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音の世界

「ノリのいい音楽」をテーマに、CDやライブの感想を綴ります。

ブラジルフェスティバル2010@代々木公園

2010-09-05 17:47:15 | ブラジル


今年で5回目を迎えるブラジルフェスティバル。

代々木公園に入った瞬間からサンバヘギのパレードに
呑みこまれ、早くも本日のハイライトを迎えて大満足。
魂の根源に触れるヘギのリズムはやはりすばらしい!

肉々しい人達にあやかるべく沢山のお肉と酒をいただき、
ブラジルからスタッフ一同をひき連れ日本にやってきたらしい
テレビ局の名物司会者(略してTVグローボのおっちゃん)の
ポル語トークをわけもわからず楽しむが、とにかくすごい人、人・・
ステージに近寄れないほどの大観衆は眺めるだけで楽しい。

最後はご当地のベテランバンドというキッヂ・アベーリャの
80年代ブリティッシュ風ポップスを小耳にはさみつつ
人酔いしそうな会場を背に、ようよう帰途につきました。

年を経るごとにブラジル濃度が高くなる代々木公園。
今年のブラジルフェスティバルも変わらず熱かった!
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モノブロッコ@恵比寿リキッドルーム

2010-06-06 20:02:59 | ブラジル


ブラジルのパーカッション集団、MONOBLOCO。
2000年に結成されたプロと一般人からなるバテリアで、
精鋭部隊はヨーロッパ公演を行うほどの人気だという。
そんなモノブロッコが初めて日本にやってくる。

恥ずかしながらモノブロッコを聴いたことはないが
いきなり生で聴いてみよう、とあえて予習もせず
臨んだライブはトンでもないものだった!

満員のリキッドルームはサンバ好きの皆様でヒートアップ、
開演前から司会のケイタブラジルもタジタジの盛りあがり。
ほどなくステージに色とりどりのカラーTシャツと
短パンというラフな格好のメンバーがわらわらと現れ、
大中小の太鼓が一斉にドドドとリズムを刻み始めた。

ブラジルの奥深さを感じるのがビジュアルとのギャップ。
10名のメンバーのうち8名はヨーロッパ系の顔だちで
一見どこかの店のご主人かと見まごうオジサマ風だが、
穏やかな風貌と裏腹に繰り出されるのは驚愕のビート。

総勢7名と打楽器隊としては決して多くないのに
その音圧たるや、石を投げつけられているかのよう。
大中小の石つぶてがステージから絶え間なく降り注ぎ、
2台のスルド(大太鼓)がビリビリと体を直撃する。

中太鼓がバラララ、バラララと身体を駆け抜けてゆく。
サンバのリズムには独特の「なまり」があるというが
自分には機械のように精緻なビートに聴こえる一方、
ソロでは怒濤のバラララが歌うように唸りをあげる。

主旋律は小さなカバキーニョないしエレキ1台が担い、
2名の元気なボーカルは飛んだり跳ねたりと忙しい。
3名でもバックのパーカスに劣らず存在感がある。

サンバかと思えばファンク、かと思えばレゲエや
ヒップホップとテンポもめまぐるしく変わるが、
ボーカルもパーカッションもまるで疲れを知らず
全員で跳ねたり傾いたりとすさまじいテンションだ。

サンバにつきもの(?)のセクシーなお姉さんはおらず
ひたすら男くさく汗臭い、硬派な体育会軍団である。

中盤で「スティーヴィーワンダーにトライします」と
言いだして驚くが、何をやるのかと思えば「迷信」!
ベースやキーボードが入らない分、さらにタイトになり
R&B本来のリズムが強調されて実にカッコイイ。

いや~~、2拍子のサンバやスカ調もいいけれど、
個人的にはこのバンドでファンクを沢山やってほしい!
ブラジルの打楽器はヒップホップと相性がよいと思う。
ドドドン、ンドンドと人力が生み出すタイトな重低音が
えもいわれぬプリミティブな感覚をよびおこす。

