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爆死の危機 DINER 第17話「Melty Rich&Honey souffle③」感想(ヤングジャンプ2017年53号)

2017-11-30 | DINER
                           
                           見捨てられたカナコ。










首に仕掛けられた爆弾は解除不可能であり、身体を抉らなければ取る事が出来ないらしい
店の主であるボンベロが下した決断は、耐爆の冷凍庫で一人で死ね。という物だった
今週の新連載では男が女の子を必死に守る展開が繰り広げられてる中で、
「無力でバカなお前は死ね。」という清々しいまでにセオリーに反している本作の方針が素晴らしい(笑
あ、当然前者は前者でロマンのある作劇で別に嫌いとかじゃないですよ。念のため一応補足しておく。

ただ、この漫画の・・・「DINER」の“自分で考えて何とかしろよ”って方向性は正直かなり好きです
最近はなんでもかんでも「やってあげる~」みたいな展開が多くてうんざりする事もある
今週のダイナーは、店に被害(あと自分に被害)が及ばないように、
せめて人様に迷惑掛けずに一人で逝け。という
合理的かつ、
現実的な選択で、
でもそれもまたある意味正しい事は正しいんだろうなあ・・・って考えさせられる17話目でした。





このね、
「女の子は男の子が必死に守る!」的なお約束が多い漫画界?の中で
サッと見捨てる、バカはそのまんまくたばれ。っていう方向性はね、凄く刺激的ですし
性別とか人格とか関係なしに「てめえで勝手になんとかしろ!」という冷徹な、
しかし真っ当なメッセージを投げかける本作の意義は大きいと思う
以前の感想でも書いたけど、
気軽に手を差し出す事は見くびってるのと同義なんですよね
例えば、重い荷物を持ってあげるのだって「お前は女だから持てんだろう。」という一種の見くびりなのかもしれない
そもそも不用意に得体の知れないものを受け取ったのはカナコ自身なのだから
ボンベロが身を粉にする必要性はぶっちゃけ一切無い、、、とも言える
(本来の意味合いでの)「自己責任」って事なんですよね・・・。

ただ、カナコはこんなとこでくたばるタマじゃない、とも思ってる。
カナコは警戒心薄い(抜けてる)し、お人好しのおバカさんだけど、
時に周りから見たら異常なまでの集中力とパワーを発揮して危機を乗り越えて来た、、、のもまた事実
ボンベロに助けられて来たようで、肝心な部分はほぼカナコの自力で乗り切って来た印象も個人的には強い
ここで終わるようでは、所詮それまでの人間だった・・・ただそれだけの話じゃないかと。
嘆いても良い、醜く足掻いても良い、だけど、それが「明日」に繋がるなら-
この日の苦しみもきっと“次”への布石なんだと思います。

正直、
泣きじゃくってるカナコを見てたら可哀想にもなりますけどね。
でも、最初から「他人の助け」を期待している時点で(今は)カナコの負けなんだと思います
そう暗に示唆しているようなラストシーンがまたこの作品らしくて良かったですね。
それにしても、とことんまでに絶望的な状況だなあ・・・笑












ちなみに、
来週は休載だそうで・・・
恐らくコミックス作業だと思いますけど、
この引きで2週間はキツいな~(笑
カナコの難儀な人生に光あれ!

(個人的に「私を・・・・・・」のコマはめちゃくちゃ可愛いと思いました。)





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