実弟が黄泉の国に旅立ちましたので、実家の後継者がいなくなりました。母が○十万円かけて塗装し直した金ぴかのお仏壇は引き取り手がありません。私は漆塗りの文箱に納めてある「お経本」をもらってきました。最初が「歎異抄」次は「白骨のご文章」後はわかりません。
釈本如は安永七年(1778)~文政九年(1827)。約190年前に書かれた本を、ご先祖様が購入、代々受け継がれてきたのかと思うと、ボロボロになったお経本が愛しい。月詣りのご隠元さんが、ページを繰りながらお経をあげておられたお姿が彷彿しますが、もうこの世では見ることができません。人は生まれたときから死のキャリアであるとつくづく思った水無月でした。