【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

11/9余録

2010年11月09日 | コラム
11/9余録 ロッテの新伝説

 ロッテが本拠とした1980年代の川崎球場には多くの「伝説」がある。トイレも男女共用だった球場の老朽化と、ガラガラな客席にまつわるものだ。来日外国人選手は球場を見て2軍の練習場と勘違いした。

 客の不入りはそれこそお笑いのギャグの格好のネタになり、ホームランの際に客席に投げ入れるマスコット人形を1組の親子が三つ手に入れたという話もある。人けのない外野席では、客同士がキャッチボールをしたり、卓をかこみマージャンをする光景も見られた。

 そんな時代のロッテでプレーした2人--ロッテ・西村徳文監督と中日・落合博満監督の対決となった今年の日本シリーズだ。結果は「和」をスローガンにパ・リーグ3位のロッテを率いた西村監督が、「オレ流」野球でセ・リーグを制した中日の落合監督を降した。

 クライマックスシリーズ(CS)の出場切符すら、シーズン最後の3試合で辛うじてもぎ取ったロッテである。そこから連続逆転勝利や、がけっぷちでの3連勝で日本シリーズ進出を決め、最後はシリーズ史に残る連夜の延長戦を戦い抜いての日本一の奇跡だった。

 昔と様変わりしたのは、ロッテの「26番目の選手」であるスタンドのファンの声と手拍子の怒濤(どとう)のような応援である。地上波テレビ中継のない試合もあるのが話題となった今シリーズだったが、第7戦の地上波中継は関東と関西地区でも20%を超える視聴率となった。

 リーグ3位チームが日本一になるCS方式は違和感もある。だがCS方式でなければ知りえなかった興奮を教えてくれたロッテ全員野球の粘りだった。2010年版新伝説の大団円だ。


最新の画像もっと見る