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音の世界

「ノリのいい音楽」をテーマに、CDやライブの感想を綴ります。

築地本願寺DE盆ダンス

2011-08-17 22:50:47 | その他音楽


今年はとみにあっちこっち出歩き過ぎて
ブログが約2週間遅れとなっていますが、
今回は築地本願寺で行われた盆ダンスの模様を。

昨年初めて訪れた築地本願寺の納涼盆踊り。
今年は仮装の日に行くぞ!とでかけたものの
芋を洗うような混雑で踊りの輪に辿りつかない。

やっとのことで真ん中まで行って見よう見まねで
踊らんとするも、盆ステップについてゆけず
皆様の華麗な足さばきを見学させて頂きました。

そのうち一曲は踊れるようになりたいですが、
築地本願寺デビューはまだまだ遠い・・
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未知の祭り道

2009-06-13 01:43:45 | その他音楽
代々木公園の各国祭りには詳しいつもりでしたが
まだまだ知らないイベントがあるものよ。

どこかの国、どころかワールドワイドな
Antaru Festival 2009

出演アーティスト欄の「縄文トランス」とか
「非インストゥルメンタル音楽」って何なのでしょう。
楽器にあらじ、ならアカペラか?

激しく気になりますが、開催は晩秋も11月。
それまで覚えていられるかな?
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戦隊ヒーローを紅白に

2008-12-09 23:53:49 | その他音楽

【↑ヒーローではないがマイフェイバリット】

読売の夕刊を眺めていて興味深い記事をみつけた。
日テレのキャスターも務める鈴木美潮さんのエッセイで、
題して「紅白に戦隊ソングを」。
http://www.yomiuri.co.jp/donna/do_081209.htm(←記事はコチラ)

彼女は渋谷でスーパー戦隊シリーズの主題歌を歌う歌手が
一堂に会したライブに行き、子供の頃を思い出し感銘を受けたという。
こうした「もと子供」の脳裏に刻まれている歌が正当に評価されず、
キャリア数十年をほこるベテラン歌手達が紅白歌合戦に
エントリーされないのは何故なのか?と問いかけている。

記事を読んでハッとした。洋楽だR&Bだと
ブログに綴っていたが、ルーツをすっかり忘れていた。
子供のころ親しんだ音楽は歌謡曲でも洋楽でもなく
アニメと戦隊ヒーローの主題歌だったのだ!

おそらく当時最先端の洋楽をとりいれたキャッチーな
サウンドトラックに、歌唱力抜群のアニソン歌手の
朗々たるボーカルが乗っかる、質の高い楽曲の数々。

歌手生活50周年を迎えるささきいさおさんに
40周年を迎える水木一郎さんや堀江美都子さん。
確かにこういう方々こそリスペクトされるにふさわしいと思う。
ほかにも串田アキラや影山ヒロノブに山本正之・・

歌手個人として決して詳しいわけではないけれど、
アニメや戦隊物の名曲をもっと評価してほしい、という
筆者の想い、よ~~くわかります。

私も彼らのアニメや音楽とともに育ち、そして
彼らこそが自分の音楽の礎を築いてくれたのだから。

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Metro Music Oasis Vol.20

2008-06-01 04:31:09 | その他音楽


【7 Seasons/PROJECT WA-GO】

銀座駅コンコースの風物詩、メトロミュージックオアシスが
20回目を迎えた。今回の出演者・プロジェクト和豪は
アボリジニの伝統楽器であるディジュリドゥに
パーカッションや三味線を加えたアンサンブルだという。
どんな音なのか想像もつかないのでHPで試聴したところ
ぶよよ~んと倍音が響く謎のダンサブルミュージック、
特に"Dry Season"という曲が気に入った。これは面白そうだ。

というわけで、わざわざ外出先から舞い戻った銀座駅。
ステージには沢山のパーカッション類とMacノートがあり、
黒いバンダナと白いシャツの涼しげなリーダー・哲Jさんが
2メートル近くありそうな長い筒をくわえてスタンバイする。
この見なれない楽器から一体何が飛び出すのだろう?

