マイクロ・ナノロケット:胃の中の探索も
液体の中を自由に動けるナノロボット(11/7参照)の動力源を目指して、種々のナノモーター(9/17参照)の開発が試みられている。一方で、噴射型マイクロ・ナノロケットにも強い関心が集まっている。
最近、カリフォルニア州立大学の研究グループは、酸性溶液中で動くことが出来るマイクロロケットを作り出した。ドラッグデリバリーや半導体産業で役に立つと期待されている。彼らが試作したロケットの構造はきわめて簡単で、直径1マイクロメートル(1000ナノメートル)、長さがその10倍のポリアニリンの円筒中に亜鉛を詰め込んだものである。亜鉛が酸性溶液中の水素イオンと反応して、水素分子を作り出す。生じた水素ガスを後方に放出させ、推進力とする。このロケットが毎秒ロケット長の100倍もの速さで動くという。亜鉛の層に強磁性体を加え、方向制御も試みられている。胃の中でのトラックデリバリーに使えるかも知れない。
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/02/120208132601.htm
これまでもマイクロロケットに対するいくつかの試みがある。過酸化水素は白金などの触媒の作用で、水と酸素に分解する。噴出される酸素ガスで推進されるロケットなども試作されている。