デイリー句会入賞発表

選者 高橋正子
水煙発行所

■□最優秀/6月26日-29日

2006-06-27 00:09:31 | Weblog
■高橋正子選

【最優秀/6月29日】
★夏蝶よ利根源流と言う所/小口泰與
利根川は関東地方の広い流域を流れる川だが、その源は、群馬県の奥深い県境あたりにある。下流では、悠々と流れる川も源流では、それらしい様子を見せる。源流まできて遭う夏蝶の舞は、ときに荒々しいとも、可憐とも思える飛び方である。奥深く来て知る自然の在り様である。(高橋正子)

【最優秀/6月28日】
★艇庫みな開かれてあり梅雨晴間/篠木睦
一句の構成がしっかりした句である。梅雨の晴間に、艇庫はみな開かれ、風が入れられている。海へ出たボートもあるのだろう。単なる描写に終らず、梅雨の晴れ間の解放感を楽しく感じさせてくれる句だ。(高橋正子)

【最優秀/6月27日】
★まっさらな波が生れて青岬/志賀たいじ
夏の岬には、白い波が打ち寄せているが、その波がまっさらである。緑濃い岬へ寄せる波は、汚れなく、いまできたばかりのすがすがしい波。紺碧の海、白い波、青い岬の、色彩の対比がすがすがしい。(高橋正子)

【最優秀/6月26日】
★ゴトゴトと引き込み線の貨車暑し/長岡芳樹
ゴトゴトと音立て、日に灼けて、重量のある貨車が、引込み線を移動していく様子が、「暑し」の一語で捉えられている。(高橋正子)

■□優秀/6月26日-29日

2006-06-27 00:09:14 | Weblog
■高橋正子選

【優秀Ⅰ/10句】
★白と言う色のTシャツ涼しかり/堀佐夜子(添削)
Tシャツと言う軽装に白のいろに一層感覚的にも涼しさが加わりました。この時期ならではの実感の句ですね。(志賀たいじ)

★扇風機職員室に軽き音/飯島治蝶
扇風機の風は、なぜか懐かしい優しさです。(渋谷洋介)

★水音を添えて風鈴売の声/中村光声
祭りか何かの、屋台の風鈴売りでしょうか。水音は店先へ散水する水の音と思います。そんな涼しそうな風鈴売りの風鈴の音が涼しく聞えそうです。(おおにしひろし)

★七夕の早や笹竹を撓らせて/碇 英一
★空に揚げ咲くは散ることのうぜん花/甲斐ひさこ
★泰山木間近にあれば花厚し/祝 恵子
★川からの風に茅の輪を潜りけり/古田けいじ
★紫の滴るほどの茄子を採る/黒谷光子
★夏燕白波荒き犬吠埼/大給圭泉(添削)
★豆植うる土の温みに驚きつ/丸山草子(添削)

【優秀Ⅱ/22句】
★三輪車漕いで小さな夏帽子/大山 凉
三輪車を漕いでどんどん先へ。そして、夏帽子が小さくなって行く。遊び慣れた安全な場所で、三輪車を漕いで行く景が見えます。中七がよいと思います。(飯島治蝶)

★梅雨はげし田水満々と溢れ出ず/おおにしひろし
田水溢れる雨のはげしさも稲の成長には恵みとなる。「満々と」に豊かさを思います。(宮地ゆうこ)

★土踏まずまだふっくらと裸足の子/臼井虹玉
まだ土踏まずも出来ていない幼子の裸足。かわいらしいですね。「まだふっくらと」になお愛らしさを感じます。(大山 凉)

★夏の月下の階から管楽器/かわなますみ
夜空にはトランペット?だが、夏の月にはどんな管楽器が似合うのでしょう。などと思いましたが。ホルンでは駄目でしょうか。(古田けいじ)

