■高橋正子選
【優秀Ⅰ/10句】
★魚篭洗う岩魚の香り染みたるを/ふるたけいじ(添削)
たくさん取れたのでしょうか、魚篭に香りがついて洗う、良い匂いでしょうね。空気の澄んだ静かさが伝わります。(大給圭泉)
★葉桜のいろ濃き陰に蕊降りぬ/志賀たいじ(添削)
若葉のいろと蘂の赤紫のいろが混じりあい、味わい深い桜の木をしみいみと眺められている情景が見えてきます。(甲斐ひさこ)
★洗桶の水にもぎたて茄子紫紺/大山 凉(添削)
もぎたての色が鮮やかですね。この新鮮な茄子は洗うときゅっきゅっと鳴ったことでしょうね。(今村七栄)
★竹が皮脱ぎ竹林の色となる/渋谷洋介(添削)
竹が見る見る伸びて大人になり竹林の青々とさわさわ風に揺れてる。気持ちの良い句です。(大給圭泉)
★枇杷の実のまだ青々と固かりき/碇 英一
まだ青い固い枇杷の実の粒々がこれから稔りの季節を迎える、この枇杷の木を見る者を楽しませ温かい眼差しを集めている。惹かれる句ですが、亡き若き人を悼む句なれば一層心打ちます。(志賀たいじ)
★トマト苗太き支柱に結わえけり/澤井 渥
★綿シャツの腕にさらりと衣替え/岩本康子
★玻璃越しに鳥の親しくバードデー/池田加代子
★墓へ行くだけの吊橋ほととぎす/篠木 睦
★ほととぎす山越え未明の海辺まで/宮地ゆうこ(添削)
【優秀Ⅱ/28句】
★一枚の植田に弾く雨の音/祝 恵子
田園の中の静かな植田一枚にたって、雨の音を聞いておられる静かな一刻、なつかしい音でもあり、心の音でもあるようです。(おおにしひろし)
★賜りし薔薇に添い来ぬ庭の匂い/かわなますみ
持ってきて下さった人の薔薇の香りとその方の志と咲いてた庭の匂いがする。嬉しいですね。(大給圭泉)
★田水張る散居村は夕日中/除門喜柊
田植えの終わった田んぼに映る夕陽。だんだん暮れてゆく風景である。(ふるたけいじ)
★さみどりの蕾のままに七変化/中村光声(添削)
さ緑の葉っぱの中央にやっと小さな蕾がつきました。ぷつぷつの小さな蕾の集団はやがておおきな色に開きます。期待感をこめて作者はこの句を作られたのでしょう。(おおにしひろし)
★雨雲が近づく庭のアマリリス/堀佐夜子
このところのお天気は続きませんね。お宅のアマリリスは子が増えて元気が良いですね。(祝 恵子)
★サラダ盛り新玉葱の白透ける/小川美和
スライスをして水にさらした新玉葱のそろ差が映えるサラダは美味しいですね。(大山 凉)
★キャンプファイアー黒き大樹の中空に/池田多津子
子らは家を離れ自然の中で過す貴重な集団生活、普段は体験できぬキャンプファイヤ-の炎が夜闇の大樹の枝々の中空を煌めかす。囲む子らの歓声までも聞えてくる景です。子らにはきっと何時までも忘れられぬ思い出になった事でしょう。(志賀たいじ)
★つややかに炊かれて母の煮伽羅蕗/臼井虹玉
煮られた艶やかな伽羅蕗。母の味であれば尚のこと。旬のおいしさが伝わる句です。(飯島治蝶)
★水恋鳥ふたたび鳴きぬ雨の森/安藤かじか
雨の森に鳴くアカショウビン。何か求めなく声が再び三度と続くように思われ、切ない気持ちがしてきます。(碇 英一)
★白薔薇の風よく抜ける母の家/大給圭泉(添削)