ぶを~ん・ぶぶう~ん、ドゥわドゥわ、びよびよ。

!!??・・アンビエントというかトランスというか、
Windows Media Playerのサイケな映像に合いそうな音楽だ。
哲Jさんは打ち込みとノリのいい生パーカッションをバックに、
アイヌのムックリの拡大連続版みたいな音を
息継ぎも感じさせず1曲まるまる出し続ける。見事だ。

ディジュリドゥは楽器というよりボーカルに近いと思う。
人類最古のアナログボコーダーなのかもしれない。
時にドゥワドゥワと蛙の鳴くような声でリズムを刻み、
フォルクローレのようにフッフッと筒を吹く音にも変化する。
1本のパイプが生み出す音のなんと細やかなことか。

楽器だけでなく哲Jさん自身も実に表情豊かだ。
瞑想するかのように目を閉じ右手は上下に空をきり
リズムに乗って全身がゆるやかに左右に揺れて、
歌詞がなくとも曲のイメージを雄弁に語っている。

ところで三味線の方は?と思ったら、3曲目になって
ポスターの和装と全く違うロックテイストのお兄ちゃんが合流した。
打ち込み系のリズムに純和風の三味線が加わると
まるでバングラに聞こえるのが面白い。

哲Jさんがおっしゃっていたとおり、
彼らのサウンドは身体で感じることができるが、
初めて耳にする不思議な音楽で踊るにはためらいもあり
みな神妙な面持ちでじっとディジュリドゥに聞き入っている。
ところが、ある時を境にライブの空気が変わった!

「踊るためのとっておき」という感じで始まったのは
ディジュリドゥ打楽器ベース三味線入り乱れての
壮絶ファンキーセッション3連発、こりゃ凄い!!
それまでと違いポップな曲調に聴衆は一気にヒートアップ、
サラリーマンもOLさんも(そして猫山も)堰をきったように踊りだし
アンコールが終わっても割れんばかりの拍手かっさい、
ライブの後はCDが飛ぶように売れていた。(かくいう私も購入)

Don't think,feelという言葉が頭を駆けめぐった衝撃のライブ、
東京メトロさん、新たなる音楽をありがとう!

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雪の女王鑑賞記

2007-12-25 00:22:57 | その他音楽
ある朝、ズームインで紹介されていた「雪の女王」。
宮崎駿監督が最も影響を受けたアニメ映画だという。
テレビでアニメのさわりをみるうちに、なぜか
昔なつかしい「パルナス」のCMを思いだした。
(→洋菓子屋パルナスの映像はコチラ
  このCMにピンときた方は関西人でしょう)

藤城清治の影絵アニメとロシア風の歌で大好きなCMだが、
なんでデンマーク産の「雪の女王」がモスクワの味・
パルナスに結びつくのか、自分でもさっぱり分からない。
ところが、しばらく経ってからその理由がわかった。
「雪の女王」は旧ソ連映画なのだ。なるほど!

というわけで、一体何がなるほど!なのか、そもそも
ロシアのイメージが未だにパルナスでいいのか、
自問しつつ1957年の長編アニメ「雪の女王」を観ることに。

私が子供のころ読んだ「雪の女王」は
いわさきちひろさんの美しい挿絵が添えられた
アンデルセンの作品集の中だったと記憶している。
幼年向きのわりにはかなり大人びた絵柄だったので、
今回観たアニメ版で一番そのイメージに近いのが
迫力あるクールな雪の女王だと感じた。

雪の女王にさらわれた仲良しのカイを探すゲルダ。
一秒に60コマくらい使っているのではと思うほど
なめらかなキャラクターの動きと、見事なカメラワーク。
全編上品なオーケストラ音楽に合わせて物語が進み、
テンポのよい音楽劇を観ているようだ。
ゲルダが住む暖色の世界と、氷に閉ざされた寒色の対比も美しい。

驚いたのが、花々や氷のきらめきなどの透過光が
実写さながらのリアルさでふんだんに登場したこと。
今ならCGで処理するようなまばゆい光を
ここまでうまくアナログのセル画にのせるなんて、
素人感想だが50年も前の作品とはとても思えない。
(それとも、後でリマスターしなおしたか?)