★日々草植えて一日の終わりとし/渋谷洋介
日々草を一日がかりで庭に植えられた作者、艶やかな葉に花を日々新しく咲き変える鮮やかさが暑さも忘れさせる。花が待ち遠しいですね。(志賀たいじ)

★日の匂い山の匂いや夏帽子/小口泰與
夏の陽射しをあびて楽しく過ごしたさまざまな山の思い出。「日の匂い山の匂い」が素敵ですね。(宮地ゆうこ)

★夕景をなぞる蜻蛉の広き空/安藤かじか
夕景の絵を蜻蛉がなぞるかの様に行き交う空は広く美しい。作者が感動を覚えたその夕日の景が目に浮かんできます。(志賀たいじ)

★孫生まれ芋焼酎の酔い早し/宮島千生(添削)
お年を召すと酔いが早まるのでしょうか。日常の暑気払いご愛飲の様子が穏やかに伝わってきます。(野田ゆたか)

★思い出のボヘミアグラス薔薇を盛る/安丸てつじ
★歳時記を開きしままに明早し/多田有花
★蛇遣り過ごし抜け道を通り来し/野田ゆたか
★水尾荒く沖に出て行くボートあり/下地 鉄
★緑陰や木漏れ日も描くカンバスに/能作靖雄
★柿若葉二階の部屋に青き風/大給圭泉
★鮮やかに重石へ届く紫蘇の色/古田けいじ
★梅の実の黄色し雨の降り続き/吉田 晃
★和太鼓のばち突き弾け夏一夜/小川美和
★万緑や分水嶺の気温計/澤井 渥
★旗掲げ烏賊釣り船の出航す/長岡芳樹
★黒鳥居茅の輪くぐれば苔の庭/除門喜柊
★段々の植田山背に輝けり/國武光雄
★梅雨晴れや飛行機雲のまっすぐに/かつらたろう

互選高点句/6月29日

2006-06-27 00:08:39 | Weblog
21名の方々から63句の投句があり、19名が互選に参加されました。
以下、6月29日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/11点】
◎犬吠岬荒き白波夏燕/大給圭泉
【次点/9点】
○和太鼓のばち突き弾け夏一夜/小川美和
【6点/同点2句】
○天丼を食ぶ六月の青空に/多田有花
○終電の乗せ来る闇の暑さかな/中村光声
【5点/同点3句】
○砂浜はパステル色の海開/篠木 睦
○後より声駆け抜ける夏の朝/除門喜柊
○釣忍雫し揺れて嬰ねむる/大給圭泉
【4点/同点4句】
○夏蝶よ利根源流と言う所/小口泰與
○夏草の刈られし土手の早みどり/甲斐ひさこ
○対局を制し暑さに負けており/野田ゆたか
○ナース服汗を額にきびきびと/堀佐夜子


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

互選高点句/6月28日

2006-06-27 00:08:16 | Weblog
26名の方々から78句の投句があり、24名が互選に参加されました。
以下、6月28日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/19点】
◎艇庫みな開かれてあり梅雨晴間/篠木 睦
【次点/13点】
○ひとり居の夕餉手早く冷奴/大山 凉
【8点/同点2句】
○里に来て沢の清水を振舞わる/志賀たいじ
○農耕の牛の泡ふく酷暑かな/下地 鉄
【6点/同点2句】
○水音を添えて風鈴売の声/中村光声
○青芦の一望にあり淀明ける/安丸てつじ
【5点/同点2句】
○柿若葉二階の部屋に青き風/大給圭泉
○梅雨晴間遅れる時計の捻子を巻く/長岡芳樹
【4点/同点3句】
○空に揚げ咲くは散ることのうぜん花/甲斐ひさこ
○朝ごとにまっすぐ沙羅の花を見に/黒谷光子
○夏草のわっと芽を出す雨上がり/丸山草子


