【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/4余禄

2010年04月04日 | コラム
4/4余禄「中国メディア」

 「売れる新聞」「視聴率の取れる番組」づくりにしのぎを削るのは日本のメディアだけではない。市場経済化が進む中国でも、メディアの競争は激化している。分厚い新聞を開くと、若者の関心が高いファッションやスポーツ、芸能関係の記事も目立つ。この国は利用者が4億人近い世界一のネット大国でもある。

 そんな中国のメディア事情を探ろうと、先月末、日本青年訪中代表団メディア分団の一員として北京や重慶を訪れた。ネット時代の新聞やテレビの在り方は共通のテーマだ。編集・報道幹部らと意見交換を重ねたが、まだ販売や広告が伸びている企業も多く、受け答えは自信たっぷりだった。

 訪問中に米グーグルが中国からの撤退を発表した。中国のメディア関係者はこの問題をどう見ているのか。何人かに聞いてみたが、一転して歯切れが悪くなった。

 「一ユーザーとしては残念だが、我が国には我が国の国情がある。一定の検閲はやむを得ない」。ある新聞社の編集幹部はこう言った。ジャーナリストとして表現の自由をどう思うかと詰め寄っても、社会の安定のためにはメディア規制は必要だと譲らず、議論はかみ合わない。

 帰国直前に発覚した冷凍ギョーザ中毒事件の容疑者逮捕も、中国内での報道は抑制的だ。これで事態を沈静化させたいという共産党や政府指導部の意向が働いているのではないか。

 一党支配の中国は日本とは国家の体制が異なる。だが、グローバル化で世界とのつながりが強まり、経済発展で豊かになれば、言論の自由に対する国民の要求が高まるはずだ。いつか中国のメディアも変革を迫られる日がくるだろう。

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