読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

聖火リレーは

2008-04-27 18:44:51 | Weblog
つつがなく終わったようでめでたいことです。

 昨日の中継は欽ちゃんが何か投げつけられたあたりしか見ていないのですが、今朝のワイドショーを見ると、大勢の人たちがチベットや中国の国旗を持って元気にアピールしているシーンが特集してあって感動しました。いやー、日本はまだまだ大丈夫だね。これだけ多くの人たちが遙か遠い小国の人たちに同情して大国中国に抗議活動をするんだもの。昔はねー、アジア、アフリカの人権侵害とか少数民族の軍事弾圧とかっていうとアムネスティや左翼系市民団体しか動かなくって、YWCAでの講演会や写真展もほんっと人が少なかったんだけど、今回はネットを見て「自分も何かしなくっちゃ」とチベット国旗を買ってわざわざ長野まで行った人がたくさんいたわけでしょ。頼もしい!これを機会にぜひ「チベット死者の書」なども読んで、チベット仏教についての知識も深めてほしいです。昔はそういうの、ニューエイジ系の人しか興味を持ってなかったんですよねー。スピリチュアルにハマってる人とか。それから、中国は最近アフリカ方面で資源の採掘権を次々と手に入れているそうだから、ぜひアフリカの貧困国の現状にも興味を向けて、現地の人のために資源の乱開発や環境破壊と戦ってほしいです。そういうのは石油のためにイラクを空爆したアメリカやチェチェンに侵攻したロシアなんかでも同様の事情ですから、今回これだけ活躍された若い人たちはこれからも出番が多いでしょう。まあ、言ってみれば国が生き延びるために他国を併合して経済ブロックを作り、資源を収奪するなんてのは過去の日本がやりかけていたことと同じで、そういう侵略が民族独立運動の高まりや国際的批判を生むなんてことは過去にすでに日本が経験して懲りていることなんですよね。
 いやー、イラク空爆の抗議デモの時はネット上でバカにする人が多かったんで、シラケ世代の私でさえ「これでええんか?」と心配になりましたが大丈夫のようですね。若い人たちはまだまだ元気がいい。中国の帝国主義化を防ぐため、このノリでこれからも続けてください。

 また、中国の若い人たちも今回がんばってエネルギーを発散させたようで、よいことです。「台湾とチベットは中国のもの!」だなんて「アホか!」と一瞬思いましたが、よく考えてみると、民主化要求デモなんかすれば即逮捕されてしまうのだから、当局の逆鱗にふれないような名目をやっと見つけ、これ幸いと張り切ったのでしょう。中国からの留学生は世界中に大勢いるようだから、いろいろな国の政治体制や思想を学んで帰国して頂きたいです。きっと民主化要求や経済格差、環境破壊、当局の抑圧に抗議するデモも、実行する心理的ハードルが低くなったのじゃないでしょうか。

 テレビで、中国人留学生と「フリーチベット」の日本人青年が新幹線で隣の席に乗り合わせて長野に来たと言っていたのを聞いて思わず笑い、国際交流が活発になるのはいいことだと思いました。自分の姿を外から見るとどう見えるかということを知り、価値観を相対化してみることが大事ですから。

 これだけ盛り上がっているんですが、私はスポーツにはほとんど興味がないんできっとオリンピック中継もろくに見ないうちに終わってしまうと思うなあ。