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

互選高点句/6月27日

2006-06-27 00:07:51 | Weblog
24名の方々から72句の投句があり、20名が互選に参加されました。
以下、6月27日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/17点】
◎まっさらな波が生れて青岬/志賀たいじ
【次点/13点】
○土踏まずまだふっくらと裸足の子/臼井虹玉
【11点/同点2句】
○日の匂い山の匂いや夏帽子/小口泰與
○平日の夕焼空に父が居り/かわなますみ
【8点】
○三輪車漕いで小さな夏帽子/大山 凉
【6点】
○夕立に道を取られて雨宿り/篠木 睦
【5点/同点3句】
○入相の音に力抜く沙羅の花/黒谷光子
○梅雨晴れて児童遊具の軋む音/野田ゆたか
○花びらの数の重さに薔薇ひらく/堀佐夜子


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

互選高点句/6月26日

2006-06-27 00:07:20 | Weblog
26名の方々から78句の投句があり、27名が互選に参加されました。
以下、6月26日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/20点】
◎ゴトゴトと引き込み線の貨車暑し/長岡芳樹
【次点/16点】
○子ら去りて夕影伸ばす立葵/志賀たいじ
【14点】
○夕暮れる紫蘇揉みし手に残る色/ふるたけいじ
【8点/同点2句】
○夕涼み同じ挨拶またもして/堀佐夜子
○ハイカラな日傘もあせてセピア色/丸山草子
【7点/同点2句】
○沙羅ふたつ咲きて辺りの清らかに/黒谷光子
○思い出のボヘミアグラス薔薇を盛る/安丸てつじ
【6点】
○夏の月下の階から管楽器/かわなますみ
【5点/同点3句】
○サンダルの幾度も脱げし水遊び/安藤かじか
○梅雨はげし田水満々と溢れ出ず/おおにしひろし
○末草あまたの色や浜離宮/大給圭泉
【4点】
○トマト摘む真っ赤な粒を房のまま/安藤かじか


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

■□最優秀/6月23日-25日

2006-06-24 01:20:14 | Weblog
■高橋正子選

【最優秀/6月23日】
★夏至の夜や海に揺らめく月のいろ/篠木睦 (添削)
もとの句は、「月のいろ」の部分が、「月の孤高さ」となっていた。「夏至の夜や」が重いので、「孤高さ」が、それと離れて浮いている。軽く「月のいろ」とした。夏至の夜の海に揺らめく月の色に、夏至だからこそ感じれる月のいろがある。(高橋正子)

【最優秀/6月24日】
★あじさいの先ずうすみどりありてより/甲斐ひさこ
あじさいは、はじめから青い色となっているのではない。蕾が育ち、開き始めは、うすみどりである。咲き初めのうすみどりの色があって、それから変化する。うすみどりは、清潔感があり、初々しい。(高橋正子)

【最優秀/6月25日】
★サルビアの咲き初め空の青間近/かわなますみ(添削)
サルビアの赤い花が咲き始めると、空の青さが際立つ。空の青さがサルビアの花に降りてきたようだ。「空の青間近」は、そんな様子。明らかな句。(高橋正子)

■□優秀/6月23日-25日

2006-06-24 01:19:41 | Weblog
■高橋正子選

【優秀Ⅰ/10句】
★紫蘇の根も全て洗われ束ねらる/碇 英一
健康志向で重宝されてる紫蘇を根付きで洗い束ねられていて、大きい卵型の葉が香って来て新鮮さが伝わります。(志賀たいじ)

★はまなすに沖風和ぎぬ慰霊の日/志賀たいじ
はまなすが咲き、沖は凪いている。沖縄慰霊の日、今の平和を大切に思えばこそ忘れてはならぬ日ですね。そっと手を合わせる志賀様の深いお心が伝わってきます。(大山 涼)

★あさ採りのトマトずしりと篭にあり/除門喜柊(添削)
「トマトずしりと」に充実したトマトのはちきれんほどの大きさを見ました。(碇 英一)

