自民党新体制 「舛添氏待望論」に応えよ
ベテラン議員の離党が続く自民党が、ようやく若手や中堅の起用に動き始めた。
幹事長代理に河野太郎元法務副大臣が就任したほか、今夏の参院選を党三役とともに取り仕切る選挙対策本部長代理に、石原伸晃元政調会長と小池百合子元防衛相ら、遊説担当に注目度の高い小渕優子前少子化担当相、小泉進次郎衆院議員らが起用された。
党三役に若手を抜擢(ばってき)するなどしたもう少し思い切った人事が必要だった。谷垣禎一総裁は若手らの執行部刷新要求に対し、大島理森幹事長と川崎二郎国対委員長の交代を拒否しており、それを取り繕うための人事であることは否定できない。
体制刷新を求めていた舛添要一前厚生労働相は選対本部長代理での起用の話を断ったうえで、「小手先では駄目だ」と一連の人事を批判した。
しかし総裁が決断した以上、国民の支持を取り戻すため、全党一丸となって民主党政権に代わる受け皿作りを急がねばならない。
新設される「政権力委員会」(ネクスト・ジャパン)は「影の内閣」にあたるもので、分野別に14の担当を置いた。林芳正元防衛相(経済財政運営担当)、高村正彦元外相(外交担当)などの中堅・ベテランに加え、当選1回の衆参国会議員4人がポストに就くなど若手の積極起用に腐心した。
党運営や党勢停滞に不満を抱く議員の“ガス抜き”の場ではなく、真剣勝負で政策を磨く機関にしなければならない。
離党した与謝野馨元財務相や平沼赳夫元経済産業相が目指す新党は、自主憲法制定や消費税増税を大きな政策の柱に掲げようとしている。
憲法改正は立党以来の課題として自民党が本家のはずだ。より積極的に取り組むべきだ。消費税についても、財政規律を重視する立場を貫く必要がある。
いずれも鳩山政権が曖昧(あいまい)にしている課題だ。対立軸として鮮明に打ち出すべきだ。鳩山政権の政治の流れを変える一義的な責務は、野党第一党の自民党にある。
残念なのは、国民の人気が高い舛添氏が執行部入りしなかったことである。谷垣氏はさらに活躍の場を与える努力をすべきだ。
舛添氏も執行部批判を繰り返すだけでなく、自らがどのような党再生の青写真を描いているのかを提示してもらいたい。
2010.4.7 産経新聞 主張
ベテラン議員の離党が続く自民党が、ようやく若手や中堅の起用に動き始めた。
幹事長代理に河野太郎元法務副大臣が就任したほか、今夏の参院選を党三役とともに取り仕切る選挙対策本部長代理に、石原伸晃元政調会長と小池百合子元防衛相ら、遊説担当に注目度の高い小渕優子前少子化担当相、小泉進次郎衆院議員らが起用された。
党三役に若手を抜擢(ばってき)するなどしたもう少し思い切った人事が必要だった。谷垣禎一総裁は若手らの執行部刷新要求に対し、大島理森幹事長と川崎二郎国対委員長の交代を拒否しており、それを取り繕うための人事であることは否定できない。
体制刷新を求めていた舛添要一前厚生労働相は選対本部長代理での起用の話を断ったうえで、「小手先では駄目だ」と一連の人事を批判した。
しかし総裁が決断した以上、国民の支持を取り戻すため、全党一丸となって民主党政権に代わる受け皿作りを急がねばならない。
新設される「政権力委員会」(ネクスト・ジャパン)は「影の内閣」にあたるもので、分野別に14の担当を置いた。林芳正元防衛相(経済財政運営担当)、高村正彦元外相(外交担当)などの中堅・ベテランに加え、当選1回の衆参国会議員4人がポストに就くなど若手の積極起用に腐心した。
党運営や党勢停滞に不満を抱く議員の“ガス抜き”の場ではなく、真剣勝負で政策を磨く機関にしなければならない。
離党した与謝野馨元財務相や平沼赳夫元経済産業相が目指す新党は、自主憲法制定や消費税増税を大きな政策の柱に掲げようとしている。
憲法改正は立党以来の課題として自民党が本家のはずだ。より積極的に取り組むべきだ。消費税についても、財政規律を重視する立場を貫く必要がある。
いずれも鳩山政権が曖昧(あいまい)にしている課題だ。対立軸として鮮明に打ち出すべきだ。鳩山政権の政治の流れを変える一義的な責務は、野党第一党の自民党にある。
残念なのは、国民の人気が高い舛添氏が執行部入りしなかったことである。谷垣氏はさらに活躍の場を与える努力をすべきだ。
舛添氏も執行部批判を繰り返すだけでなく、自らがどのような党再生の青写真を描いているのかを提示してもらいたい。
2010.4.7 産経新聞 主張