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生きてれば。/青年少女よ、春を貪れ。 第四十八話(最終話)「未来」

2022-02-17 | 山田シロ彦









まあ、正直な話・・・
自分もこの先の人生生きてても本懐が叶わぬまま悔しい気持ちを抱えて死んで行くんだろうな。とか、
そういう風に想うと生きてる意味を見失って自死がチラつく事だってあります
まず、
自分は良い人じゃないですし(本当に良い人だったらもっと器用にやれてる)、
良い人を演じてる事自体苦しいと思っちゃうし、だから良い人になれる予感も全くない
もっと言えば自分に長所があるとは思えないし、嘆くだけじゃなくて、
たった一つでも良いから長所を見つけようと頑張ってても現状「何も無い」が続いている
それ、
意味あるの?と問われれば何も返す言葉は無いんですけど。

ただ、
「こういう事」なんですよね
自死を選べば取り敢えずその場の苦しみや葛藤からは逃れられる
でも、
人生なんて、
どう転ぶか分かんないから。
これは、
ハルが「生きるはずだった未来」のエピソードであり、
ハルが命を粗末にしてしまった事に対する罰・・・なんだと思う。
今は苦しいかもしんないけど、
歯を食いしばって懸命に生きてれば、
最終回のような未来も有り得たという提示、、、及び、
幻想の中だけでもハルの夢を叶えてあげたい~というシロ彦さんの優しさな気もしました。







結構、
具体的なラストじゃなく、
良い意味で曖昧な読み手の想像に任せる類のエピローグだったんですけど、
自死してしまったハルの本当の夢
或いは別の世界線、
及び、
勝之とハルの知らないトコで想いが結実していた・・・という一種の証明のようにも感じました
現実的に言えばハッピーエンドっていうよりもまた別のニュアンスの終わり方でしたが、
不思議とこれはこれである種の幸福だったのかな、、、なんて感じましたね
何が本当か、
何が幸福か、
そんなんに定義なんて無いですけど、
ただストレートなバッドエンドとは到底言い難い、
水面下の想いの結実を描けていた尊い話数に仕上がっていたと思います・・・!!

・・・・・同時に、
もう一つ思ったのは、
人生なんていつどのタイミングでどこに転がるかなんて全く分からない
もしハルが自死していなければ、「こういう未来があった」というメッセージだと仮定するなら、
読者も自分も未来を信じて生き抜いて行こうよ。という意図も感じたりもしました
少なくとも、
もうダメだ。と思って生きるのと、
何かを信じて懸命に生きるのとではモチベーションが全然違うので。
古崎さんの「今」の描写を含めてハルの母親がまだ漫画を続けてる~という描写を含めて、
先週に引き続きキャラの❝未来❞と❝夢❞を描いてみせた素晴らしいエピローグだったように思います。
山田シロ彦先生及びヤングジャンプの編集の方々大好きな漫画を一年2ヶ月の間ありがとうございました!!










色々書いたけど、
要約するとハルは可哀想な最期だったけど、
同時に最後の最後でようやっと幸福を掴み取れてたのかもしれない。っていう、
そういうエピソードにも感じられました。個人的には、
音無さんのマジのその後も見てみたかったけど笑
それもまた、
敢えて描かない~という配慮なのかもしれませんね
正直、深読みなんてし放題ですから笑
それでも、今まで散々苦労して来た分、「みんな」には幸福になって欲しいな―――――。
最後に一読者として願うのはそんなシンプルな願い「だけ」でした。
感想を読んでくれた皆様にも感謝の意を伝えたいと思います。
ありがとうございました(またシロ彦さんの次回作にも期待してます・・・!)。
単行本も最後まで買うぜよ。紙の本で。




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