かかるなげきの庭にても法華経の敵をば舌をきるべきよし座につらなるまじきよしののしり侍りき、迦葉童子菩薩は法華経の敵の国には霜雹となるべしと誓い給いき、爾の時仏は臥よりをきてよろこばせ給いて善哉善哉と讃め給いき、諸菩薩は仏の御心を推して法華経の敵をうたんと申さば、しばらくもいき給いなんと思いて一一の誓はなせしなり、されば諸菩薩諸天人等は法華経の敵の出来せよかし仏前の御誓はたして釈迦尊並びに多宝仏諸仏如来にもげに仏前にして誓いしが如く、法華経の御ためには名をも身命をも惜まざりけりと思はれまいらせんとこそおぼすらめ。
(P1351)
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