★ミレーの絵見て来しばかり梅雨の道/堀佐夜子
ミレ-の柔かい色使いは百数十年経た今でも新鮮で心温まる絵として大抵の日本人が好きだと言う。作者もその温もりに浸った一人であろう。だが、一歩外に出ると梅雨の中、現実に戻ったときの気持の落差を感じた作者が見えてくる。(志賀たいじ)

★大羊歯を裏から煽る滝しぶき/安藤かじか
大きな羊歯の葉が裏から煽られるというところがリアルです。羊歯の動き、滝飛沫の強さなどを感じます。(臼井虹玉)

★青ぎんなん落ちて涼しき草の中/池田加代子
★青柿や浅間は薄き煙上げ/大山 凉
★風鈴や秩父連山浮び立つ/小口泰與
★朴の花大葉がくれに匂いけり/中村光声
★梅雨空に二連水車のしぶきかな/國武光雄

【優秀Ⅱ/19句】
★梔子や香を嗅ぐによき高さなり/古田けいじ
丁度いい高さに咲いている梔子、そのいい香りにしばし佇まれたことでしょう。(藤田裕子)

★梅雨夕焼電車一本見送りぬ/臼井虹玉
夕焼の美しさに電車一本を見送る、刻々と変わってゆく茜の空が見えるようです。(宮地ゆうこ)

★板の間に思い思いの素足の子/池田多津子
広々とした板の間を思いました。みんな素足になって、思うようにあそんでいる、そんなすこやかな光景を想像しました。(あみもとひろこ)

★競い立ち若竹縁を突き抜ける/渋谷洋介
競い伸びた若竹が縁を突き抜けた。篠竹しかない北国育ちには物凄い竹の勢いを感ずる句です。"破竹の勢い"の言葉を噛み締めています。(志賀たいじ)

★青簾透けてキラキラ槽の水/祝 恵子
いかにも涼しさのある光景です。青簾と水槽の水の取り合わせが涼を呼びます。(おおにしひろし)

★河猛る石手は梅雨(ばいう)押し流し/おおにしひろし
大変な荒梅雨ですね、渦巻きの流れは怖いでしょう。河が怒ってて早く無事に晴れるといいです。(大給圭泉)

★豆ごはん微笑む父の遺影にも/大給圭泉
豆ごはんのお供えに、亡きお父さまへの思いが伝わってまいります。(臼井虹玉)

★夏霧の湧いて桟橋揺れにけり/吉田 晃
★万緑や古田の母校球音す/安丸てつじ
★田草取る人らと分かつ峡の風/黒谷光子
★信濃路や雲湧く裾に麦の秋/能作靖雄
★梅雨晴れや触れればこけしこきと鳴る/河ひろこ
★明け方の夢はや忘れ夏蒲団/多田有花
★縄文の炎の壺にしゃがの花/丸山草子
★扇風機火照りし体をしずめけり/飯島治蝶
★木下闇幟千本奥の院/澤井 渥
★潟わたる風に軽やか花菖蒲/長岡芳樹
★舟底を掬い四切れに冷豆腐/宮島千生
★無花果の青き匂いや夕散歩/かつらたろう

互選高点句/6月23日-25日

2006-06-24 01:18:22 | Weblog
32名の方々から96句の投句があり、27名が互選に参加されました。
以下、6月23日-25日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/16点】
◎梅雨夕焼電車一本見送りぬ/臼井虹玉
【次点/11点】
○あじさいの先ずうすみどりありてより/甲斐ひさこ
【8点】
○あさ採りのトマトずしりと篭笑ふ/除門喜柊
【7点/同点2句】
○名も知らぬ瞬き見せる梅雨の星/池田多津子
○サルビアの咲き初め空に青間近/かわなますみ
【6点/同点2句】
○青柿や浅間は薄き煙上げ/大山 凉
○夏至の夜や海に揺らめく月の孤高さ/篠木 睦
【5点/同点2句】
○窓は雨のうぜんかずらの鮮やかに/碇 英一
○縄文の炎の壺にしゃがの花/丸山草子
【4点/同点6句】
○紫蘇の根も全て洗われ束ねらる/碇 英一
○梅雨空に二連水車のしぶきかな/國武光雄
○田草取る人らと分かつ峡の風/黒谷光子
○はまなすに沖風和ぎぬ慰霊の日/志賀たいじ
○緑蔭やテニスボールの音軽し/長岡芳樹
○ミレーの絵見て来たばかり梅雨の道/堀佐夜子


