「もし、学会に批判があるなら、ただ文句を言っているのではなく、君が自分で、理想的な学会をつくっていくことだ。私もそうしてきた。自分は傍観者となり、ただ批判をしているだけでは、破壊ではないか。主体者となって立ち上がろうとしなければ、自分の成長も広宣流布の建設もない。同じ一生ならば、傍観者として生きるのではなく、広宣流布のために、学会と運命をともにしようと心を定め、力の限り戦い抜くことだ。そうでなければ、あとで後悔することになる。お互いに赤裸々な人間として力を合わせ、学会の世界に、理想の連帯をつくっていこうよ」
そう言って伸一は、青年の手を、何度も何度も握り締めるのであった。また、仲間同士で集まって酒を飲んでは、先輩幹部の批判ばかりしている、二、三人の記者がいた。彼らは大物ぶっていたが、付和雷同的な傾向があり、自分を見つめる姿勢に欠けていた。
ゲーテは断言する。「きみがだれと付き合っているかを言いたまえ。そうすれば、きみがどのような人間であるかを言ってあげよう」(注)
幹部などの批判ばかりしている記者たちがいるという話は、山本伸一の耳にも入った。伸一も気にかかっていたメンバーであった。
大事な職員である。伸一は、彼らが大成するために、誤りに気づいてほしかった。職員の会合の折、伸一は、彼らを次々と指名し、「みんなが感銘するような指導をしなさい」と言った。
彼らは、しどろもどろになり、何も実のある話はできなかった。伸一は厳しい口調で語った。
「批判は簡単だ。では自分は何ができるのだ。真剣に自分を磨くことを忘れてはいけない。不平不満は、自分を惨めにするだけだよ」
その言葉は、深く彼らの心に突き刺さった。太陽を浴びて、草木が見る見る繁茂していくように、伸一の激励に触れた聖教の職員たちは、目覚ましい成長を遂げ、日ごとに生き生きとしていった。
文句ばかり言っていた記者も、自分の言動を恥じ、学会を担う誇りに燃え、果敢に学会活動にも励むようになった。
「ぼくは山本先生のことを知らなすぎた。ただ広宣流布に、人びとの幸福と平和のために生きる〝不惜身命の人″が、師匠であることに最高の誇りを感じる。先生の正義を叫び抜くことは、その実像を知った弟子の義務だ!」
なかには、伸一が真心を尽くして、指導、激励を重ねても、学会を見下し、広宣流布を忘れ、批判を繰り返す者もいた。しかし、やがて彼らは、誰からも相手にされなくなり、皆、自分から職員を辞めていった。清らかな信仰の世界では、悪心の者は、その醜悪なる正体が明らかになり、出て行かざるをえないのである。
広宣流布をめざす清浄無比なる異体同心の連帯が聖教であり、本部である。ゆえに、悪を絶対に許してはならない。
「悪人は叩き出すのだ! そうでなければ、学会が蝕まれてしまう」
それが戸田城聖の叫びであった。
伸一の生命を削るかのような、この聖教新聞への指導によって、聖教に永遠不滅の精神の柱が打ち立てられたのである。そして、この時、言論城に、赫々たる師弟の太陽が燦然と昇ったのだ。
そう言って伸一は、青年の手を、何度も何度も握り締めるのであった。また、仲間同士で集まって酒を飲んでは、先輩幹部の批判ばかりしている、二、三人の記者がいた。彼らは大物ぶっていたが、付和雷同的な傾向があり、自分を見つめる姿勢に欠けていた。
ゲーテは断言する。「きみがだれと付き合っているかを言いたまえ。そうすれば、きみがどのような人間であるかを言ってあげよう」(注)
幹部などの批判ばかりしている記者たちがいるという話は、山本伸一の耳にも入った。伸一も気にかかっていたメンバーであった。
大事な職員である。伸一は、彼らが大成するために、誤りに気づいてほしかった。職員の会合の折、伸一は、彼らを次々と指名し、「みんなが感銘するような指導をしなさい」と言った。
彼らは、しどろもどろになり、何も実のある話はできなかった。伸一は厳しい口調で語った。
「批判は簡単だ。では自分は何ができるのだ。真剣に自分を磨くことを忘れてはいけない。不平不満は、自分を惨めにするだけだよ」
その言葉は、深く彼らの心に突き刺さった。太陽を浴びて、草木が見る見る繁茂していくように、伸一の激励に触れた聖教の職員たちは、目覚ましい成長を遂げ、日ごとに生き生きとしていった。
文句ばかり言っていた記者も、自分の言動を恥じ、学会を担う誇りに燃え、果敢に学会活動にも励むようになった。
「ぼくは山本先生のことを知らなすぎた。ただ広宣流布に、人びとの幸福と平和のために生きる〝不惜身命の人″が、師匠であることに最高の誇りを感じる。先生の正義を叫び抜くことは、その実像を知った弟子の義務だ!」
なかには、伸一が真心を尽くして、指導、激励を重ねても、学会を見下し、広宣流布を忘れ、批判を繰り返す者もいた。しかし、やがて彼らは、誰からも相手にされなくなり、皆、自分から職員を辞めていった。清らかな信仰の世界では、悪心の者は、その醜悪なる正体が明らかになり、出て行かざるをえないのである。
広宣流布をめざす清浄無比なる異体同心の連帯が聖教であり、本部である。ゆえに、悪を絶対に許してはならない。
「悪人は叩き出すのだ! そうでなければ、学会が蝕まれてしまう」
それが戸田城聖の叫びであった。
伸一の生命を削るかのような、この聖教新聞への指導によって、聖教に永遠不滅の精神の柱が打ち立てられたのである。そして、この時、言論城に、赫々たる師弟の太陽が燦然と昇ったのだ。