西京極 紫の館

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ミスト 短編傑作選  スティーヴン・キング/著  文藝春秋

2018年06月10日 16時07分15秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
その町を覆ったのは霧―目の前さえ見通せぬ濃霧。その奥には何かおそるべきものが潜む…豪雨に襲われてスーパーマーケットに集まった被災者を襲う災厄とパニックを描き、映画化、TVドラマ化された伝説の中編「霧」他、「恐怖の帝王」の凄みを凝縮した問答無用の傑作集。キング入門者に最適、キング・ファン必携の一冊!

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆★★

【西京極の読後感想】
ダラボン監督作の映画『ミスト』は傑作だった。その原作『霧』がNetflixでTVドラマ化されるのと併せ短編集として再編集された。表題作『霧』自体は既に『スケルトンクルー1骸骨乗組員』で読んではいたが、同時収録されている『ジョウント』と『ノーナ』が未読だったのと、藤田新策のカバーイラストに惹かれ購入。既読作が多かったので評価は普通ですが、キング入門書としては良いセレクトかも。では各短編毎の一言レビューを。

ほら、虎がいる:文庫本8ページほどの超短編。ホラーと言うより星新一的ショートショートです。最後にニヤリと出来ます。
ジョウント:キングには珍しいSFテイストの短編。瞬間転送技術が実現した未来で起こる悲劇。ある意味予想通りのラスト。
ノーナ:最近のキングではあまり見られない血の匂いが漂う生々しいホラー。人の精神に異常を来した時の風景が目に浮かぶ様でした。
カインの末裔:銃規制法制化に賛成するキングの批判精神が生んだ短編。アメリカの高校や大学で銃乱射事件が今も起きている事を考えれば怖さが増す。
霧:クトゥルフ物で、短編と言うよりもちょっと短めの長編。お話のラストがちょっと曖昧なので、その点は映画の方が面白い。とは言えキングファンなら読まないといけない一作。

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