(博多中洲の専門店で)
若い時の話しですが、友人からある博多中洲のスナックを紹介されました。早速行ったところ開店したばかりということもあり「ごひいきに」と歓迎されました。その店のキープは安いサントリーの角でしたので気軽に行ける店になりました。ところが暫くするとキープ棚にリザーブが並ぶようになり、後の壁にはホールインワンを祝う記念品とか、ヨーロッパ旅行のお土産などいろんなものが飾られ始めました。ママさんが美人だったこともあり、良客をつかんだようでキープ棚はいつの間にかリザーブばかりになってしまいました。
私のキープは見える棚から外され、下の棚に移されてしまいました。店としてはどうでも良い客の部類になったようです。しかし私としては見栄を張ってまでリザーブに変えるつもりはありませんでした。そんなことから行きにくくなってしまい、ご無沙汰になってしまいました。
そんな中、ある日の昼間、ばったりとママさんと街で出遇いました。「来ないけど、どうしてるの?」などの世間話しのあと、そのママさんはグサリと痛烈な言葉を残して去って行きました、「出世したらまたおいでね」と。客商売の人の言葉ではないと思いましたが、いくら思ったところで所詮は貧乏人のひがみでしかありません。
人生長く生きてきますとこれに限らず同じようなことは多いですね。おごりは自分を見えなくします。しかし人生経験として一度位はおごってみたいものです。