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

■□最優秀/6月19日-22日

2006-06-20 00:00:44 | Weblog
■高橋正子選

【最優秀/6月22日】
★茄子棘に触れてむらさき猛々し/臼井虹玉(添削)
新鮮な茄子の棘は、触れてみると、思わす手を引くほどの痛さがある。作者はそれを野菜と言えど「猛々し」といったが、その形容には、実感が籠もり、リアルだ。添削は、もとの句よりも、茄子の棘の紫を強調して、その新鮮さを印象づけた。(高橋正子)

【最優秀/6月21日】
★梅雨晴れて海にくりだす子らの声/下地 鉄
梅雨が晴れると、子どもたちは、待ちに待ったように海へとくり出して行った。にぎやかに、わいわい声をあげる子どもたちの声を聞くものうれしいことだ。海にくりだす子どもたちの声が輝いている。(高橋正子)

【最優秀/6月20日】
★梅雨のなき国のタンカー梅雨海に/吉田 晃 (添削)
梅雨のない外国のタンカーが、梅雨の海にやって来て、すっぽりと梅雨に濡れている。巨大なタンカーに心があるかのような、心のかけ方である。(高橋正子)

【最優秀/6月19日】
★植田はや青々として陽の高き/多田有花
「陽の高き」は、夏の太陽の位置を示していて、象徴的。この前植えたとばかり思っていた苗も、はや青々として健やかな生長ぶりを見せている。夏の太陽、青田の生長が、人間に背筋を伸ばさせてくれる、きっぱりとした句である。(高橋正子)

■□優秀/6月19日-22日

2006-06-20 00:00:17 | Weblog
■高橋正子選

【優秀Ⅰ/10句】
★ハマナスの海平らかや陽が昇る/志賀たいじ(添削)
そちらで見たことを思い出します。綺麗なピンクのハマナスを海の傍で風に揺れてて強い花だと思いました。朝の海の静かさが伝わります。(大給圭泉)

★紫陽花を雨もろともに活けにけり/大給圭泉(添削)
中7がよい。まだこれから色が変ってゆく紫陽花をざっくりと切り、活ける。零れる雨滴。今ならではの絵である。(ふるたけいじ)

★工事音とぎれ涼しく風が吹く/宮地ゆうこ(添削)
周囲の静まりに風に涼しさを感じた。同じ風であるが、周りの環境変化により異なる感覚が生じた、その鋭く素直な感性がうらやましい。(吉田 晃)

★夕映えに植田一村沈みけり/おおにしひろし
夕日に映え植田が刻々と昏れてゆく、やがて宵闇がせまる植田の村は静まりかえってあたかも沈んでゆくようである、抒情あふれる光景です。(志賀たいじ)

★紫陽花を抱いて花のある重さ/池田加代子(添削)
★六本の脚を鋼にみずすまし/碇 英一 (添削)
★越後路は山裾までも草茂る/中村光声
★湖見える丈に茶室の青簾/黒谷光子
★我が胸に真直ぐ届く朝の雷/篠木 睦
★トンネルを抜けて信濃に雲の峰/能作靖雄

【優秀Ⅱ/27句】
★夏霧の崖のぼり来る伊勢の海/古田けいじ
伊勢湾から崖を吹き上げてくる霧に視界が霞んではまた見え、見えては霞む夏霧の悪戯の景を楽しんでいろ景の様に思えました。(志賀たいじ)

