【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/4 産経妙

2010年04月04日 | コラム
4/4 産経妙

 拉致被害者の蓮池薫さん夫妻が支援法による給付金を、4月から辞退するという。翻訳業や執筆活動のほか夫妻とも職業についており「自立」への希望を強めていたそうである。これまでの支援について、感謝するコメントも出している。

 一種のさわやか感を持ってこのニュースに接した。蓮池さんの心意気がうれしい。だがそれ以上に、民主党政権になってから国民の「自立心」を損なわせそうな施策がめじろ押しになっているからだ。農家への戸別補償、高校授業料無償化、子ども手当などのことである。

 むろん、そうした制度を必要とする人がいることは事実だ。蓮池さんも、支援法の拉致問題解決への役割は十分に認めている。ただ、戸別補償にしても授業料無償化にしても、何の条件もなくバラまくようなやり方が本当に対象者のためになるのか、疑問を感じるのだ。

 直木賞作家の出久根達郎さんは中学時代、家が貧乏で自ら高校に進むのを断念した。先生からは進学を勧められたが、人の世話になるのはいやだった。自分で働き、稼いで、やりたいことをやるという気持ちが強かった。本紙「話の肖像画」でそう語っている。

 結局、東京の古本屋に就職、ガムシャラに本を読んで勉強し「希代の文章家」と言われるほどになった。出久根さんだけでない。昭和30年代ごろにはそんな「自立心」にあふれた若者がゴマンといた。彼らが早くから社会に出て、戦後日本を支えてきたのである。

 今のバラマキ的発想で、そんな自立志向の国民が育つのだろうか。子ども手当や授業料無償を享受した者が将来、どんな親になるのかも心配だ。もっとも母親から毎月1500万円もらっていて恥じようともしない首相には、馬耳東風だろうが。

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