途中BOOMの宮沢和史さんを迎えたり、アンコールでは
「浅草サンバカーニバル30周年」を記念して日本の
サンバチームの精鋭とコラボしたりと盛りだくさん。

しかしアンコールで最後かと思いきや、更なる驚きが。
一旦はけたメンバーがアリーナの中央に再び集結し、
強烈なバツカーダ(打楽器のインスト)を始めたのだ。
マイク無しでも爆音が会場いっぱいに鳴り続け
時間おせおせの2時間半、渾身のライブでありました。

そう、黒船はいつだって地球の裏側からやってくる。
セウ・ジョルジも昨年のパウラ・リマも衝撃だったが、
今年も四次元の未体験ゾーンに連れて行かれた。

遅まきながら彼らのライブDVDを買って観てみたが、
あの耳をえぐるような音圧はどうしたって再現できない。
それもその筈で、音楽プロデューサーの中原仁さんによると
バンドの音響エンジニアも凄く優秀な方だったらしい。

アンプラグドにして斬新なMONOBLOCO。
驚天動地のライブをぜひとも日本でもう一度!
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セルジオ・メンデス@ビルボードライブ東京

2010-05-23 15:50:53 | ブラジル


セルジオ・メンデスを初めて観たのは2006年、
アルバム大ヒット後の大箱でのステージだった。
(→東京国際フォーラムの感想その1その2
そして今回はビルボードライブ東京にやってくる!

壇上には9名の大所帯。いずれも猛者ぞろいだが、
屋台骨となるのは強力なリズムセクションだろう。
わずか1畳ほどの狭いスペースでカポエイラを披露し
ブラジルのパーカッションを自在にあやつる、超絶技巧の
ドレッドヘアのお兄さん。その彼に負けず劣らずクールな
ドラムも安定感抜群で、サンバからR&Bまでなんでもござれ。
インド風の怪しい衣装をまとう長髪のベーシストや、バックで
繊細なメロディーを奏でるキーボードとの息もぴったりだ。

帽子に白黒のゆったりとしたストライプ衣装に身を包んだ
69歳のセルメン御大は、味わいぶかくエレピを弾きながら
ときに朗々と歌ったりと、青年のように爽やかで若々しい。

そして舞台をいろどる2名の華やかな女性ボーカルが
セルジオ・メンデス流「オシャレサンバ」の真骨頂だろう。
以前観たときは女性3名だったが1人減ってちょっと
寂しく思ったのもつかの間、2名でもやはりすばらしい!
身ぶりもピタリと揃った力強いユニゾンがときに離れて
コーラスを奏で、またユニゾンに戻り、ステップを踏む。
決していでたちが派手なわけではないが、年輪を重ねた
大ベテランならではのゴージャスな味わいに酔いしれる。

前回観たのは丁度「タイムレス」が大ヒットしている時期で、
歌謡ショーみたいなボサノバとヒップホップを打ち出した曲とが
ほんの少し不整合を起こしている印象も受けたが、今回は違う。
往年の名曲と今風にアレンジされた曲がシームレスに繋がり、
新世代の生・セルメンサウンドに昇華されていると思った。

踊りだしたくなるような曲が多いが、落ち着いた年齢層ゆえか
最後の「マシュ・ケ・ナダ」までお客さんは立ちあがらない。
しかし皆がここまで上手いと、もはや自分も立って踊ろうとか
そういう雑念が消え、ひたすら集中して耳を傾けるばかり。

ブラザー風のお兄さんが随所にラップをからめて盛りあげる。
おなじみのメロディーばかりで心地いいが、古めかしさを
みじんも感じさせないステージングが見事。さらに凄いと
思うのは、今風といっても打ち込みに頼るわけではなく、
全て生楽器でこなしている点。これがバンドの実力だろう。

CDを何百回聴くより刺激的で、斬新なクラシックがここにある。
新曲部分だと思うが今回は特にR&B色が濃く感じられ、
迫力あるファンキーなサウンドが個人的に嬉しかった。

セルメンが元気で来日してくれる限り、いつまでも通おう。
ブラジル音楽の至宝・セルジオメンデスさんに乾杯!
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サウーヂ@横浜大道芸

2010-04-25 01:14:04 | ブラジル


【掲載が遅くなりましたが、前々回の続き】

横浜滞在の2日目、偶然にもヨコハマ大道芸があると知り
会場のひとつであるみらとみらいの中古車センターへ。
目当ては横浜の老舗サンバチーム・サウーヂ!