★レモンティの香り爽やか夏至の朝/大山 凉
レモンの酸の香が朝を一層爽やかに過ごさせてくれます。これから暑くなる夏の朝をいい気持でスタートてきたことでしょう。(吉田 晃)

★初とんぼ行方のしかと定まらず/碇 英一
川など水辺で生まれる蜻蛉。生まれて間のない弱々しい蜻蛉が見えて、その蜻蛉に頑張れとエールを贈りたくなりました。(野田ゆたか)

★雲厚くカンナ真紅を際立たす/渋谷洋介(添削)
まだまだ続く梅雨空です。どんよりとした空に伸びる真っ赤なカンナが印象的です。(池田多津子)

★色も香も濃さ増す雨後の紫蘇畑/飯島治蝶
雨後の濃紺の紫蘇が溢れるほど豊かな畑の様子が浮かんできます。(碇 英一)

★早苗田の向こうにバス待つ子供傘/祝 恵子(添削)
近景と遠景を旨く詠んでいると思います。成長途中の早苗と子供達の姿の対比も素敵です。(中村光声)

★六月の画廊静かに出でにけり/堀佐夜子
立ち寄られた画廊にお気に入りの絵がお有りだったのでしょうね。その絵の余韻を大事に静かに外の空気を吸ったときのお気持を淡々と詠まれた。私も時々経験しますので共感いたしました。(志賀たいじ)

★水替えて涼しく曇るガラス花器/臼井虹玉
花の水を冷たい新鮮な水に換え、ガラスの花器も冷たく曇ってきます、生き生きとした花いかにも涼やかな景ですね。(大山 凉)

★五月雨を見つめ硝子に酔いそうな/かわなますみ
感覚的に良くわかるような気が致します。硝子を曇らせる雨気もよい、流れる雨滴の漠然さ、は外界の影をも酔わせます。(おおにしひろし)

★梅雨寒の診察ベッドきしみける/おおにしひろし(添削)
患者として診察ベッドに横たわったのでしょうか。耳に聞こえるベッドの軋みが梅雨寒とマッチして、ペーソスを感じさせます。(中村光声)

★明日晴れむ紅のさしくる夕紫陽花/池田加代子
★青土手に割って入れり草刈機/甲斐ひさこ
★万緑や茶粥いただき仏都奈良/野田ゆたか
★青芝の揃いたる庭風とおる/丸山草子
★玄関の網戸に朝の風入れる/池田多津子 (添削)
★初蝉や朝日の零る葉隠れに/安丸てつじ(添削)
★立ち漕ぎに坂上る子や夏帽子/小川美和
★額の花湖は太初の青さかな/小口泰與
★力んでも動かぬ雲に枇杷たわわ/竹内よよぎ
★厨から製氷の音夏の夜/河ひろこ
★梅雨晴れの湾に溢れしサ-フボ-ト/宮島千生
★眺めいて目高浮きくる菖蒲池/澤井 渥 (添削)
★蛍光灯に夏大根をすりおろす/高橋秀之(添削)
★雲切れて空あたらしき立葵/小西 宏
★京野菜透かし描かれ夏暖簾 /除門喜柊
★早起きしトマト・胡瓜を摘みにゆく/國武光雄
★日が落ちて青田の風の尚涼し/かつらたろう

互選高点句/6月22日

2006-06-19 23:59:43 | Weblog
31名の方々から93句の投句があり、26名が互選に参加されました。
以下、6月22日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/17点】
◎茄子棘の猛々しさを触れて知る/臼井虹玉
【次点/15点】
○草刈りて草の匂いの風たちぬ/志賀たいじ
【12点】
○湖見える丈に茶室の青簾/黒谷光子
【7点】
○紫陽花をもらいて花のある重さ/池田加代子
【6点】
○青空をこぼれ落ち来る夏雲雀/おおにしひろし
【5点/同点3句】
○立ち漕ぎに坂上る子や夏帽子/小川美和
○谷の水引きて菖蒲の色深し/澤井 渥
○地の酒を振舞い山車の動き出す/中村光声
【4点/同点5句】
○百合挿して四方に花の向いており/碇 英一
○レモンティ香り爽やか夏至の朝/大山 凉
○潤いし蒼き香を浴ぶ五月晴/かわなますみ
○我が胸に真直ぐ届く朝の雷/篠木 睦
○梅雨の音終日耳に沿いてあり/多田有花


