Naoの誰でもわかる!英語の話

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「英語一問一答」(表現編/No.12)no later than はなぜ難しい?

2007-10-05 | Weblog
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Question 34:仕事で期限を切る時に、私のボス(アメリカ人)は、よく「no later than」という言い方をしますが、これがいまいち頭にすんなりと入ってきません。意味はわかるのですが、なぜでしょうかね~?(35歳外資系会社員、男(のつもり))
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Answer:
その気持ち、よくわかります。たしかに入りにくいですよね。では、まず、その意味から一緒に考えていきましょう。あ、意味はわかっているんですよね?

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はい。例えば、no later than Fridayと言えば、「金曜日までに」という意味ですよね。つまり、no later than は、「~までに」という意味ですね。
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そうですね。「~までに」「~よりも遅れることなく」「~より遅くならないで」という感じですね。では、どうしてそうなるのか? no later than を、そのまま直訳してもらえますか?

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はい。than が、「~よりも」ですよね。そして「later」が、「より遅い」。だから「~よりもより遅い」。そしてそれを、前にあるnoが否定するわけですから、「~よりもより遅くなく」でいいですよね。
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そうですね。「~よりもより遅くなく」→「~より遅くなく」→「~までに」になりますね。

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まあ、そんなところは了解なんですけど、どうして頭に入りにくいか、なんですけど?
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はい、それは、その構造が原因です。

no [later than]

これは、「later than」をnoが否定していることを表わしています。これを日本語にしてみると、

ない[(より遅く)(~より)]

え、何がなんだかわからない?つまりですね。この意味の構造は、[later than] = [(より遅く)(~より)] という概念(意味)を、noが否定して出来ているわけです。

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つまり、一つの意味(概念)を、noが否定している、ということですね。そして、その一つの意味(概念)とは、[later than]= [(より遅く)(~より)] というわけですか。で?
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はい、その [later than] ですが、これは理解するのは難しいですか?

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え、later thanですか?それは、英語の語順だと、(より遅く)(~より)であるものを、日本語の語順に並べ変えて、「~より(より)遅く」と理解しなければいけないですよね。う~ん、そんなに難しくはないですね。なぜかな?
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それは、二つの意味(概念)を一回ひっくり返すのは、そんなに難しいことではないからじゃないでしょうかね。頭には、「later が来たら、次にthanを伴ってその比較するもの(A)が来る。それが来たら、それとlaterを繋げて出来あがる概念(B)を理解しろ」という指示が出される。つまり、

later+than+A→A+later→B

になる。まあ、それくらいなら、処理はあんまり難しくないのかも。ところが、noが先頭に来ることによって、そのひっくり返してやっと理解した意味を、今度は否定しなければいけないわけです。つまり、

no [later+than+A]→A+later→[A+later]+no→B

つまり、頭の中ではこんな指示が出るわけです。

「later が来たら、次にthanを伴ってその比較するもの(A)が来る。それが来たら、それとlaterを繋げて理解しろ。しかし、その後すぐに、その全体を否定し、その結果出来上がった概念を理解しろ」

どうです?結構複雑なことが頭の中で起こっていると思いません?

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つまり、理解するプロセスが複雑になっているので、わかりにくいというわけですね。
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そう、日本語で作り上げられた頭にとって、その理解するプロセスが大きく違うと、それについていくのには時間がかかる…つまり難しいとなるわけです。特に今回のように、no という否定語がその後の概念を否定するような言い回しは日本語にはないため(日本語では、~ではない、と最後に否定語が来る)、最初にnoと言われても、その後にくるものを否定すべく待つ辛抱(?)が出来ず、また、その否定するもの(概念)自体が理解するためにひっくり返しがいるなど頭を使うため、その後、それをさらに否定して新しい概念を作るのには、より多くの負荷が頭にかかり、わかりにくい、難しいと感じるわけです。

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なるほど…。要は脳の認知能力の問題なんだ。しかも、日本人(日本語)の頭がそのプロセスに慣れていないために、何かはっきりしない感覚が残るわけですね。じゃあ、どうしたらはっきりわかるようになります?
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それには二通りありますね。一つは、前述したような理屈をしっかり理解して、頭(脳)にそのプロセスを十分認知させることで理解する道筋を作っておき、後は頭に任せること。二つ目は、ごちゃごちゃ考えず、ひたすら「~より遅れることなく」「~までに」という日本語の概念と、「no later than」を結びつけて一つの同じ概念にする努力をすること。つまり、「no later than=~までに=~より遅れることなく=no later than=~までに」とすべての概念が同一になるよう、日英コンセプトミクシング(概念の混ぜ合わせ)をしっかりやることです。ブツブツがあったらだめですよ。どこに触れても同じ味(意味)が出るようにすること。これが大事です。

今回はちょっと理屈っぽい話になりました。面白くなかった…と思われた皆さんも多かったのでは?でもこんな話も英語を理解する上では結構大事ですよ。でも、また面白い話もたくさんしますから、これに懲りずにまた僕の話、読んでくださいね。それでは、今回はこの辺で。Yes! Tomorrow is Saturday! Let's enjoy another beautiful weekend, folks! Have a gooood day!

(End of Story)


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