息も絶え絶え~大学末期編~

期末ではなく、末期です。

BEAT'S DISCIPLINE SIDE4 【INDISCIPLINE】

2005-08-20 | ぶろぐ
起床13時。
今晩は、管理人@甲子園観戦と「ビート」読書しかしてない です。
すっげぇ、寝ました。でもまだ寝足りない。

甲子園、駒大苫小牧がやりましたねー。
1試合3ホーマー、1年生エース、などの派手キャラこそ居なかったものの、全体的に本当に堅かったと思います。関東勢が敗れた時点でもうココを応援し出していたので良かった良かった!
しかしアツいですね、甲子園は。

さて!
と、言う訳で、「ビートのディシプリン SIDE4」の感想を書かせて頂きたい!(興奮)
そもそも「ビートのディシプリン」とは、上遠野浩平作品「ブギーポップシリーズ」のスピンオフ作品です。「SIDE1」はかれこれ4年前に出版され、そこから1年に1巻ペースで刊行され、このたび完結編である「SIDE4」が満を持して登場した次第でございます。
物語の世界はブギーと全く同じ。というか「SIDE1」では「この物語に死神は出てこない」という事だったのですが、地味に登場はしてます。死神は登場せずともお馴染みの統和機構オールスターズに加え、過去のブギーシリーズにて主役級の活躍をしてきたメンツが勢ぞろいです。更には統和機構の「中枢」が大きな動きを見せたり、「天敵」の登場があったり、本編の向かいつつあるクライマックスと見事に絡んでいるように思います。

主人公は統和機構の人造人間「ピート・ビート」。能力は掌にて相手の鼓動を読み取るレーダーに近いもの。戦闘型では無く支援型。ただこの能力は索敵だけではなく・・・(「SIDE2」以降はバンバン出てくるのですがまだ「SIDE1」を読んでない人のために。)
そんな彼は統和機構の中で"最強"の名を誇る「フォルテッシモ」から「"カーメン"について探れ」という指令を押し付けられる。"最強"相手に断る事も出来ず、「カーメン」という言葉だけを頼りに調査を開始するが、彼の出向く先で命を狙われるようになり・・・。

というのがかなりいい加減な「ディシプリン」についてのあらすじです。
2~4にかけて新たな人造人間やら能力者やら事態やらが現れるのですが、それは読んでからのお楽しみという事で。

で!
ネタバレを懸念しつつSIDE4の感想を言うと!

「すげぇ・・・」の一言に尽きます。

いや一言に尽きはせんのですが、とにかく凄い!
この人の作品は浦沢直樹もビックリの伏線の張りっぷりなんですが、いや、凄いんだ本当に。ブギーシリーズの方はもう巻数もかなり重ねてきてるし、世界も広いため、伏線が浮上してくるのに時間が掛かっていざぶち当たると「えっ、そこなの・・・。」ってなるものが幾つかあったのですが。やはり今回はもう別系統、ビート君を主人公に据えてドンと物語を作っているため、伏線の質が別格です。どれもこれも「えー!そこー!!」みたいな。
そして大物キャラのオンパレード。出てくる人造人間も下っ端ではなく、かなり強力な上位の能力を持った者たちがビートの前に現れます。

大元の謎である「カーメン」についてのオチも、ヤバイ、最高でした。

「カーメン」については物語が進むにつれて敵が「それは、概念に過ぎない」とか「もうお前は知っているはずだ」とかいう発言を繰り返しやがる為、ビート君のみならず読者の僕らも相当悶々とさせられたのですが、見事にオチてます。「そら命も狙われるわな」とも納得出来るし、そして「カーメン」という言葉の意味にも深く納得が行きます。そう「カーメン・」。
本来ならば1巻ごとにラストでは鳥肌が立つ上遠野作品、SIDE4まで溜めに溜めてきたオチには涙が出るんじゃないかと思いました。