浅草サンバカーニバルの強豪・サウーヂのステージは、
司会の方の場なれたMCもふくめ圧巻のひとこと。

バテリア(打楽器隊)の強力なバツカーダから始まり
横浜をテーマにしたらしき歌へ。マラバリスタやバイアーナ、
ゴージャスなポルメス(旗持ち)、かわいい子供ダンサーまで
色とりどりのいろんなメンバーが楽しませてくれた。

至近距離までダンサーのお姉さんが迫ってくるのも圧巻!
思わずどぎまぎし、目のやり場に困ったり

30分きっちりとショウアップされたステージなだけに、
大道芸らしく「おひねり」を求められるのも気持ちいい。
陽気なサンバのリズムがお天道様をよんだのか、当初
ぐずついていた空もライブが終わる頃には晴れあがる。

さすがはサウーヂ、見に来たかいがありました!
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ブラジルフェスティバル2009:猛烈サンバ

2009-09-06 19:01:53 | ブラジル

【前回の続き】

ひたすら飲み食いしつつステージをふと見ると、
日本のバテリア集団がアップを始めている。
そうか、今日はサンバショーがあるのだ。
彼らミストケンチのライブはどんなものだろう?

それはサンバ楽器を含む十数名の大所帯バンドで、
元気のいい女性ダンサー2名と貫録ある女性ボーカルが
フロントにたつ華やかな編成だ。

はじめの数曲は「ドンドコ、ドドドド」とサンバへギの
リズムにのせて、ブラジル特有のあっけらかんとした
明るくテンポの早い歌を続ける。どちらかというと歌謡ショー
みたいなおもむきで、ポップでいなたい雰囲気だ。

サンバじゃなくてバンド曲をやるのか、と思っていたら、
ちょっと間を置いてコテコテのサンバショーに早変わり。

最初に、黒装束のごっつい兄さんが素敵な笑みを浮かべて
黒鳥よろしく優雅にソロを舞い踊る。目を奪われていると
今度は女性のカラフルなサンバダンサーが次々に登場し、
むちむちぷりぷりとすごい勢いで踊りだす。

おそらくこの方達はプロとして活動されているのだろう。
踊りの見せ方や盛り上げかたが半端なく、観客は否応なく
熱狂の渦にまきこまれる。すばらしいサンバショー!

バテリアの人数は決して多くないが、ひとつひとつの
楽器の粒だちがよく、一楽器一人でも音圧は十分。
打楽器は人数でなく技量だなあ、と改めて思う。
また、豪快なサンバ本編よりも、テンポを落として
ゆるやかにリズムを刻むほうがグルーヴィーだ。

独特の盛りあがりをみせるブラジルフェスティバル。
本国のTV局とタイアップして多くのスタッフを招くほどの
本格ぶりに、日本との緊密な関係を感じる。

日本で味わうブラジルに次回も期待しております。
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ブラジルフェスティバル2009:肉々しいパゴージ

2009-09-06 18:08:18 | ブラジル


タイフェス、インドフェスと並び代々木公園国際三大祭りのひとつ、
と勝手に位置づけているブラジルフェスティバル。

夕方のんびり会場に向かうと・・おお、やってるやってる!
屋台三昧のここで食べずにどうする、と鼻息もあらく
ブラジルビールに各種飲み物、超ンまいカイピリーニャ、
アマゾンの謎の漬物、そして肉、肉の肉づくしだあ!

