ビッグアーティストが来日するブラジルフェスティバル。
昨日のオロドゥンに続き本日はジョルジ・ベン・ジョールだ!
夏に戻ったかのような炎天下の午後3時半、昨日の反省をふまえ
すきっ腹に強い酒はイカンと缶ビール

でスタート。
昨日にもましての会場のカオスぶりはタイフェス並みだが、
そこかしこで聴こえるパゴージの音がなんともブラジルフェスらしい。
しかし、はやく雑貨屋を物色しないとライブが始まってしまうぞ!
会場はすでにポルチョギースの滑らかな司会で大盛りあがり、
観客のテンションも上がりきっている。そして4時になると
いよいよサンバ・ソウルの帝王、Jorge Ben Jorが登場した。
まさか代々木公園でかの世界的名曲「マシュ・ケ・ナダ」の
作者を生で見られるなんて、夢にも思わなかった。
恥ずかしながらジョルジ・ベンジョールの楽曲に詳しいわけでもなく
CDやライブ盤から「きっとこの方の生ライブは凄く良いだろう」と
数年前から来日を期待したにすぎないナンチャッテリスナーではあるが、
いやはや期待にたがわず素晴らしいライブだ!
ステージに登場したのは計8名。ホーンズ3名にベース、
ドラム、パーカッションにキーボード。精悍なゴツイ顔つきの
ジョルジ御大は、安定感抜群のかっちりまとまったバンドと共に
ギターを弾きながら渋みのある雄々しい声で歌いまくる。
(1942年生まれの66才!?いやー、現役だなあ!)
どれも(おそらく)彼の長い歴史を代表する名曲ばかりだが、
サンバでありかつソウルであり、独特のファンクであり、
流麗なるピアノの美しいメロウなジャズサンバでもある。
ときにロック色の中にもワビサビを効かせたメロディの
なんとカッコイイことか。ジョルジ・ベン・ジョールにしか
作れない、黄昏の俺様ワールドがここにあるのだろう。
・・などと考える暇もなく、こちらもしょっぱなから脳みそが
溶けそうなほど気持ちのよいサンバ・ファンクでノリノリだ。
当初はかなり後ろのほうにいたものの、人の移動に乗じて
少しずつズズイとサンバ・ソウルの神様に近づいてゆく。
普段なら携帯で写真を撮ったりするのだが今日ばかりは別。
この素晴らしいベンジョールサウンドの一端でも収めたくて、
ケータイのしょぼい録音機能をフル稼働させつつ踊りまくる。
(しかし後で聴くと、殆どブラジル人の絶叫しか入っていない 笑)
ステージに見入るというより、今は何も考えず音楽に身を任せたい。
かなり早い段階で名曲「マシュ・ケ・ナダ」も披露され大いに
盛りあがるさなか暗雲が垂れこめ、またもやアレがやってきた。
ぽっつら、ぽっつら・・・
アッという間の雷雨!
ところがどっこい、ベンジョールも観客も雨で更にもりあがる!
「パイス・トロピカル」で皆が踊り狂うさなか、モゾモゾと
100円雨ガッパを着こむが時すでに遅し、全身ずぶ濡れだ。
雨はどんどん強くなり、ライブも熱狂の度合を増していく。
途中でバンドによる強力なバツカーダも披露され、たまらんちんだ。
熱狂の渦にのまれながらもヘタレ猫山は雷が気になって仕方ない。
落ちるんちゃうかー、近くに落ちるんちゃうか~~

それでも、帰る人と入れ違いにずんずんステージに近づいたものの
雨でケータイもバカになり、せっかくの写真すら撮れなくなった。
ライブは水モノとはいうが、こんな展開は予想外だ。
アンコール前に雨とカミナリ

が激しくなったところで
近くの売店の軒先に退避し続きを鑑賞することにするが、
ちょうど「タジ・マハール」が始まってしまったから堪らない。
再びカエルのごとく一目散に飛び出して、雷雨の中で跳ねまくる。
テテテテレ~テ、ててててレーテ、てれれれれ~のレ~♪
ステージかぶりつきの人もそうでない人も、誰もが自分の好きなように
雨のライブを楽しんでいる。さすがブラジル、楽しみの達人だなあ!
トータル2時間近くの記念すべきジョルジ・ベンジョールのライブは、
日伯交流年の忘れられない思い出となった。