アニメのキャラクターがあまりにもカワイすぎるので
当初一歩引いて見ていた私も、ゲルダの一途な想いにほだされ
いつしか「ゲルダがんばれ、シカさんがんばれ」の心境だ。
特に、イジワルな山賊の娘がゲルダを見送ったあと
「ゲルダは優しすぎる」と号泣する場面が涙モノだった。

ストーリーの端々に確かに宮崎監督が影響を受けたのだな、
と思えるエピソードが登場する。「一途な女の子」もそうだが
ことゲルダに関しては、行動は大胆ながらも礼儀ただしく
控えめで奥ゆかしいという、大和撫子ぶりに好感がもてる。

この作品は以前日本語吹き替えで何度か上映されたそうだが、
今回はおそらくロシア語と字幕版のみの公開だと思う。
そのせいか、休日なのに観客が大人ばかりだったのが残念だ。

今回も、日本語吹き替えと交互に上映したり
字幕にルビをふったりはできないのかな?
せっかくの新訳版を、大人が独占しては勿体ないと思うのだ。

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東京ボーズコレクション(続)

2007-12-16 20:17:47 | その他音楽

【お坊様続々集結の巻】

「プンダリーカ・ライブ 杜子春」のステージが1時間半ほどで終わり、
いよいよ東京ボーズコレクションのメインイベント、大法要の時間である。
聴衆はさらに膨れあがり、本堂は押すなへすなの大賑わい。
ここにきてステージが完全に見えなくなってしまったため、
カメのように首を伸ばし必死でステージをのぞきこむ。

さて、宗派を超えての史上初の合同法要は感動的なものだった。
キリスト教の礼拝音楽を思わせるパイプオルガンの荘厳な調べとともに
天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗・曹洞宗・臨済宗等々
さまざまな宗派のお坊様が数人ひと組で次々に登場し、
世界平和を祈念する声明(しょうみょう)を数分ずつ唱和する。
本堂両側の柱にはサイケなアニメーションがぐるぐると映しだされ、
大法要のスぺーシーな雰囲気を盛りあげている。

さながらお坊様による華やかなショーのようであり、
かつ極めて厳粛な祈りの場でもある。おごそかな声明が続くなか、
鳴りものを使うパワフルで賑やかな日蓮宗と、超音波のような
トランスがかったコーラスの臨済宗がとりわけ印象に残った。

最後にお坊様がカラフルな紙の花をまきながら再び登場し(散華)、
ステージに各宗派の全員が出そろったところで
築地本願寺のお坊様が挨拶された。
「すべては繋がっている」「縁を大事に」・・

「東京ボーズコレクション」はお笑いでもなんでもなく
正真正銘のボーズコレクションだったのだ。
散華しながら花道を歩く色とりどりの僧衣をまとった
お坊様達の姿には、不信心な私もえもいわれぬ感動を覚えた。
難しいことはわからないが、胸に迫るものがある。

その後外に出て、青空テントでお坊さん達のお経と
超絶アフリカンドラムのコラボレーションを見たが、
観客参加型のパーカッションワークショップでとても楽しい。
若いお坊さんも話上手でライブは大いに盛りあがり、
僧職の方はやはり話がうまいと感銘を受けた。

このイベントに対する見方はいろいろあろうが、
非常に明確なテーマとメッセージ性を持った
意義深い催しだったと思う。イベントの端々に
仏教の大らかさがいい意味でよく現われており、
俗世まみれの自分も少し立ち止まって考えてみようか、
という気にさせてくれた。

こんな催しが年に一度でもあると、仏教に触れる
よいとっかかりになるのではないだろうか。

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ミニブラスト!

2007-07-14 00:46:13 | その他音楽


東京国際フォーラムの路上に屋台カーが集結する
ネオ屋台村スーパーナイト。今回はマーチングドラムの
石川直さんが登場するときき、ステージを覗いてみた。
マーチングドラムというと名作映画「ドラムライン」しか
思いつかないド素人だが、どんな演奏なのだろう?