ブラジルフェスはお国柄なのか、食と音楽が非常に近しく
太鼓を持ち込む人たたく人踊る人で常に盛りあがっているのが楽しい。
特に、屋台の脇でご機嫌な演奏を続けるブラジリアンバンドと、
リズムに合わせて熱狂的に踊る人々に目を奪われた。
きっちり正確なテンポを刻むパゴージが心地よい。

かぐわしい煙とともにお届けするサンバのかほり。
おかげで屋台の待ち時間さえ楽しいひとときとなりました。

【続く】
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それでもサンバは忘れない

2009-08-31 23:40:52 | ブラジル

【前回の続き】

昨日行きそこねたサンバカーニバルをもう一度。
と、商店街のサンバパレードを鑑賞。昨年に続き
スタート直後より雨が降りはじめ、残念ながら
パレードは予定の半分で終わってしまいましたが、
笑顔と元気いっぱいのサンバチームに拍手!
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パウラ・リマ@渋谷DUO

2009-06-05 21:12:24 | ブラジル
ブラジルのソウル・ファンククイーン、Paula Lima。
評判のライブDVDもあえて事前に見ずに臨んだ
よもやまさかの初来日公演は、予想以上の衝撃だった!

ブラジルと日本で活躍するメンバー11名を従え
黒く輝く超ミニドレスのグラマラスボディが吠える。
そのサンバソウルの黒いこと黒いこと!

ステージには何が何だか分からないほど沢山の楽器が並び、
タンボリンの木をジャカスカ叩くなど、バックも魅せてくれる。
メロウな旋律をも呑みこむ、肉々しくもタイトなリズムに
ブラジル独自の進化したブラックミュージックを感じる。

この賑やかなバッキングにまったく負けないパウラの声!
ポルトガル語という言語の特性からくる歌い方だと思うが、
彼女はUSのR&B歌手のように歌いあげたりしない。
しかしどれほど歌が上手いかは圧倒的な声量でわかる。

極太のベースラインとワイルドなボーカルも相性ぴったりで、
野趣あふれるエレガンスはまさに”サンバ・シッキ”。
言葉にならない”チキチキ・アーウ”みたいな掛け声や
”ヤララ~”のスキャットも、何もかもがカッコイイ。

音数を絞った曲も多いが、すべてが踊れる音楽だ。
賑やかなファンクからゆったり目のサンバソウルまで、
四拍子であれ二拍子であれすべて身体が自然に動く。
「オドリマショ~」と繰り返す野太いかけ声もあでやかに、
パーカッシヴな漆黒のサンバソウルが会場を包みこむ。

パウラは、まるでカーテンレールの上を滑るように
ステージの左右をスーッと水平移動しながら歌う。
茶目っ気あるパーカショニストと共に観客にも移動をうながし、
皆で左右にカニ歩きをする楽しさといったらない。

今夜の私、サイコーに幸せ!とゴキゲンオーラを発しつつ
ドスのきいた声で懸命に日本語を話してくれるパウラ・リマ。
大輪の花が咲いたような笑顔がキュートな女王様だ。

観客にも大いに歌わせ、コミュニケーションをはかる彼女。
少しでもパウラ様のお傍にゆかんと、私もずんずん前へ行く。
ポル語ならぬハナモゲラ語だし、サンバステップも踏めないが
そんなことはどうだっていい。周りも自分も歌いに歌い、
踊りに踊って彼女とともに幸せの極致である。
”Gafieira S.A.”でついに頭のヒューズが飛んでしまった。

大好きなサンバの名曲"Alguem Me Avisou"を歌ったときは
聴きなれたメロウな原曲と違う明るいアレンジにぶっ飛んだ。
いや~、すごい!ブラジルってすごい!!

そして出色は"Mangueira"。
セウ・ジョルジが作曲した老舗サンバチーム賛歌だが
完全なるファンクにしか聞こえず、以前から面白いなと思っていた。
しかし、ライブではパーカショニストのダミオンが
「ずう~ん、ずううぅ~~ん」とスルドの音をきかせており
きっちりサンバのリズムを刻んでいる。いいぞマンゲイラ!

