先日、今年度のダービーは終わった。競馬好きの諸兄にはたまらない一日だったろう。この競走馬の名称等には,著名人の名称等が有するのと同様の顧客吸引力を有するものがあり,そのよう な場合には,その名称自体等に経済的価値がある。
競走馬の名称等が有する経済的価値を保護する ためには,商標法,不正競争防止法等の現行の知的財産関係の法律が認める権利や救済方法等がある。さて、競走馬の所有者は,競走馬の名称等が有する経済的価値(無体的価値)を独占的に支配する 無体財産権(物のパブリシティ権)を有するものと解し,馬名を保護されなければならないと思っている。
現に, 競走馬の所有者が,ゲームソフトを製作し,販売する会社との間で,その所有する競走馬の名称等の使用を 許諾するにつき,使用料の支払を受ける旨の契約を締結している例がある。このことからも,競走馬等の物 のパブリシティ権を一定の要件の下に承認し,これを保護するのを相当とする社会的状況が生まれていると いうべきである。
したがって,顧客吸引力を有する競走馬の名称等を第三者がその所有者に無断で使用するなどして上記の無体財産権を侵害した場合には,不法行為が成立し,損害賠償請求権が発生する。もっとも,上記の無体財産権は,現段階においては,排他性を有する権利とまではいえないから,差止 請求を認めることはできないと判例は示している。
結局、G1馬等の馬名を使用する場合には十分知的財産に注意を払わなければならないのだ!
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