・・いやはやこれはすごいです!
若手の精鋭2人を従えての迫力のステージ。
主に2人がスネアドラム、1人がテナードラムという編成で、
一糸乱れぬ精緻なドラミングを披露してゆく。
だるるるばらららという強烈な音はまるでエンジン音のよう。
叩くのが余りにも速すぎてなにがなんだか分からないくらいだ。

そんなこちらの気持ちを見透かすかのように
アンサンブルで数曲を披露した後、石川さんが
マーチングドラムのミニワークショップを開いて下さった。
ルーディメントについて、ドラムの種類や拍子のとり方、
そして各奏法の練習方法について・・
ひとつひとつのエクササイズがこれまた凄い!
3人は機械のような精密さでリズムを組み立ててゆく。
石川さんが「マーチングには技術と頭脳が大事だ」という
趣旨のことをおっしゃっていたのが印象的だ。

マーチングはいわゆる「ノリ」や「グルーヴ」とは
違うものを目指す音楽のような気がした。
「アクセントをズラす」奏法のときはキッチリ正確に「ズラす」。
そこでノったりナマったりしないのがマーチングの特徴なのかな?
まさに頭脳派プレイという感じだ。また、太鼓の音でありながら
「動」よりはむしろ「静」の印象を受ける。一緒にノるというよりは、
ピンと張り詰めたクールな演奏にじーっと見入ってしまうからだ。

3人がピシッと斜め左15度に上半身を傾けて
無表情に(これもスタイルなのだろう)正面を見据え、
スティックを華麗に回しながら超高速ドラムを披露したときは
辺り一面が音の洪水となった。そして湧き上がる歓声!

いや~、かっこよかったです!

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ナニワの大作曲家【幻のCD編】

2006-08-14 00:10:29 | その他音楽
(前回より続く)
さて、そのキダ・タロー先生のベスト盤が発売されているという。
(→「キダ・タローのすべて」
短いフレーズに商品や社名を盛り込んだ名曲の数々が収録されており、
曲数にしてナント44曲。(全部聴きたい!)
ところがこのCD、「タコ耳商法」章末のQ&A集にもある通り、
既に廃盤になっているそうだ。ああああ、残念!

あきらめきれず、このCDについて調査してみると・・
発売は1992年。当地ではかなり売れたアルバムらしい。
正確には44曲どころではなく、2枚組で87曲(!)も入っている。
関西では中古CD屋などで今でも入手可能だというが、
オークションを見ると相当な売れ筋らしく
ウン万円の値がついていて、とても手が出せない。

「関西商魂」著者の中森さんもおっしゃっているが、

ぜひぜひ、復刻して頂きたい!


と、声を大にしたところで、頭の中にいくつかのメロディが浮かんだ。
では、「いせエ~のめいぶ~つ♪」は誰の作曲だろう?
「モスクヮー、のあじー♪」は?

赤福もち→キダ先生なのか?
パルナス→知らない人
関西電気保安協会→キダ先生との噂あり(未確認)
・・いくら探しても確たる情報はない。意外に分からないものだ。

しかしながら、老若男女を問わず日本人の、いや、
特定地域の人間の脳に深く刻みこまれたメロディ。
その多くがキダ先生発なのは確かだ。

ますますCDの再発希望、である。

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ナニワの大作曲家

2006-08-13 04:30:22 | その他音楽



ひょんなことから、「関西商魂」という本を読んだ。
ビジネスの極意は関西にあり、というコンセプトで、
関西ならではのベタでたくましい商売の数々を
18の商法に分類して紹介した本だ。
例えば、おばちゃんの口コミ力を最大限に活用する「おばちゃん商法」、
勢いで押し切る「ケンカ商法」、なんでもかんでも
”日本一”といいきる「ハッタリ商法」などである。

一見ふざけているようだが内容はいたって真面目で
一つひとつの商売のやり方を、事例を交えて丁寧に解説している。
ご丁寧にも、"その方法を実践したところウマくいかなかった"
という場合を想定し、各章末に「Q&A集」までもうけてある。
特に目新しい視点、という感じではないものの、
冷静沈着な分析はとても面白い。