黒船はいつでも地球の裏側からやってくる。

ライブでこれほどの衝撃を受けたのは数年ぶり、
同じくブラジルから来たセウ・ジョルジ以来だ。
どんな映像も、その場の体験にまさるものはないだろう。
そこまで思わせてくれるライブに出会えて嬉しい。

贅沢にも2日とも行こうかと迷ったが、やめておいた。
初ライブの感動が「もう一度観たい」を超えてしまったから。
頭が飛んでしまったのでもう一度見たい部分もあるが、
すべて含めて大切な記憶にすればよいと思ったから。

パウラ・リマよ、ありがとう。貴女は最高の歌姫です!
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鎌倉ブラジル探訪誌

2009-05-05 18:16:11 | ブラジル


昨年、ブラジリアンソウルコンピレーションの
「テルサ」にハマった。CDを監修した堀内さんは
鎌倉にある著名なカフェのマスターだという。

(→Terca:サファイア編の感想はコチラ
(→Terca:エメラルド編の感想はコチラ
(→その他関連記事その1その2

店主の書かれた本も読み、鎌倉に行かんと思いたち1年。
ついについにブラジリアンソウル&ディスコの心の聖地・
カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュを訪れる日がやってきた!
(→著書「珈琲と雑貨と音楽と」の感想はコチラ

行列を覚悟しつつ意外に早く入れた店内は居心地よく、
こだわりのコーヒーと名物オムライスはもちろんのこと
ブラジルのムケッカと甘いものが大変おいしゅうございました。

食事の後でブラジル音楽専門の姉妹店"claro"を訪ねると
マスターじきじきにオススメを試聴させて下さったりと、
1年以上ねかせた甲斐あって充実の鎌倉探訪に。

しかし、Hanakoを見てやってくる方は多くても
TercaのCDから辿りつく観光客はレアかもなあ(笑)

鎌倉には遠くてなかなか行けませんが、
ぜひ毎年訪れたいお気に入りエリアとなりました。
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ジョルジ・ベン・ジョール@ブラジルフェスティバル

2008-09-08 00:07:27 | ブラジル


ビッグアーティストが来日するブラジルフェスティバル。
昨日のオロドゥンに続き本日はジョルジ・ベン・ジョールだ!
夏に戻ったかのような炎天下の午後3時半、昨日の反省をふまえ
すきっ腹に強い酒はイカンと缶ビールでスタート。
昨日にもましての会場のカオスぶりはタイフェス並みだが、
そこかしこで聴こえるパゴージの音がなんともブラジルフェスらしい。
しかし、はやく雑貨屋を物色しないとライブが始まってしまうぞ!

会場はすでにポルチョギースの滑らかな司会で大盛りあがり、
観客のテンションも上がりきっている。そして4時になると
いよいよサンバ・ソウルの帝王、Jorge Ben Jorが登場した。

まさか代々木公園でかの世界的名曲「マシュ・ケ・ナダ」の
作者を生で見られるなんて、夢にも思わなかった。
恥ずかしながらジョルジ・ベンジョールの楽曲に詳しいわけでもなく
CDやライブ盤から「きっとこの方の生ライブは凄く良いだろう」と
数年前から来日を期待したにすぎないナンチャッテリスナーではあるが、
いやはや期待にたがわず素晴らしいライブだ!

ステージに登場したのは計8名。ホーンズ3名にベース、
ドラム、パーカッションにキーボード。精悍なゴツイ顔つきの
ジョルジ御大は、安定感抜群のかっちりまとまったバンドと共に
ギターを弾きながら渋みのある雄々しい声で歌いまくる。
(1942年生まれの66才!?いやー、現役だなあ!)

