6/25産経抄
20年以上前に、「参院選パ・リーグ論」がささやかれたことがある。パ・リーグは、セ・リーグに比べて、実力ではひけを取らないものの、人気では水をあけられていた。参院選もまた、衆院総選挙に比べて、存在感が薄いというわけだ。
もちろん今、そんなことを言う人はいない。先のセ・パ交流戦で、圧倒的な力の差を見せつけたパ・リーグは、人気の面でも優位に立っている。参院選だって、「天下分け目の戦い」の扱いを受けるようになった。その敗北が政権崩壊につながる例が、珍しくなくなったからだ。
まして、きのう公示された第22回参院選は有権者にとって、昨年9月に誕生した民主党政権を評価する初めての機会となる。クリーンを売り物にしたはずの鳩山前政権は、首相と幹事長がともに、「政治とカネ」の疑惑にまみれる結果となった。普天間問題での迷走も目に余った。
代わった菅直人首相の「現実路線」にも、眉(まゆ)に唾(つば)をつけなければならない。自民党が公約に掲げた消費税引き上げについて、検討を約束したのはいい。ただ、子ども手当や農家への戸別所得補償、温室効果ガス25%削減目標など、鳩山前政権の人気取り政策と果たして整合するのか。
「増税で経済成長する」という理屈もわかりにくい。だからといって、自民党にもう一度任そうという機運の高まりが、感じられないのも事実だ。あと16日間、各党の党首と候補者が何を語り、何を語らないか、常にもまして吟味したい。
「投票売るのは身を売るよりも あとのたたりが恐ろしい」。「憲政の神様」といわれた尾崎行雄が、昭和3年の最初の普通選挙を前に作った都々逸(どどいつ)だ。間違った一票のあとの、たたりが恐ろしいのは、今も変わらない。
20年以上前に、「参院選パ・リーグ論」がささやかれたことがある。パ・リーグは、セ・リーグに比べて、実力ではひけを取らないものの、人気では水をあけられていた。参院選もまた、衆院総選挙に比べて、存在感が薄いというわけだ。
もちろん今、そんなことを言う人はいない。先のセ・パ交流戦で、圧倒的な力の差を見せつけたパ・リーグは、人気の面でも優位に立っている。参院選だって、「天下分け目の戦い」の扱いを受けるようになった。その敗北が政権崩壊につながる例が、珍しくなくなったからだ。
まして、きのう公示された第22回参院選は有権者にとって、昨年9月に誕生した民主党政権を評価する初めての機会となる。クリーンを売り物にしたはずの鳩山前政権は、首相と幹事長がともに、「政治とカネ」の疑惑にまみれる結果となった。普天間問題での迷走も目に余った。
代わった菅直人首相の「現実路線」にも、眉(まゆ)に唾(つば)をつけなければならない。自民党が公約に掲げた消費税引き上げについて、検討を約束したのはいい。ただ、子ども手当や農家への戸別所得補償、温室効果ガス25%削減目標など、鳩山前政権の人気取り政策と果たして整合するのか。
「増税で経済成長する」という理屈もわかりにくい。だからといって、自民党にもう一度任そうという機運の高まりが、感じられないのも事実だ。あと16日間、各党の党首と候補者が何を語り、何を語らないか、常にもまして吟味したい。
「投票売るのは身を売るよりも あとのたたりが恐ろしい」。「憲政の神様」といわれた尾崎行雄が、昭和3年の最初の普通選挙を前に作った都々逸(どどいつ)だ。間違った一票のあとの、たたりが恐ろしいのは、今も変わらない。