ケラスにはもともとアンサンブル・アンテルコンタンポラン出身の俊英というイメージがあって、だからその連想からWergoから出ているユリウス・ベルガーやECMから出ているトマス・デメンガなどの盤とつい較べてしまうのだけれど、彼らの変幻自在で、ときにアグレッシブな演奏と較べると、確かに自在な演奏なのだが、はじめに書いた音質とも関係するのだろう、ここに聴くことのできる演奏自体はことさらにアクセントを強調しない、圭角のとれた柔軟なものとなっている。だからといって弾き崩しているという印象もない。対位法的な構成も手に取るように聴き取れる。 . . . Read more