【7 Seasons/PROJECT WA-GO】
銀座駅コンコースの風物詩、メトロミュージックオアシスが
20回目を迎えた。今回の出演者・プロジェクト和豪は
アボリジニの伝統楽器であるディジュリドゥに
パーカッションや三味線を加えたアンサンブルだという。
どんな音なのか想像もつかないので
HPで試聴したところ
ぶよよ~んと倍音が響く謎のダンサブルミュージック、
特に"Dry Season"という曲が気に入った。これは面白そうだ。
というわけで、わざわざ外出先から舞い戻った銀座駅。
ステージには沢山のパーカッション類とMacノートがあり、
黒いバンダナと白いシャツの涼しげなリーダー・哲Jさんが
2メートル近くありそうな長い筒をくわえてスタンバイする。
この見なれない楽器から一体何が飛び出すのだろう?
ぶを~ん・ぶぶう~ん、ドゥわドゥわ、びよびよ。
!!??・・アンビエントというかトランスというか、
Windows Media Playerのサイケな映像に合いそうな音楽だ。
哲Jさんは打ち込みとノリのいい生パーカッションをバックに、
アイヌのムックリの拡大連続版みたいな音を
息継ぎも感じさせず1曲まるまる出し続ける。見事だ。
ディジュリドゥは楽器というよりボーカルに近いと思う。
人類最古のアナログボコーダーなのかもしれない。
時にドゥワドゥワと蛙の鳴くような声でリズムを刻み、
フォルクローレのようにフッフッと筒を吹く音にも変化する。
1本のパイプが生み出す音のなんと細やかなことか。
楽器だけでなく哲Jさん自身も実に表情豊かだ。
瞑想するかのように目を閉じ右手は上下に空をきり
リズムに乗って全身がゆるやかに左右に揺れて、
歌詞がなくとも曲のイメージを雄弁に語っている。
ところで三味線の方は?と思ったら、3曲目になって
ポスターの和装と全く違うロックテイストのお兄ちゃんが合流した。
打ち込み系のリズムに純和風の三味線が加わると
まるでバングラに聞こえるのが面白い。
哲Jさんがおっしゃっていたとおり、
彼らのサウンドは身体で感じることができるが、
初めて耳にする不思議な音楽で踊るにはためらいもあり
みな神妙な面持ちでじっとディジュリドゥに聞き入っている。
ところが、ある時を境にライブの空気が変わった!
「踊るためのとっておき」という感じで始まったのは
ディジュリドゥ打楽器ベース三味線入り乱れての
壮絶ファンキーセッション3連発、こりゃ凄い!!
それまでと違いポップな曲調に聴衆は一気にヒートアップ、
サラリーマンもOLさんも(そして猫山も)堰をきったように踊りだし
アンコールが終わっても割れんばかりの拍手かっさい、
ライブの後はCDが飛ぶように売れていた。(かくいう私も購入)
Don't think,feelという言葉が頭を駆けめぐった衝撃のライブ、
東京メトロさん、新たなる音楽をありがとう!