感心しながら読み進めると、
「タコ耳商法」なるものが登場し、大いに興味をそそられた。
これは、耳がタコになるほどCMでキャッチフレーズを植えつける、
というものだが、(有名なところでは「ロート製薬」のCMなど)
実例として”ナニワのモーツァルト”こと
キダ・タロー先生がクローズアップされているのだ。
キダ先生は関西の名だたる企業のCMソングのほとんどを
手がけており、大変な実力者なのだと紹介されている。

自分は関西出身のくせに、お恥ずかしいことに
彼がどれほどの曲を手がけているのかよく知らないのだが、
彼の手による作品は「とれとれピチピチかに料理」、
「有馬兵衛の向陽閣」、「あほの坂田」など、枚挙にいとまがない。

著者は「なぜキダ先生の作曲が素晴らしいのか」を見事に解説している。
例えば、日清食品の「あ~らよ、出前一丁!」。

"この短いフレーズの中に、ごまの香りやしょうゆ味のスープ、
縮れメンの様子などすべてが含まれているのだ"

・・な、なるほど!言われてみれば確かにそんな気がする。
そのイメージが潜在効果となって長くこの曲が使われ、
ゆえにタコ耳度合いも上がるのだろう。
タコ耳に関しては、繰り返しのキャッチフレーズはもちろんだが、
バックに流れる曲に印象がなければ脳裏に残らず、
その点キダ先生の作曲は群を抜いて素晴らしい、と著者はいう。

(続く)
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世界の音を訪ねる

2006-06-29 00:44:17 | その他音楽
世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記


音楽プロデューサー、久保田麻琴さんの近著。
書店で手にとって、CDが付いているのに驚いた。
やはり百読は一聴に如かず、音源付きとは粋な計らいだ。

その著書に一体何が書かれているのか
正直想像もつかなかったが、
冒頭からぐいぐい引きこまれた。
まさに「世界の音を訪ねる」、表題そのまんまである。

著書は2部に分かれており、第1部は久保田さんが
「ただごとでない音楽」を求めて訪れた
世界各地のフェスティバルの模様のレポート。
第2部が、彼自身へのロングインタビューである。

第1部では、まずブラジル北東部(ノルデスチ)、
レシーフェのカルナヴァルを克明にレポートしている。
久保田さんは、この地方の音楽シーンが、
近年稀にみる「ただごとでない」盛り上がりをみせている、という。
ヨーロッパ、アフリカ、インディオ・・という歴史を背に
様々な伝統芸能を生み出したこの地から、
パソコンを操る若い世代を筆頭に
素晴らしい音楽が次々と生み出されているそうだ。

次に、音楽評論家のサラーム海上さんと訪れた
モロッコのグナワ・フェスティバルのレポートである。
もともと少人数向きのトランス芸能であるグナワが、
近年、ロックコンサートの音響設備を使った
数万人単位での鑑賞音楽に変貌していることに、
久保田さんは「ただごとでなさ」を感じているようだ。
面白いことに、このグナワのリズムは、興がのってくると
ブラジルのサンバのグルーヴの「訛り」に酷似するという。

そして、シンガポールのワールド・ミュージックの祭典、
「WOMAD in シンガポール」、スリランカで昨年初めて開催された
「フェスティバル・オブ・ドラムズ」のレポートへと続く。

久保田麻琴さんの名前は、1990年代初頭のいわゆる
ワールドミュージックブームのときに知った。
シンガポールの歌手、ディック・リー、そして
インドネシアのダンドゥットユニット、チャンプルーDKI、
はたまたスンダ語で歌うポップ・スンダのデティ・クルニア・・
全てはこの方を通して聴いた音楽だ。
しかし「アジア方面の音楽プロデューサー」としての側面は、
彼の仕事のほんの一部に過ぎないだろう。

第2部のインタビューでは、彼自身の音楽遍歴はもとより、
アジア・プロジェクトを手掛けた経緯も語られており、興味深い。
彼はインドネシアの歌手にザ・ピーナッツのカバーを
歌わせたりしたが、60年代の日本の歌謡曲の持つ
メロディの良さを表現したかったのだという。
改めてそうした話を聞くのは新鮮だ。
(それにしても、久保田さんが元・裸のラリーズだとは
 知りませんでした・・)

音楽に対する柔軟な姿勢に感心させられたり、
独特のユーモアに満ちた表現に笑わせられたりと、
自分にとっては非常に面白い一冊だった。

個人的には、シンガポールのサンバチーム(!)、
「ウィキッド・オウラ・バトゥカーダ」に
大変興味をそそられた。(聴いてみたいぞ!)