薔薇の色の好みはそれぞれ。お母様の生活感と白薔薇の風の透明感を美しいと感じました。(野田ゆたか)
★代田掻くつぎつぎ雲の水を走り/おおにしひろし
代を掻いた田の水面に次々と初夏の雲が走る、爽やかな風も感ずるおおらかな田園風景に触れさせて貰った。好きな句です。(志賀たいじ)
★校庭の遊べる子らに若葉風/飯島治蝶
実に爽やかな光景ですね。若葉風と校庭の子等の取り合わせもいいですし。(おおにしひろし)
★あさざ咲く暁の冷気は赤城より/小口泰與
初夏とはいえない冷たい風が、赤城から下りてくる朝一番に池一面に咲くあさざの花は爽やかで素敵でしょうね。(大山 凉)
★麦の穂のまっすぐ風のさらさらと/多田有花
★青葉潮ひかり眩しき桜島/大山 凉
★蕗刈りて草の匂いのただ中に/丸山草子
★夜べの雨胡瓜の花に晴るるかな/野田ゆたか
★校庭の夏シャツ笛に大きな輪/長岡芳樹
★郭公や厨の木戸を開けし時/畑 育子(添削)
★黒揚羽幾度も来たり凡たる日/あみもとひろこ(添削)
★霊峰の名水汲みて新茶の香/能作靖雄
★マロニエの花の白さよ雨の窓/小西 宏(添削)
★俎板に水を流して初鰹/篠木 睦
★鮎かかり飛沫も鮎も網の中/安藤かじか(添削)
★初咲きの雨の四葩のうす緑/今村七栄
★新緑の香に包まれて乳母車/安丸てつじ
★早乙女の暮れゆく刻も惜しみけり/河ひろこ
★山椒選る青々と香を広げつつ/黒谷光子
【優秀Ⅰ/10句】
★魚篭洗う岩魚の香り染みたるを/ふるたけいじ(添削)
たくさん取れたのでしょうか、魚篭に香りがついて洗う、良い匂いでしょうね。空気の澄んだ静かさが伝わります。(大給圭泉)
★葉桜のいろ濃き陰に蕊降りぬ/志賀たいじ(添削)
若葉のいろと蘂の赤紫のいろが混じりあい、味わい深い桜の木をしみいみと眺められている情景が見えてきます。(甲斐ひさこ)
★洗桶の水にもぎたて茄子紫紺/大山 凉(添削)
もぎたての色が鮮やかですね。この新鮮な茄子は洗うときゅっきゅっと鳴ったことでしょうね。(今村七栄)
★竹が皮脱ぎ竹林の色となる/渋谷洋介(添削)
竹が見る見る伸びて大人になり竹林の青々とさわさわ風に揺れてる。気持ちの良い句です。(大給圭泉)
★枇杷の実のまだ青々と固かりき/碇 英一
まだ青い固い枇杷の実の粒々がこれから稔りの季節を迎える、この枇杷の木を見る者を楽しませ温かい眼差しを集めている。惹かれる句ですが、亡き若き人を悼む句なれば一層心打ちます。(志賀たいじ)
★トマト苗太き支柱に結わえけり/澤井 渥
★綿シャツの腕にさらりと衣替え/岩本康子
★玻璃越しに鳥の親しくバードデー/池田加代子
★墓へ行くだけの吊橋ほととぎす/篠木 睦
★ほととぎす山越え未明の海辺まで/宮地ゆうこ(添削)
【優秀Ⅱ/28句】
★一枚の植田に弾く雨の音/祝 恵子
田園の中の静かな植田一枚にたって、雨の音を聞いておられる静かな一刻、なつかしい音でもあり、心の音でもあるようです。(おおにしひろし)
★賜りし薔薇に添い来ぬ庭の匂い/かわなますみ
持ってきて下さった人の薔薇の香りとその方の志と咲いてた庭の匂いがする。嬉しいですね。(大給圭泉)
★田水張る散居村は夕日中/除門喜柊
