【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/24産経妙

2010年04月24日 | コラム
4/24産経妙

 「附子(ぶす)」という狂言がある。主人から「附子(毒)だから食べてはいけない」と命じられた壼(つぼ)の中身を砂糖と知った太郎冠者たちが主人の留守中、食べてしまう。主人が帰ると「大事な掛け軸などを壊し、死んでおわびしようと食べた」と言い訳する。

 落語には年末の借金取りを口先だけで撃退する「言い訳座頭」なるプロも出てくる。言い訳も上手にやれば人生の潤滑油にもなるということだ。だが鳩山由紀夫首相の場合は失礼ながら、下手な言い訳の連続で、どんどん深みにはまっているように見える。

 一昨日、元秘書に有罪判決が下った偽装献金事件では終始、細かな説明を拒んできた。「捜査で書類が検察に持っていかれているから」という理由だ。すべて終われば返還を求め、国会に提出すると約束してきた。ところがいざ裁判が終わると「必要はない」と反古(ほご)にした。

 こんどの言い訳は「個人のプライバシーに関する資料を提出した例はない」というものだ。だが事件の核心は母親からの多額の資金提供にあり、これを「プライバシー」と隠しては、首相の責任の有無はわからない。とうてい国民が納得できる言い訳ではない。

 野党時代には自民党議員の不祥事にからみ「秘書の犯罪は政治家が罰を受けるべきだ」と明言した。首相になってこの発言をつかれると「私の場合、私腹を肥やしたわけではない」と言い訳する。だが、多額の税金逃れが「私腹を肥やす」に当たることは誰でもわかる。

 沖縄の米軍飛行場移設問題でも「トラスト・ミー」など言葉の軽さで混迷を深めてきた。5月末までの決着という公約が果たせない場合、どう言い繕うおつもりだろう。いや今回ばかりは、どんな言い訳も責任転嫁も通用しないはずだ。


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