【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/7産経妙

2010年04月07日 | コラム
4/7産経妙

 新党をつくる平沼赳夫氏の養父は、平沼騏一郎元首相である。検事総長などをつとめた国士型の政治家として知られ、昭和14年1月近衛文麿の後を受けて組閣した。だが約8カ月後、国際情勢激変のあおりを受け、あっけなく辞任に追い込まれる。

 8月23日、ヒトラーのドイツとソ連との間に突然不可侵条約が結ばれ、ヨーロッパは第二次大戦への道を進む。この情勢の変化を読めなかった平沼内閣は「欧州の天地は複雑怪奇」という声明を出して総辞職する。この「複雑怪奇」は当時の流行語ともなった。

 こじつけるわけではないが、平沼氏の新党結成も「複雑怪奇」に見える。第一、平沼氏とパートナーとなる与謝野馨氏との接点がよくわからない。平沼氏が養父譲りの国士タイプなのに対し、歌人・晶子を祖母に持つ与謝野氏には学者型の政策通というイメージが強い。

 新党に参加するメンバーもまだハッキリしない。しかもその背後に石原慎太郎東京都知事や、与謝野氏の師である中曽根康弘元首相の姿もチラホラする。平沼氏は「おじさん集団でとりあえずはやる」と語っているが「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」といった揶揄(やゆ)も聞こえてきそうだ。

 だが、この「おじさん集団」の強面(こわもて)ぶりには期待するところもある。というのも与党の民主党には内閣支持率が急落しているのに、面と向かってトップを批判できるのが誰もいない。野党の自民党も分裂ばかり恐れ大胆な政策も打ち出せない集団になっているからだ。

 その点「おじさん」たちは、年齢的にも怖いものなしのはずだ。子羊のようになってしまった政治家たちに活を入れなければ、国の将来は暗い。ただし、一部でささやかれる小沢一郎氏と手を組むというような複雑怪奇さはゴメンである。


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