都心に向かう電車は丁度いい込み具合で座る事が出来た、 自分の座った列はめずらしくスマホをいじってる人が居ない。 左隣りは本を読んでいて近視がひどいのか本を目に接近させてすこぶる良い姿勢を保っている、 嬉しい事に座高は同じぐらいだけど膝小僧が自分よりへこんでるのだ、 大体の人の膝は自分よみ出していて座るたびに引け目を感じてるんだけどたまにはこんな事も有るものである。右隣のサラリーマンは居眠りをして腰を屈め悪い姿勢だ。
向かいの席のはボケーッとして左右の親指を接近させくるくる廻していて たまに指が止まると 寂しくなるのでもっと廻してくれよ と言いたくなると期待に応えてまた廻し始めるので眺めていて飽きがこないもの。 その隣は模型屋でもやってるのか両側の足元をふさぐ細長いカバンには戦艦の組み立て模型が入っていて やがて大手町に着くと前の席の連中は皆降りてしまい 自分の両隣りはそのまま座っていた。 やがて乃木坂に到着 6番出口の表示を見ながら国立新美術館を目指す。
国立新美術館に行く
テレビでメトロポリタン美術館展を見学する番組を見ていて そういえばコロナのお陰で暫く絵を見に行ってなかった。 入場券を手に入れるので慣れないスマホを操作して何とかコンビニで受け取る事が出来た。
会場に到着すると長い列が出来ていて すぐ横を見たら当日の入場券を発売していた。 コロナのせいの入場制限でネット販売のみと思ってたけど会場での当日販売もやっていた、 苦労してスマホをいじって損をしてしまったと思ったけど これも練習で勉強になって良かったのだと 言い聞かせる。
会場の中は距離をとっての鑑賞と思ってたけど通常の込み具合。 人気の「女占い師」の前は人だかりが多くて頭越しの見学、 満員の入場制限みたいだ。
画集で見た事がある名画と云われるものが軒並み展示されてるみたいで 大体が薄暗くて重厚な絵が多い。 子供の頃 小松崎茂の軍艦や山川惣治の少年王者のカッコいい挿絵を見て育った爺さんには重苦しい感じであった。
帰りの電車は満席で大手町で何とか座る事が出来た。 座ってる大体の客は疲れてるみたいでスマホより目を閉じて居眠りしてる人達であった。