夢をかなえる新聞・聖教新聞 -人間革命の指針-

聖教新聞は夢をかなえる新聞です。その中より「新・人間革命」、名字の言、体験から夢をかなえゆくための指針をつづります。

民衆が自立し、自らの主張を堂々と展開する創価学会

2009-02-14 15:02:54 | 小説「新・人間革命」
言論部の第一回全国大会の会場となった、東京・神田の共立講堂は、全国から集った“言論の闘士”の熱気にわき返っていた。大会では、副理事長の森川一正から、これまで男女青年部によって言論部の第一部が構成されていたが、女子部が言論部の第四部としてスタートすることが発表された。

これによって言論部は、四部体制となった。

さらに、言論活動の報告や、「現代ジャーナリスト批判」「ゆがめられたマスコミ」と題した、言論界の腐敗を鋭く糾弾する主張の発表もあった。幹部指導に続いて、会長山本伸一の講演となった。彼は言論部のこの二年間の活動に敬意を表したあと、広宣流布における言論活動の意義について言及していった。

「言論による時代の建設こそ、民主主義の根本原理であります。私どもが進める広宣流布は、正義の言論を武器とし、民衆を守り、民衆が主役となる人間の勝利の時代を築く運動であります」

そして、彼は、「言論の自由」を永遠に守り続けていかなければならないと語るとともに、「言論の自由」を盾に、無責任で勝手気ままな言論や、真実を歪め、人をたぶらかす、邪悪な言論が横行していることを指摘していった。「言論の自由」とは「嘘やデマを流す自由」では断じてない。伸一は訴えた。

「悪質な意図をもって、民衆を扇動するような、一部の評論家やジャーナリスト、あるいは指導者によって、日本が左右されてしまえば、いったいどうなるか。そうした邪悪な言論と戦い、その嘘を暴き、人間の“幸福”と真実の“平和”のための新しい世論をつくりあげていくことこそ、言論部の使命であります。

私は、一握りの評論家やジャーナリスト、あるいは一部の“偉い人”だけが、言論の自由を謳歌するような時代は、もはや去ったと叫びたい。また、本来、言論の自由とは、そういう特権階級のためのものではないはずであります。

私どもは、善良なる世論を結集し、燃え上がる民衆の言論戦をもって、新しき時代の幕を開いていこうではありませんか!」

民衆が、堂々と真実を語り、正義を叫ぶことこそ、「言論の自由」の画竜点睛である。「一」の暴言、中傷を聞いたならば、「十」の正論を語り抜く。その言論の戦いのなかにこそ、「声仏事を為す」(御書七〇八ページ)という精神も、生き生きと脈打つのである。伸一は、最後に、どこまでも民衆の味方として、人びとの心を揺り動かす情熱と理念、緻密な論理とを備えた大言論戦の勇者たれと呼びかけ、講演としたのである。

 創価学会の強さは、民衆を組織したことにあると見る識者は多い。しかし、組織したから、学会の強さがつくられたわけではない。その組織のなかで、民衆が自立し、自らの主張を堂々と展開する、社会建設の主役になっていったからこそ、いかなる権力にも屈しない、強靭な民衆の力の連帯が形成されたのである。

8巻 清流

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