どれも(おそらく)彼の長い歴史を代表する名曲ばかりだが、
サンバでありかつソウルであり、独特のファンクであり、
流麗なるピアノの美しいメロウなジャズサンバでもある。

ときにロック色の中にもワビサビを効かせたメロディの
なんとカッコイイことか。ジョルジ・ベン・ジョールにしか
作れない、黄昏の俺様ワールドがここにあるのだろう。

・・などと考える暇もなく、こちらもしょっぱなから脳みそが
溶けそうなほど気持ちのよいサンバ・ファンクでノリノリだ。
当初はかなり後ろのほうにいたものの、人の移動に乗じて
少しずつズズイとサンバ・ソウルの神様に近づいてゆく。

普段なら携帯で写真を撮ったりするのだが今日ばかりは別。
この素晴らしいベンジョールサウンドの一端でも収めたくて、
ケータイのしょぼい録音機能をフル稼働させつつ踊りまくる。
(しかし後で聴くと、殆どブラジル人の絶叫しか入っていない 笑)
ステージに見入るというより、今は何も考えず音楽に身を任せたい。

かなり早い段階で名曲「マシュ・ケ・ナダ」も披露され大いに
盛りあがるさなか暗雲が垂れこめ、またもやアレがやってきた。
ぽっつら、ぽっつら・・・アッという間の雷雨!

ところがどっこい、ベンジョールも観客も雨で更にもりあがる!
「パイス・トロピカル」で皆が踊り狂うさなか、モゾモゾと
100円雨ガッパを着こむが時すでに遅し、全身ずぶ濡れだ。
雨はどんどん強くなり、ライブも熱狂の度合を増していく。
途中でバンドによる強力なバツカーダも披露され、たまらんちんだ。

熱狂の渦にのまれながらもヘタレ猫山は雷が気になって仕方ない。
落ちるんちゃうかー、近くに落ちるんちゃうか~~
それでも、帰る人と入れ違いにずんずんステージに近づいたものの
雨でケータイもバカになり、せっかくの写真すら撮れなくなった。
ライブは水モノとはいうが、こんな展開は予想外だ。

アンコール前に雨とカミナリが激しくなったところで
近くの売店の軒先に退避し続きを鑑賞することにするが、
ちょうど「タジ・マハール」が始まってしまったから堪らない。
再びカエルのごとく一目散に飛び出して、雷雨の中で跳ねまくる。

テテテテレ~テ、ててててレーテ、てれれれれ~のレ~♪

ステージかぶりつきの人もそうでない人も、誰もが自分の好きなように
雨のライブを楽しんでいる。さすがブラジル、楽しみの達人だなあ!
トータル2時間近くの記念すべきジョルジ・ベンジョールのライブは、
日伯交流年の忘れられない思い出となった。

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オロドゥン@ブラジルフェスティバル

2008-09-07 01:40:45 | ブラジル


早くも3回目をむかえるブラジルフェスティバル@代々木公園。
日伯交流年の今年もビッグアーティストが来日する。
本日はその1日目、オロドゥン(Olodum)のステージだ。

午後よい頃合いで代々木公園につくと・・あれあれ?
心なしか肉を焼く煙が少ないような。煙で燻されそうだった昨年に比べ、
今年は屋台がバラエティに富んだぶん(?)肉々しさが若干減だ。
それでもしつこく肉に食らいつき、ピンガカクテル各種に
ビールをあおりつつオロドゥンのステージを待つ。

会場は日伯入り乱れてカオス状態、
そこかしこで小グループのサンバヘギも聞こえてくる。
猫山はサンバヘギが聞こえるたび自動的に後をついていくので大変だ。

嬌声の中ついに登場した生オロドゥンは予想どおり約14名の
バンドオロドゥンだ。本場ではおそらく数百名の大集団だが、
世界各地をまわるツアーメンバーは別建てなのだろう。

一聴して少し違和感があったのが、ステージ演奏なだけに
当然PAが入っていること。左側スピーカー後方にいたせいか、
スルド(ドラム)音が必要以上に増幅されてしまう。
やはりオロドゥンはストリートが一番似合うのではないか。
ほんの少しでよいから、会場をパレードしてくれると嬉しかったなあ。

しかしそんな違和感もすぐに消え、ステージオロドゥンに没入だ!
彼らはとにかくエネルギッシュ、実にエネルギッシュ!!

