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逆転の時代。どう読む・歴史経済波動学。

2019年10月29日 09時09分07秒 | 時代・歴史


「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月29日(火曜日)弐
         通巻第6255号  
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 追い詰められたバグダディは自爆して果て、トランプ支持率は急騰したけれど。。。
  水面下の中東地図は、なぜかロシア有利に塗り替えられているのではないか?
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 プーチンの不気味な高笑いが聞こえてこないか?
 サウジ国王、皇太子がモスクワ詣でを繰り返し始めたのは過去三、四年の変化である。サウジはソ連時代に、周囲をソ連が支援するテロリストに囲まれてモスクワとは絶縁状態だった。
このように顕著な中東の動きは、イスラエルがロシアに急接近し、ヨルダンが慌てふためき、UAEも右から左へ旋回を試みる。国内に「イスラム同胞団」を抱えるエジプトはじっと推移を見ている。

 シリアの内戦は、結局のところアサド独裁体制を生き残らせた。欧米のアサド排斥は徒労だった。ロシアが強力にアサド延命を支援した。中途半端な欧米の介入は不徹底で、曖昧で、軍事作戦としてはとても機能したものだったとは言えないだろう。通常兵器による限定戦争の限界である。
それゆえにISが一時期、活発なテロ活動で世界から三万人もの兵士と軍資金を集め、恐怖と独裁とリンチと、石油基地の制圧によって地域を制圧できた。イラクを拠点にした米国が空爆を行い、クルドを支援してISをようやくにして駆逐したが、この間隙を縫って鵺的な軍事作戦を進めたのがロシアだった。

 そしてロシア軍機を撃墜して戦争寸前になったトルコが、あろうことかロシアとくっついて露骨な欧米離れを演じた。トルコは鮮明にイスラム回帰に歩み出した。
エルドアン大統領は賭けに出た。ロシアから兵器システムを導入するまでに至って米国は激怒した。トルコは枢要なNATOのメンバーだから、欧米の不安も増幅される。そのトルコが、米軍が支援してきたクルドへの攻撃をかける。トランプが米軍撤退を急いだあまりに生じた間隙を衝いた作戦だった。

 いうまでのなく、エルドアンの夢想はオスマントルコ帝国の再建であり、嘗てイラクのサダムフセインがネブカドネザルの再登場を擬したように、あるいはいま狂信者独裁のイランとて、テヘランの独裁政権が夢想するのはペルシア帝国であろう。政治は軍事力と謀略による権謀術数であり、露土戦争でクリミアをとられたトルコが何時までもロシアと冷戦状態でいられるはずはない。中東は砂漠と血と裏切りの風土があり、祈りの大地である。

 トランプは米軍撤退をあたふたと撤回し、米軍の残留を決めた。
ホンの束の間、ホワイトハウスとペンタゴンは秘密の軍事作戦を練っていた。バグダディの隠れ家を突き止め、ビンラディンを屠ったように電撃作戦は成功した。トランプ支持率は急騰した。


 ▲どれほどハイテク兵器を揃えてもけっきょくはヒューミント情報が必要だった

 CIAはビンラディンの隠れ家をヒューミントによって見つけ出した。パキスタンのビンラディンの隠れ家、それも豪邸に近い場所の特定には時間がかかった。
 所詮、偵察衛星やドローンを飛ばして疑惑の家屋やアジトを探しだしても、最後に確認できるのはヒューミントである。
 つまり信頼できる人間の情報である。

エリント(電子情報)の限界を超えて、敵の実情を知るスパイ、もしくは転向者から真実を聞き出して最終的に攻撃を決める。懸賞金をかけて、転向を誘発させる作戦もおうおうに用いられる。

 バグダディは二人の妻に子供らとともにシリア北方イドビル県の砂漠に立つ家屋に逼塞していた。ホワイトハウス地下のシチュエーションルームに陣取ったのはトランプ、ペンス、エスパー国防長官に統幕議長らで、軍事作戦の指揮を執った。

 だが、気がつけば、中東の地図はロシア有利な状況となって、イランもまた生き延びる。基本的に米国は原油の自給が可能となって中東への関心を薄めた。イスラエルも沖合海底油田によってエネルギー問題に悩む必要から解放された。だからイスラエルも十年にわたるネタニヤフ政治に国民は飽き飽きし、元参謀長ガンツが率いる新党の「青と白」とロシア移民の政党「イスラエル我が家」の連立政権を選択しつつある。ガンツはアラブ政党も、政権の中に加える方針という。

 中東地図が塗り替えられようとしている。
しかし日本はこの危険がいっぱいの地域にまだ原油の大半とガスの多くを依存しているのである。
 
世界の動きに追いつけない、外交下手で対策がつねに泥縄式に陥る日本は、リーマンショックからまだ立ち直れないように、今後も「失われた」年月を積み重ねていくのだろうか?
  □△○み△□△○や△△○ざ◎△□○き□△□ 

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● 歴史経済波動学によれば、中東が西欧離れするのは必然です。

  1908年オスマントルコの崩壊後は、支配者は知恵者・賢帝

  の時代へ突入しています。2178年まで続きます。

● 近代資本主義に最も大切なエネルギーである石油を持っていることが

  彼らの運命を決めたのです。飛躍的工業生産能力を持った

  資本主義諸国・特に西欧の侵略を誘発したのです。

● その資本主義の欲望が動機となって、侵略を受け続けましたが、

  しかしその体制・知恵者・賢帝の270年の体制そのものは絶対

  変えることのできない、歴史の法則です。

● したがって欧米が中東から手を引けば、自動的に他の国になびくのは

  当然のことです。特にロシアは戦士戦国時代・共産主義旧ソ連が

  崩壊後は、中東同様に知恵者・賢帝の時代を迎えましたから

  相性が良いのです。お互い独裁が国体ですから。

 

● 2046~2059年、USA/大西洋資本主義の崩壊が始まれば、その

  再編はより一層明らかとなるでしょう。従って日本も

  G7崩壊に備えての独自の戦略が必要となるのです。


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1 コメント

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科学が全てでは無い (kashin)
2019-10-29 10:51:50
「科学捜査で白か黒かは絶対に判らない。白に近いか黒に近いか。ここまでしか判らない。」
これは足利事件で警察の捜査ミスが、菅谷利和さんの冤罪が発覚した時に、ある刑事サンが吐いたセリフです。科学捜査を完全に信頼していたが、失敗(ミス)を犯しかけた刑事さんでした。諜報・犯罪捜査以下の諸々の調査活動で、科学的な手法とその結果だけを盲信するのは危険なのでつね。
日本のお医者さんたちなどは、業界ごと「科学的な西洋医術が唯一だ!全てだ!!」「非科学的な東洋医術はニセ医術だ!!」と思い込んでいるようですがね。
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