【前回の続き】
さて念願の初GO-GO、Chuck Brown & The Soul Searchersは
1時間半ノンストップ、曲間いっさい無しで本当にスゴかった!
ゴーゴーの要は独特のファンクドラムだが、絡むメンバーにより
ライブの手触りがどんどん変わる。変化と陶酔のグルーヴだ。
帽子を被ったチャック・ブラウンはステージ右端でギターを
弾きつつ、渋い低音で歌ったり合いの手を入れたりする。
ときおり内股でチョコチョコと中央にやって来るのが愛らしい。
ステージかぶりつきの方々はしょっぱなから踊りだし、
女性が多い上にお客さんのレスポンスが完璧で驚く。
8名のサウンドは初めシンプルに聴こえたが、時間とともに
いろんな音がミルフィーユのように重なり分厚い層になって、
多彩な音色をパーカッションの力強いリズムが包みこむ。
1.ジャズ期
ワシントン・ゴーゴーといえば泥臭いイメージがあったが
意外や意外、第一印象はジャジーで”大人”の雰囲気だ。
3名のホーンがしばしメインで、古き佳きジャズ風の旋律を
かわるがわる渋く聴かせてくれる。おお、かっちょいい!
思わず首をハトのように前後させて一緒にリズムを刻む。
2.フュージョン期
ジャズの次はいつしかフュージョン調になり、AOR風の
甘酸っぱいメロディに変わる。切なくなるアレンジに
ビックリ、まさかの「GOGOで胸キュン」である。
・・首だけでは足りなくなり、大きく左右に揺れだした。
3.ワールドミュージック期
赤毛の女性がふらりと現れ(誰かと思ったら、どうやら
チャックの娘さんらしい)、モンキータンバリン片手に
ツヤのある声で抑揚のないラップを歌いだした。
ラガマフィンというのかバングラビートにも通じるような
お経っぽい平坦な節回しで、ライブの雰囲気がまた変わる。
4.R&B期
今度は才色兼備のキーボードのミニスカ女性がフロントに立ち、
美しいボーカルで観客を大いに沸かせる。今風のR&Bだ。
脳内ハイになるにはこういう音楽があれば十分だろう。
こちらも辛抱たまらず、ついに立って踊りだした。
5.ファンク期
眼鏡をかけてスーツを着こなしたマネージャー風の男性が
杖をついて現れ、司祭のようにステージを支配し始めた。
この方が見かけと裏腹に大いなるファンキー親父で、
大声で歌いラッパとラップで煽り、皆に振りをつけて大活躍。
完全にどこか別の世界へ行ってしまった幸せなひとときだ。
6.大団円
終電大丈夫かな?と、かすかに心配になってきたころ
ノンストップだったドラムがついに一旦とまりBustin' Loose、
紙幣を皆でかざしながらWe Need Some Moneyへ。感動の拍手が
いつまでも鳴りやまず、チャック御大も大満足のご様子。
【総括】
詳しい知識はないものの大変期待していたライブだが
(メンバーも曲も殆どわからず、申し訳ありません)、
実際は予想を更に上まわる素晴らしいステージだった!
ワシントンGO-GOはローカル音楽かと思ったがどっこい、
JAZZ~フュージョン、ヒップホップ~R&Bそしてファンクと
幅広い世代が聴ける、グローバルで新鮮な音楽だと思う。
御歳なんと74というチャック・ブラウンさんだが、
どうかGOOD MUSICをずっとずっと届けてほしい。