■高橋正子選
【最優秀/5月28日】
★蜜豆の匙短しや笑い声/河ひろこ
蜜豆を食べながらの笑い声。「匙短しや」が表すのは、蜜豆に添えられた匙もあまり長さなどにはこだわらない、ごく庶民的な店の様子。それだからこそ、気兼ねなくおしゃべりし、笑い声があがる庶民の生活のたのしさが詠まれた。(高橋正子)
【最優秀/5月27日】
★一斉に色を尽くすや園の薔薇/甲斐ひさこ
薔薇園の薔薇が、一斉に花を開いて、みごとな光景。「一斉に色を尽くす」は、今を盛りに咲く薔薇の花の最も美しい時を捉えている。(高橋正子)
【最優秀/5月26日】
★ひなげしや夕べの風に逆らわず/小口泰與
ひなげしが夕べに風になびいている。「逆らわず」には、ひなげしの可憐さ、しなやかさがうまく表現されている。「夕べの風」にも抒情があり、やさしい。(高橋正子)
【最優秀/5月25日】
枝のまま葉のまま届くさくらんぼ/黒谷光子
さくらんぼは、すでに収穫されたあどけない姿に触れるのがほどんど。枝のまま、葉をつけたまま、さくらんぼを届けられたときの嬉しさは、これが自然のものであるかと感激が湧く。(高橋正子)
【最優秀/5月24日】
★風鈴の一つが家居の音となれり/下地鉄(信之添削)
静かな家に一人いると、風鈴がチリン、チリンと音を立てる。そのほかの音はしない。音といえば、風鈴の音だけ。さりげなくて、それでいて心の奥にチリンと鳴る音を聞いている心境が、味わい深い。(高橋正子)
【最優秀/5月23日】
★藻のなかの琉金ゆったり尾を揺らし/飯島治蝶(添削)
緑の藻のなかに、琉金が華麗な尾をゆったりと揺らして、目に涼しさと華やぎを与えてくれる。特に内容を主張する句ではないが、無為のよさがある。(高橋正子)
【最優秀/5月22日】
時計台はるか青嶺へ五時を指す/おおにしひろし
しっかりとした構成の句。時計台が青嶺に向いており、今ちょうど5時を指している。夏の夕方の5時の陰影ある印象が、意外にもくっちりと詠まれている。季語「青嶺」が効いている。(高橋正子)
【最優秀/5月28日】
★蜜豆の匙短しや笑い声/河ひろこ
蜜豆を食べながらの笑い声。「匙短しや」が表すのは、蜜豆に添えられた匙もあまり長さなどにはこだわらない、ごく庶民的な店の様子。それだからこそ、気兼ねなくおしゃべりし、笑い声があがる庶民の生活のたのしさが詠まれた。(高橋正子)
【最優秀/5月27日】
★一斉に色を尽くすや園の薔薇/甲斐ひさこ
薔薇園の薔薇が、一斉に花を開いて、みごとな光景。「一斉に色を尽くす」は、今を盛りに咲く薔薇の花の最も美しい時を捉えている。(高橋正子)
【最優秀/5月26日】
★ひなげしや夕べの風に逆らわず/小口泰與
ひなげしが夕べに風になびいている。「逆らわず」には、ひなげしの可憐さ、しなやかさがうまく表現されている。「夕べの風」にも抒情があり、やさしい。(高橋正子)
【最優秀/5月25日】
枝のまま葉のまま届くさくらんぼ/黒谷光子
さくらんぼは、すでに収穫されたあどけない姿に触れるのがほどんど。枝のまま、葉をつけたまま、さくらんぼを届けられたときの嬉しさは、これが自然のものであるかと感激が湧く。(高橋正子)
【最優秀/5月24日】
★風鈴の一つが家居の音となれり/下地鉄(信之添削)
静かな家に一人いると、風鈴がチリン、チリンと音を立てる。そのほかの音はしない。音といえば、風鈴の音だけ。さりげなくて、それでいて心の奥にチリンと鳴る音を聞いている心境が、味わい深い。(高橋正子)
【最優秀/5月23日】
★藻のなかの琉金ゆったり尾を揺らし/飯島治蝶(添削)
緑の藻のなかに、琉金が華麗な尾をゆったりと揺らして、目に涼しさと華やぎを与えてくれる。特に内容を主張する句ではないが、無為のよさがある。(高橋正子)
【最優秀/5月22日】
時計台はるか青嶺へ五時を指す/おおにしひろし
しっかりとした構成の句。時計台が青嶺に向いており、今ちょうど5時を指している。夏の夕方の5時の陰影ある印象が、意外にもくっちりと詠まれている。季語「青嶺」が効いている。(高橋正子)
正子先生、「藻のなかの琉金ゆったり尾を揺らし」の句を最優秀句に御選頂き、また御添削頂き、誠にありがとうございました。
正子先生、拙句「青嶺」の句を最優秀句に御選び戴き、誠に有難う御座います。
「ひなげし」の句をお選びいただき、そのうえ素晴らしいコメントをいただき感謝申し上げます。
今後ともよろしくご指導願います。
「薔薇」の句を最優秀句にお選びいただき、また嬉しいコメントを添えて戴きまして有難う御座いました。
バラ園は、花壇ごとに綺麗に咲いていましたが、高い所から見るとどの花も一面の花園に見えました。