田植えの終わった田んぼに映る夕陽。だんだん暮れてゆく風景である。(ふるたけいじ)
★さみどりの蕾のままに七変化/中村光声(添削)
さ緑の葉っぱの中央にやっと小さな蕾がつきました。ぷつぷつの小さな蕾の集団はやがておおきな色に開きます。期待感をこめて作者はこの句を作られたのでしょう。(おおにしひろし)
★雨雲が近づく庭のアマリリス/堀佐夜子
このところのお天気は続きませんね。お宅のアマリリスは子が増えて元気が良いですね。(祝 恵子)
★サラダ盛り新玉葱の白透ける/小川美和
スライスをして水にさらした新玉葱のそろ差が映えるサラダは美味しいですね。(大山 凉)
★キャンプファイアー黒き大樹の中空に/池田多津子
子らは家を離れ自然の中で過す貴重な集団生活、普段は体験できぬキャンプファイヤ-の炎が夜闇の大樹の枝々の中空を煌めかす。囲む子らの歓声までも聞えてくる景です。子らにはきっと何時までも忘れられぬ思い出になった事でしょう。(志賀たいじ)
★つややかに炊かれて母の煮伽羅蕗/臼井虹玉
煮られた艶やかな伽羅蕗。母の味であれば尚のこと。旬のおいしさが伝わる句です。(飯島治蝶)
★水恋鳥ふたたび鳴きぬ雨の森/安藤かじか
雨の森に鳴くアカショウビン。何か求めなく声が再び三度と続くように思われ、切ない気持ちがしてきます。(碇 英一)
★白薔薇の風よく抜ける母の家/大給圭泉(添削)
薔薇の色の好みはそれぞれ。お母様の生活感と白薔薇の風の透明感を美しいと感じました。(野田ゆたか)
★代田掻くつぎつぎ雲の水を走り/おおにしひろし
代を掻いた田の水面に次々と初夏の雲が走る、爽やかな風も感ずるおおらかな田園風景に触れさせて貰った。好きな句です。(志賀たいじ)
★校庭の遊べる子らに若葉風/飯島治蝶
実に爽やかな光景ですね。若葉風と校庭の子等の取り合わせもいいですし。(おおにしひろし)
★あさざ咲く暁の冷気は赤城より/小口泰與
初夏とはいえない冷たい風が、赤城から下りてくる朝一番に池一面に咲くあさざの花は爽やかで素敵でしょうね。(大山 凉)
★麦の穂のまっすぐ風のさらさらと/多田有花
★青葉潮ひかり眩しき桜島/大山 凉
★蕗刈りて草の匂いのただ中に/丸山草子
★夜べの雨胡瓜の花に晴るるかな/野田ゆたか
★校庭の夏シャツ笛に大きな輪/長岡芳樹
★郭公や厨の木戸を開けし時/畑 育子(添削)
★黒揚羽幾度も来たり凡たる日/あみもとひろこ(添削)
★霊峰の名水汲みて新茶の香/能作靖雄
★マロニエの花の白さよ雨の窓/小西 宏(添削)
★俎板に水を流して初鰹/篠木 睦
★鮎かかり飛沫も鮎も網の中/安藤かじか(添削)
★初咲きの雨の四葩のうす緑/今村七栄
★新緑の香に包まれて乳母車/安丸てつじ
★早乙女の暮れゆく刻も惜しみけり/河ひろこ
★山椒選る青々と香を広げつつ/黒谷光子
「茄子」の句を優秀Ⅰに、「青葉潮」の句を優秀Ⅱにお選び頂きまして有り難うございました。
又「茄子」の句に添削を頂戴いたしまして感謝申し上げます。
「あさざ」の句を選にお選びいただき有難う御座います。
今後ともよろしくご指導願います。
玉葱の句へ除門喜柊様、澤井 渥様、選を戴きまして有難うございました。