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

互選高点句/6月21日

2006-06-19 23:59:21 | Weblog
24名の方々から句の72投句があり、21名が互選に参加されました。
以下、6月21日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/12点】
◎塩梅を茶粥に効かせ夏至の朝/野田ゆたか
【次点/9点/同点2句】
○睡蓮やまどろみ誘う海の風/篠木 睦
○梅雨はれて海にくりだす子らの声/下地 鉄
【8点】
○捨て置きし鉢に露草いのち澄み/池田加代子
【6点】
○挨拶の間を抜けて夏の蝶/祝 恵子
【5点/同点2句】
○十薬の群れ咲き陰を明るうす/黒谷光子
○青葉風幾重の山を越え来る/中村光声
【4点/同点6句】
○ひんやりと土間に一鉢百合匂う/池田加代子
○草刈機空の広がる向う土手/甲斐ひさこ
○陽が昇るハマナスの海平らかに/志賀たいじ
○蔓の先空を探りて胡瓜伸び/渋谷洋介
○噴水の高さ揃えて落ちにけり/下地 鉄
○ハッカ飴バックに忍ばす白日傘/堀佐夜子


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

互選高点句/6月20日

2006-06-19 23:58:50 | Weblog
26名の方々から78句の投句があり、21名が互選に参加されました。
以下、6月20日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/11点】
◎水替えて涼しく曇るガラス花器/臼井虹玉
【次点/10点】
○打ち水の風の道なす京の路地/除門喜柊
【8点/同点2句】
○どの子にも若葉の風が吹いて居り/志賀たいじ
○店頭に茶壺をでんと夏のれん/野田ゆたか
【7点】
○荒梅雨や人力車夫の足袋浸す/宮島千生
【6点/同点2句】
○空遠し桐の青葉のみどり濃く/おおにしひろし
○切れぎれの雨を紡いで花菖蒲/志賀たいじ
【5点/同点2句】
○初とんぼ行方のしかと定まらず/碇 英一
○亀戸の葛餅も冷え友来る/大山 凉


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)

互選高点句/6月19日

2006-06-19 23:58:25 | Weblog
30名の方々から90句の投句があり、27名が互選に参加されました。
以下、6月19日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/16点】
◎植田はや青々として陽の高き/多田有花
【次点/10点/同点2句】
○ガラス器の凹凸を手に夏料理/河ひろこ
○紫陽花の雨もろともに活けにけり/大給圭泉
【9点】
○蒼天の生駒の山に入道雲/堀佐夜子
【8点/同点3句】
○梅雨晴れの庭に風呼ぶ鋏音/池田加代子
○雲切れて空あたらしき立ち葵/小西 宏
○蛍火の消えてふたりの闇となり/除門喜柊
【7点/同点4句】
○青梅のひしめく袋売られおり/臼井虹玉
○水脈つなぎ夕焼けを帰る漁り船/志賀たいじ
○干し魚の匂う海辺の梅雨晴間/篠木 睦
○万緑や茶粥いただき仏都奈良/野田ゆたか
【5点/同点2句】
○早苗田の先はバス待つ子供傘/祝 恵子
○梅雨晴の朝の明るい窓開ける/池田多津子
【4点/同点4句】
○蝶々の影を漏らさず石の道/碇 英一
○雑巾を固めに絞り梅雨畳/臼井虹玉
○白鷺のひょいと首出す青田中/澤井 渥
○紫陽花に沿いて下れば湾開く/宮島千生


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。(集計/臼井虹玉)