海は初夏の青/志賀たいじ
(啓一・有花・宏・美知子・愛代・治蝶・凉・ひろし・ひさこ選)
緑の草を食みながら子馬も軽快に跳ね廻っている、海の見える牧場。広々とした爽快な景を満喫させられました。「仔馬蹴る」が簡にして要を得た表現かと存じます。(河野啓一)
海はオホーツクでしょうか。海の見える牧場に放たれた仔馬、まだ母馬のすぐそばに寄り添っているのでしょう。広々とした北の大地の風を感じます。(多田有花)
牧場の背後はすぐに海だという。子馬の跳ねる姿や海の青さ。初夏の季節とともに北海道という広やかさを読者にも伝えてくれます。(小西 宏)
愛らしい仔馬が元気いっぱい跳ねる広々とした草の原。その向こうに更に広がる海の青さが夏の訪れを感じさせます。喜びに満ちた牧場の夏が始まります。(柳原美知子)
すくすくと育っている仔馬の足元には大きな大地、後ろの海は、初夏の色を見せて広がっています。元気な仔馬の躍動感が、明るい初夏の自然に相応しく思います。(臼井愛代)
長閑な中に、元気な仔馬の動き。中七からの展開が巧妙。動的で、しかも広がりのある初夏の句に仕立てられいます。仔馬の動きが、大自然の中に生き生きと伝わって来ます。(飯島治蝶)
蒼い牧草と青い海、初夏の大きな自然の営みの中での子馬の生き生きと、愛くるしい動きが伝わってきます。(大山 凉)
青々とそして、茫洋とした北の海は夏の青さ、大きさに、仔馬の愛苦しい生命が息づいて見えます。(おおにしひろし)
伸び伸びと仔馬が駆けている牧場の遥に夏の海が眩しく広がっている。憧れる風景です。(甲斐ひさこ)
【次点/5点/2句】(作者名五十音順)
★芍薬のふっくらと咲き今日の供花/黒谷光子
(たいじ・晃・睦・ひさこ・有花選)
★富士山を大きく置きて葱坊主/大給圭泉
(みのる・ひろこ・けいじ・治蝶・よよぎ選)
さくらんぼ を入選Ⅱに、お加えいただきまして
有難うございました。
「麦の秋」を入選Ⅰにお選び頂き、有難う御座いました。励みになります。今後とも、ご指導をお願い致します。
また、「仔馬蹴るうしろの海は初夏の青」が多選句に選ばれ光栄に思います。夫々素敵なコメントを添えて戴きました河野啓一様・多田有花様・小西 宏様・柳原美知子様・臼井愛代様・飯島治蝶様・大山 凉様・おおにしひろし様・甲斐ひさこ様に厚くお礼申し上げます。
素敵なコメントも添えて戴き嬉しいかぎりです。
「新樹光」を入選Ⅱに、お選び頂まして有難うございました。
「睡蓮の葉の三つ四つと伸び出し」を特選5句にお採りくださり、ご親切に素敵な評をお添え下さいまして誠に有り難うございました。
睡蓮の生態はよく存じませんでしたが、池の片隅で小さな葉を広げ始めている風情にふと惹かれた次第です。選を賜わり大変励みになりました。
「若竹の丸き切り口新しき」を入選Ⅱにお選びいただきありがとうございます。
宏子さまには、素敵なコメントを頂戴し、お礼申し上げます。
愛代さま、いつも集計をお世話になり、ありがとうございます。