夢をかなえる新聞・聖教新聞 -人間革命の指針-

聖教新聞は夢をかなえる新聞です。その中より「新・人間革命」、名字の言、体験から夢をかなえゆくための指針をつづります。

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2011-12-08 21:36:36 | 小説「新・人間革命」
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 美藤実は、有力者の壮年に対する、山本伸一の確信にあふれた指導に魅了された。

 ”ひとたび信心をしたからには、あの確信、あの信念をもちたいものだ”と思った。

 美藤は、翌日も、指導を求めて、朝一番で、伸一が宿舎にしていた旅館に行った。

 伸一は、集って来たメンバーと記念のカメラに納まったあと、こう美藤を励ました。

 「生涯、不退転でいくんですよ。商売も、しっかり成功させてください。それが、防府の広宣流布の基礎をつくることになります」

 また、この時、美藤は、十数世帯の会員の中心者である組長になったのである。

 美藤は、お人好しな性格であった。商売でも、すぐに人を信じ、〝いい話がある〟と言われると、飛びついてしまうのだ。

 妻の喜美子が、よく考えるように忠告しても、「商売のことには、口を出すな」と言って、耳を傾けようとはしなかった。

 ある時、「すべてオートメーションで、瞬く間に、饅頭ができる」と、饅頭製造機を勧められた。すぐに購入し、饅頭屋を始めた。

 饅頭は量産できたが、買ってくれる人には限りがあった。結局、大量に生産した饅頭は、大量に売れ残り、事業は破綻した。

 また、人に勧められ、駅前に、八面が回転する広告の鉄塔を建てた。「毎月、黙っていても、高収入がある」との言葉に心が動いたのだ。多くの人が、もの珍しそうに鉄塔を見に来た。

 しかし、肝心の広告主がつかず、これも失敗に終わった。たび重なる事業の失敗で、貧乏のどん底に突き落とされた。

 美藤を見る周囲の目は厳しかった。それはそのまま、創価学会への批判となった。

 妻に促されて、幹部に指導を受けた。

 「美藤さんは、”信心をしているんだから、何をやってもうまくいく。楽をしていても儲かる”と思っているのではないですか。それでは、信心の堕落です。信心の利用です。仏法は、道理なんですよ。努力も、工夫も、挑戦もなくて、うまくいくわけがない」

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