【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/17編集手帳

2010年04月17日 | コラム
4/17編集手帳

 別の惑星から来た知的生命体と出会った最初の人物に10万フランを贈る。パリの新聞が懸賞を出したのは、100年ほど前のことである。ただし、火星人は懸賞の対象外とされた。

 ジョン・マローン著、『当った予言、外れた予言』(文春文庫)によれば、「火星人は簡単に出会えるので…」というのがその理由であったという。空想の世界では昔から馴染(なじ)みの深い星である。人類が降り立つ日が訪れるのか。米国のオバマ大統領が新しい宇宙政策を発表した。

 次世代ロケットを開発し、2030年代半ばまでに火星に人を送るという。膨大な費用、片道半年ともいわれる長途の旅――前途には難題が横たわるが、「仮に25年後として、私は何歳…」と、人類史的な瞬間を夢想して少々気の早い足し算をした人もいたに違いない。

 2000年の国連ミレニアム・サミットで、最貧国ハイチの大統領が各国の首脳に問いかけた言葉を思い出す。「地球にまだ飢えた者がいるとき、火星に人類が一歩をしるしたからといって、何の意味があるのか」と。

その星に足跡を刻むころ、人類の英知はどんな答えを用意しているだろう。


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