蛍光ピンク蛍光ミドリ頭のファンキーな方がマレットを空高くブン投げ、
天井ぎりぎりからクルクル落ちてくるのを受けとめる。
Youtubeで観たときは稀に出るスペシャル技かと思ったが、
驚いたことに彼はこの奏法をステージの間ずっと続けているのだ!

オロドゥンのリズムパターンは常に一定の印象で、
ドドンパ・ドドンパ・ドロドロドロドロという分厚い低音に
バンバラバラバラとパーカッションの高速なオカズが入る。
曲によりスピードの違いはあるが、基本は変わらない。

打楽器隊は片時も休むことなく片手をピッと直角に立てて、
顔と身体を左右にふりきってマレットを振りおろす。
さぞかし体力を使う奏法だと思うが、キレのある動きがカッコイイ。
後半ではメンバー揃ってユーモラスなダンスを披露したりと
楽器を聴かせるだけでなく、彼らは「見せる」演奏を徹底している。

このリズムにのせてボーカル2名が歌うのはブラジルならではの
底抜けに明るい歌謡曲あり(こういうのがB-POP?)
ジョルジ・ベン・ジョールへのトリビュートあり、
ジョン・レノンのカバーあり、サンバの名曲ありと様々だ。

歌のジャンルが多岐にわたるので、同じバックながら
観衆のノリも微妙に変わってくる。歌謡曲では縦ノリでジャンプ!
レゲエのときは気持ちよくゆらゆらと。どんな風に踊ったって構わない。
ブラジル人も日本人も、思い思いにオロドゥンのリズムを楽しんでいる。

彼らの生演奏を聴いて気づいたことがある。
サンバへギ(サンバレゲエ)のリズムは大好きだが、
今までどうしてもレゲエルーツのリズムだと思えなかった。
ところが今日はレゲエの名曲も多く、演奏を聴いて初めて分かった。
う~ん、これは確かにレゲエですね!よい体験をしました。

40分程度かと予想したステージだが、彼らは常に全力投球!
なんと2時間近くも怒濤の演奏は続き、あろうことか
自分のほうが酔いもまわり途中で疲れてきてしまった。
そろそろジャンプも苦しくなったところでついにプチリタイア、
アンコールはステージ後方でまったり聴かせて頂いた。

できれば歌抜きのバツカーダも聴きたかったが、贅沢はいうまい。
やはりブラジルパワーはすさまじい!

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大雨サンバ

2008-08-31 22:35:35 | ブラジル


浅草サンバカーニバルの強豪チームが出ると知り
急きょ埼玉でのパレードに出かけてまいりました。

夕方には晴れ間も広がり気持ちのよい8月最終日。
さすがに雨は降らないだろうと傘も持たずに出かけたら、
なんとパレード開始後10分にして・・

大雨!オーアメ!

とり急ぎパレード1回目は時間短縮、
ダンサーさんもバテリア陣も慌てて裏へ引っこむ。
しばらく様子をみるも、いっこうに雨がやむ気配はない。
このまま中止かなと思った頃にバテリアの爆音が。雨天続行だ!

あいかわらず雨の中という最悪のコンディションだが
演者のみなさんは楽しそうに踊り続ける。すばらしい!
浅草では見落としたが、ポルメス(旗持ちのカップル)が
ニコニコしながらお辞儀をして歩く姿が優雅で愛らしい。
商店街でのパレードは観客との距離も近く、一体感がある。

沿道の観客も雨をものともせず声援をおくり続け
とても楽しいひとときを共有できた本日のパレード。
サンバチーム・Vermelho e Brancoの皆さま、
今宵もよい演奏と踊りをありがとうございました!

