ノイバラ山荘

花・猫・短歌・美術な日日

不覚にも

2010-05-31 17:48:38 | 短歌
最近、涙もろいです。

本で泣くことはあまりなかったのですが、
今日は不覚にも本屋で立ち読みをしながら、
ううっ・・と泣きだしそうになりました。

何に泣いたかというと。
ふらふらとお散歩ついでに立ち寄ったデパートの某書店。
手にとったのは、いつも発売日を忘れて読みそこなう
短歌雑誌のうち「短歌現代」。


「短歌現代」6月号、佐佐木幸綱「ホータレ」より4首

・ぐい吞みを並べ息子と飲んでいる我よりもやや目の位置高し

・水原弘に会いにし店よと教え居り水原弘を知らぬ息子に

・「石鎚」の一升瓶は真面目なりカウンターに静かな影のばしつつ

・飲み方も生き方もまだ教えずき教えることもなしと思いき


4首目、下句、「教えることもなしと思いき」に
ぐくっと来てしまいました。
若い世代への愛と信頼とがあふれだしているではありませんか。
乗り越えられるべき存在としての一抹の寂しさと思い切りと。
「父と息子」は作者の重要なテーマのひとつです。

どうでしょうか。

父と娘。
母と息子。
母と娘。

いずれの関係でも下の世代が大人になったとき、
「教えることもなしと思いき」と思うのでしょうか。

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