【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/10中日春秋

2010年04月10日 | コラム
4/10中日春秋

 正念場を迎えている、二つの「鳥」がある。一つはトキ。二〇〇八年以降、新潟県佐渡市で放鳥されたトキの夫婦一組の巣で卵二個が産まれたのが確認された。

 卵が有精卵で、順調なら、今月下旬にも待望のひなが誕生する。〇三年の日本産絶滅を受け、中国から贈られたトキを人工繁殖した個体だが、自然環境下での繁殖が実現すれば一九七四年以来三十六年ぶりとなる快挙である。

 もう一つは「はやぶさ」だ。こっちは本物の鳥に非(あら)ず、七年前に鹿児島から打ち上げられた小惑星探査機。小惑星イトカワまでの実に往復四十五億キロという気の遠くなるような長旅を今、終えようとしている。

 地球から二千四百万キロほどの所まで来ているが、それ自体がほとんど奇跡だ。四基のエンジンは、一基また一基と不具合に。姿勢制御装置も三基中二基が故障した。一時は通信も途絶え、帰還が危ぶまれたが、遠隔操作で故障エンジン二基の無事な部分を組み合わせて一基分の出力を得るウルトラCで、どうにかこうにか旅を続けてきた。

 まさに満身創痍(そうい)だが、順調に行けば、六月には機体は大気圏に突入して燃え尽き、採取成功の期待がかかるイトカワの岩石試料入りカプセルが地上に戻る。無事の帰還を祈りたい。

 正念場といえば、支持率の低空飛行が続く「鳩」も同じかも。さて、トキや「はやぶさ」の頑張りにあやかれるか。


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