シャラマー。
1980年代前半に一世を風靡したソウル・ディスコグループだ。
その昔、知人から借りたシャラマーのライブをダビングした
テープにドップリはまったことがあった。
音源は何だろうと思い、輸入レコード屋を漁りまくったが、
結局「シャラマーのライブ盤」なるレコードは見つからず、
大変残念な思いをした。
(どなたかご存知の方、いらっしゃいませんか?)
そんなシャラマーがコットンクラブにやってくる!
初日の1stステージだけど、大丈夫だろうか・・?
お客さんの入りは、ライブの完成度は・・?
様々な不安を抱えながらのコットンクラブ参戦だったが、
さすが彼らはプロ!一曲目のMake That Moveから、
アンコールのTake That To The Bankまで、
本当に素晴らしいショウを見せてくれた。
メインボーカルのハワード・ヒューイット(人徳!)、
ダンサー兼ボーカルのジェフリー・ダニエル(若い!)、
そして現在の紅一点ボーカル、キャロリン・グリフィー(カワイイ!)の他、
バックボーカル2名、ドラム、キーボード、ベース、ギター
という大所帯で、重厚かつ軽やかな音を紡ぎだしていく。
全体を通じて強く感じたのは、彼らがとても
「調和」を重んじているグループだな、ということだ。
決して個々の「誰か」が目立つのではない、
とてもバランスのよい音作りだと思う。リズムの要になる
ドラムの音もとてもタイトで、気持ちよい。
基本的にメインボーカルのハワード・ヒューイットが
リーダーらしく、彼が先頭に立ってグイグイステージを
引っ張っていき、ジェフリーやキャロリンはバックに徹している。
ハワードの歌声はもちろんだが、
私はジェフリーのハイトーンボイスもとても好きだ。
だが演奏の間、彼のみが前面に出てくることは決してない。
また、ステージが狭いせいもあるが、スタンドプレー的な踊りも
あえて抑えているように感じられた。
(この点では、以前観た東京国際フォーラムでの
ステージの方が、ジェフリーが終始ダイナミックに
ぐるんぐるん踊っており、印象的だった)
メンバーそれぞれ、ソロパートでは素晴らしい歌声や
演奏を聴かせてくれるが、シャラマーの歌を演奏している間は
あくまで全体のまとまりを第一に、
という姿勢を徹底しているように思えた。
でしゃばらない上品さというか、引きの美学というか。
ライブではともすると、何かの楽器が強すぎて
耳がガンガンするような事も多いが、
シャラマーに関しては全くそんな事はなく、
見事に音が調和していたと思う。
また、ハワードをはじめ皆、お客さんへのアプローチがすごい!
どんどん客席に降りていき、握手するわ抱きしめるわ歌わせるわ・・
ジェフリーのダンスタイムもちゃんと用意されており、
(↑いうまでもなくスゴイです)
その時他の2人は高見の見物とばかり、客席のソファに腰を下ろしてしまう。
こうした演出の一つ一つが本当に楽しい。
また、8割方は埋まっていた客席の、
お客さんのノリがとてもよかった事も印象的だ。
ハワードが客席に投げるひと言ひと言をきちんと受けて、投げ返す。
ステージも客席も、一緒になって盛り上がろう!
という気概が感じられ、ライブがより一層楽しくなった。
楽しくゴキゲンな、「忘れられない夜」でした!