軽くネタバレ気味な発言をすると、ブギーシリーズにも「エンブリオ」ではメインキャラとして登場、更にその後もチョイチョイ出ていた「フォルテッシモという"最強"の称号・存在」すら、大掛かりな伏線にしか過ぎなかった、この「SIDE4」の為だった、という風に思えます。
彼はこれからの激動の本編が進むにあたってもかなり重要な役どころになってくるとは思いますが、本当にこの「ビートのディシプリン」におけるビート君の最たる「試練(ディシプリン)」となり、ビート君に「カーメンとは何ぞや」を語らせる相手役にはフォルテッシモしか居なかったですね。


「ビートのディシプリン」を通じて統和機構についてかなり明らかにされてきました。明かされる一つ一つの事実に対して毎回鳥肌モノでした。
更に今回は「カーメンに向かうビートに対する刺客」が多数登場するので、当然戦闘シーンが多いのですが、過去のブギーシリーズ、事件シリーズからも容易に想像が出来るように、圧巻の描写となっております。
更に更に、この世界の戦闘においてやはり引き出さなくてはならないのが"最強"ことフォルテッシモなのですが、「エンブリオ」以来、因縁の相手となっている「イナズマ」との間で見せる関係、あとこれは「カーメン」の名前の由来もそうなのですが、「本当の強さ」について言及されています。
「本当の強さ」については「モータル・ジム」が実践し、そしてビート君もラストでは辿り着きます。・・・もうこういう精神面の描写はピカイチですよホント。

とにかく、色々な謎が明かされておりますSIDE4!凄い面白いぞSIDE4!!
特に面白かった点を最後に箇条書きで!


・カーメンにまつわる全てのオチ
・統和機構とは
・超ビッグキャラの大量登場
・霧間一家がいよいよ・・・?
・ビート&朝子ペア
・ビートの能力<NSU>の正式名称
・イナズマ
・イナズマの強さ
・フォルテッシモとイナズマ
・フォルテッシモの弱点
・フォルテッシモの能力名
・フォルテッシモの全力攻撃
・フォルテッシモの苦悩
・フォルテッシモとエンブリオ
・ビバ☆フォルテッシモ!

もうとにかくメチャ面白いっすよ!!

で。

「カーメン」については完全に謎が解けた訳なんですが、物語はまだまだ終わる気配はありません。「SIDE4」の最後では、次にビート君がまた新しい動きに転がり出していくところで終わっています。
多分、ビート&朝子はこの先も間違いなく大きく大きく世界の構築に絡んできます。
そしてそもそも「カーメン」は一体何なのか?という謎が解けたトコロで片付けられるものではありませんし。
更にSIDE4になって出現した「天敵」「アルケスティス」そして「ヴァルプルギス」。
現・中枢は一体何をしようとしているのか、そしてカレイドスコープの能力とは何なのか。
本編では「笑わない」のエコーズ以来、ようやく深く絡んでくるようになった「虚空牙」と世界の関係。
中枢を巡る戦いとして以前何が起こったのか、そしてこれから何が起こるのか。
そして何より、こうも激しく動き出した「世界」自体に対して「世界の敵の敵」ブギーはどう絡んでくるのか。

これだけでも全然語り足りないくらいです。読んでるうちに「おいこれ伏線ばら撒き過ぎじゃないすか?」と疑問を持ってしまうのですが、過去の経験からしてそのどれもがスルーされる事無く、そして見事に繋がっていくので、ドキドキしながら本編の最新作を待つ事にします。

あー、それにしても、本当に「ビートのディシプリン」、すごい話だったなぁ。

僕は「カーメン・」に辿り着けるんだろうか・・・?というかそもそも・・・・・?
なんて事をある程度真剣に考えながら、今日はこれまで!

ネタバレを懸念するあまりに相当わかりづらい話を一人で興奮しながら書き連ねるという惨事を懲りずに引き起こしてしまった事を同時に謝罪いたす。ゴメソ。

では!


別に「電撃文庫」だからと言って敬遠せずにみんな読んでくれたまえ!他のソレとは違って別に「美少女」は出て来ることの無い「SF、戦闘、哲学、そしてロマン小説」ですから!ホント、ビックリするくらい面白い。あー思いっきりこの「世界」の話が出来る人いませんか?