【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/24編集手帳

2010年04月24日 | コラム
4/24編集手帳

 雨漏りのひどい貧乏長屋を、住人が陽気に嘆く。〈こないだの大雨ン時なんぞはね、家ン中にいらンねえの。「おい、みんな、雨宿りしようぜ」ッてんで「うわァッ」と表へ駆け出したもんです…〉。落語『長屋の花見』である。

 雨宿りに表へ出ていく、これも一例かも知れない。党を飛び出して新党の結成へ、自民党で有力議員の離脱が相次いでいる。

 党内屈指の政策通で貴重な「柱」の与謝野馨氏が抜け落ちたのにつづき、党内きっての幅広い人気を誇る「外壁材」の舛添要一氏も剥(は)がれた。自民党長屋の傷みは目を覆うばかりである。

 衆院選に惨敗し、自民党はみずから何を改め、どう生まれ変わったか――答えに窮しよう。改築や修繕を怠った咎(とが)めが離党の雨漏りである。〈長屋が風で飛ばないように、私ら重石(おもし)の代わりに住んでるの〉とは落語の一節だが、谷垣禎一総裁も“重石代わり”の異名をもらわぬよう気合を入れ直さねばなるまい。

 それにしても、である。政権党は政策の迷走に次ぐ迷走で野党第1党を助け、野党第1党は実力者の離脱に次ぐ離脱で政権党を助ける。麗しい互助精神に気が滅入(めい)る。


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