ここでの久保田さんのコメントに、一番感銘を受けた。
「このようにリズムは飛行機に乗って世界を回る」
・・いい言葉だなあ、と思った。

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パンデイロの幻惑

2006-06-17 01:47:02 | その他音楽


東京国際フォーラムの路上で、ときどき
「ネオ屋台村スーパーナイト」なる催しを行っている。
路上に屋台カーが集結し、
ビールを飲みながら夕涼みができるという
ちょっと嬉しいイベントだ。

今回は、そこで行われるライブに興味をそそられ、
ステージの見える場所に座ってみた。
O2Tというグループだそうだ。

一杯飲みながら待つこと1時間ばかり、
登場したのはウクレレ、ギター、
そして・・ブラジルの打楽器・パンデイロ!

嬉しいことに、リズムを刻むのは
日本のショーロバンド、ホーザ・ホーシャのパンデイロの
方だという。ここで聴けるとは思ってもみなかった。

暑くもなく寒くもない、雨上がりの夕暮れに
ウクレレとギターの響きが心地よい。
ジャズやポップスの有名な曲が中心のようだ。

パンデイロの栗山さんは、膝の間にパンデイロをはさみ、両手で叩いたり、
2本のスティックブラシでシキシキとリズムを刻んだりする。
サンバ調にアレンジした曲は片手に持って叩き、
ファンクビートは両手で、という具合。

アンプにつながれたパンデイロの音色はまさに変幻自在、
確かにドラムセットさながらの存在感だ。
低音部はアンプを通してブオンと響き(これがまたイイ音なのです)、
そこにジングルの音が細かく入り、
ほれぼれする程、気持ちのよいリズムを作り出していた。

結局、2ステージともパンデイロを凝視していた。
コテコテのサンバも、聴いてみたかった・・

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生音ということ

2006-04-23 22:53:52 | その他音楽
とあるアマチュア男声合唱団の演奏会に行ってきた。
日ごろ、クラシックの演奏会には全く縁のない私だが、
知人が出演する関係で、チケットを頂いたのだ。
アマチュアといっても、ホールを借りての本格的な演奏会で
途中に休憩を挟んで延べ2時間、アンコールを含め20曲以上
という、充実したものだった。

基本的には、指揮者と30名余りの団員がアカペラで歌うのだが、
ポップス系の楽曲にはピアノやパーカッションも加わる。
ホールの音響もよく、ウワワワ~とホール全体に広がる
男性のみの大合唱は、やはり迫力がある。
マイクを通さない、生声のみのコンサートを観るのは殆ど初めてだ。

曲目は聖歌あり、日本語による合唱組曲あり、冬ソナありと
バラエティに富んだ構成で、聴くほうを飽きさせない。

特に、「テレビの主題歌」をテーマにした一幕では、
団員全員による振り付けや、ヨン様の仮装まで飛び出し、
合唱に疎い自分にも大変楽しめた。一観客として、
こうしたサービス満点の演出はとても嬉しい。

このコンサートで披露されたような曲を普段から聴いたり、
合唱のCDを聴いたりする訳ではないが
クラシックであれ、ポップスであれ、
気合いの入った生の演奏をその場で聴くというのは、とても楽しいものだ。
誰かがおっしゃっていたように、まさに「一期一会」である。

自分が「ライブは楽しいぞ」と思い始め、
有料・無料を問わず、気になるイベントには意識的に
足を運ぶようになったのは、ここ数年のことだ。

今後も、ジャンルに余りとらわれることなく、
(でも、基本的にノリノリ系ばかりですが)
「何でも見てみよう」精神で
新しい「音」との出会いを楽しみたい、と改めて思った。

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