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豪雨とサンバ

2008-08-31 02:17:33 | ブラジル


雨天という字がまったく似合わない浅草サンバカーニバル。
前日から雨が予想されたが、なにも心配していなかった。
ロケット弾を使うまでもなく、サンバパワーは雲を蹴散らすだろう!
事実、電車が浅草に近づくにつれ曇天に陽がさしてくる。さすがだ。

2部リーグも1部リーグもしっかり見るつもりが気の緩みで遅刻、
なんと2部リーグは最後しか見られなかった。しまった~!
しかし大好きなブロコ・バハヴェントに間に合いホッとする。
ボーカルよし曲よし演奏よしで、今年は特に魅了された。

最近は大会の運営方法がだいぶ変わったようで
チーム間隔が非常に長くとってあり、音が交じらず聴きやすい。
反面少し間が空くので、つまみを買ったりビールを飲んだりと
お祭り気分も楽しめる。鮎の塩焼きにかぶりつき絶好調に
なったところで、それは突然やってきた!

豪雨!ゴーウ!

バケツをひっくり返したような大雨に観客は屋根を求めて右往左往、
自分も鮎の塩焼きを死守しつつビショ濡れになりながらウロウロする。
実に気の毒なのが、1部リーグ2~4番目のチーム。
ピンポイントで土砂降りタイムにあたってしまい、
いくらなんでもこれではパフォーマンスにならないだろう。
こちらも雨で落ち着かず、ちゃんと観られなくて申し訳ない。

「これはひょっとして中止もありか?」と訝しくなったところで
雨足がしゅるしゅると弱くなり、続くサンバチーム・
サウーヂやICUラムズの演奏はしっかり聴くことができた。
その後も雨は降ったり止んだりだが、最後までなんとか持ちこたえた。

嬉しいのが、フィニッシュ地点でのバテリアの演奏時間が
以前に比べかなり長いこと。どのチームにも特色があり
爆音にまみれてバツカーダを聴けるのが最高だ。
学生チームは元気一杯、音圧で圧倒する大人数のチームもあるし
チームごとに際立って聞こえる楽器が違うのも面白い。

雨をものともせず、笑顔を絶やさないサンビスタの皆様に拍手!

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夢かまぼろしか

2008-06-17 20:34:08 | ブラジル

先日より気になっているサンバ・ヘギの代表、オロドゥンの来日。
アース・セレブレーションの日程は出たものの東京公演はいつ?

この分では佐渡まで行かねばならぬか、と調べていたところ
日伯交流年のブログにトンデモナイ情報が!!

代々木公園のブラジルフェスティバルにオロドゥンが登場。
それだけでなく、なんとジョルジ・ベンジョールまで!?
ジョル「ジェ」・ベンジョールとはあのファンクマスターのことか、
それともまさか似て非なるソックリさんなのか!?
もし本物なら、今年は代々木に泊まり込みで行かねばならない!
(→Jorge Ben Jorの過去記事はコチラ

同僚に借りたリスペクト盤を聴いてはやる気持ちをおさえつつ、
熱いサウンドと共にテンションは上がる一方でございます。

コメント (2)
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ファヴェーラの丘・その後

2008-05-04 01:19:13 | ブラジル
(前回の続き?)
「ファヴェーラの丘」を観たらタイコが聴きたくなったので、
バイーアの文化団体・Olodum(オロドゥン)の動画を鑑賞。

http://jp.youtube.com/watch?v=_PRYbzEzC5U&feature=related
バチを振り回しているフロントの2人が最高!

歌が入ると確かにレゲエ(ヘギ)を感じるけれども、
サンバヘギのビートにはファンクと同じ血が流れていると思う。
ズンドコドン、と体幹にくるリズムがファンク音楽みたいだ。
このパフォーマンスを生で見たら、より感動するだろうなあ
以前来日しているようだし、また来ないかな?

と、ブラジルに念を送りつつ調べてみると・・
なんとオロドゥン、日本に来るじゃありませんか!
佐渡のアース・セレブレーション2008で鼓童と共演
さらに、日伯交流年のイベントガイドブックをよく読むと
8月-9月に東京・名古屋・佐渡で公演と書いてあるぞ!

できればこれぐらい↓の人数で来てくれると嬉しいです。
http://jp.youtube.com/watch?v=7p7PzUpvUOM&feature=related
迫力ある生音で我々をオドゥロかせてください!

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