猫山の乳がん日記

2009年11月、2年半かかった乳房再建が完了。ホルモン治療は副作用のため1年間で中止し、無治療です。

ニュウトウ作成

2009年06月02日 | 乳房再建
えーと、私は記録魔で、特に手術関係は見たこと、思ったこと
すべて書き留めています。
長くなりますのでナナメ読みするか、忙しい方は帰ってください

今日はニュウトウ作成日。

手術室行きもかれこれ5回目だし
今回は局所麻酔の痛みさえ耐えれば平気そうだし
これまでの4回にくらべればどうってことないな~
と思って、正直ナメてました。
朝、駅に向かうまでは。

駅へ向かう途中で、の散歩中の母(←最寄り駅が同じ)に
ばったり出くわしました。

いや、ばったりなはずがありません。
いくら同じ町内に住んでいても、こんなに偶然にここにいるはずはない。
犬(←電車を見るのが怖い)の散歩を装って、
手術を受ける私を見送りにきていたおかん。

母は聞きたくないのか、聞くと悪いと思っているのか
再建の進行状況や胸がどんなふうになっているのか全く知りません。
ただ、昨日「明日また手術に行って来るよん」と言ってあり、
局所麻酔のちょっとしたのだけど、と付け加えたのだけど
事情を知らないだけに、手術=タイヘン!と思っているみたいです。
そうやって見送られると、なんだかほんとにタイヘンなことのような
気がしてしまいます。

話を本題に戻します(まだここまでは前置きだったの…)。

しばらく胸を洗えなくなるので、前日はボディスクラブで
上半身を念入りに洗浄。

「オペ後はお風呂入れないから、できれば当日もシャワーを
浴びてきてください」と言われたので、
病院近辺のホテルに到着後シャワーを浴びました。

んで、病院へ向かいます。
このあたりからちょっと緊張してきました。

オペ室受付到着、術着に着替え、オペ待合室に入ります。
ちょっとした手術とはいえ、この手術室ですよ、じゃじゃーん!って
雰囲気に緊張するんだよな…

今まで3箇所の病院で手術を受けましたが
ここの病院が一番「入場ルール」が厳密です。

待合で手術に関る全員が集まり、
執刀医-患者-看護師-麻酔科医(←今回は局麻なのでいない)の
順で揃って歩いて入室するとか。
(他の病院では関係各位が三々五々集まって来てました)

術側(左右どちらか)の確認も他のところではなかったと
思いますが、ここではいろんな形で何度も確認します。

術側の手の甲に印をつけるというルールが
新たに追加になったようです(過去2回はなかった)。

看護師さんが患者にどちら側の手術をするか尋ね、
答えたら看護師さんが赤いマジック(油性)を先生に渡し、
先生は患者の術側の手をおもむろに取り、手の甲にを書く。
儀式めいていておもしろいです。


オペ室に入り、座った状態で採寸してシールを貼って
位置決め。

横になり、体を固定。
このあたりからやっぱり手術だなーと思って
だいぶ緊張してきました。

顔と胸の間に仕切りみたいなのが立てられます。
これだけで十分だと思うのですが
さらに首から上に青いシートをかけられます。
このシートが臭いのなんの。
シートをぺらっとめくって「息苦しくないですか?」と聞かれたけど
「苦しくはないけど臭いです」とは言えませんでした。
口呼吸に切り替えればいいのだと気付かなかったということは
かなり緊張していたのでしょう。

今度は横になった状態で採寸&印つけ。

見えないと採寸をしているということすらわからないので
急に皮膚をつままれたりすると
なになに?なにしてるの?と体を硬直させていたら
いつのまにか左(術側じゃないほう)に立っていた手術助手らしきせんせーに
「採寸してるんですよ」と言われました。
視界を遮られると不安が増すので、
ご面倒でも一挙一動にお声がけしてもらえれば幸いです。


そして、最大の苦痛、局所麻酔。
5本くらい打ったかな?
「痛~い…うぅぅ」とブルーシートの下から訴えてみたけど
看護師さんが「薬が入っていくとき、痛いんですよねぇ」と言うだけで
まぁこれはどうしようもないのですね。


Dr「それでは猫山三毛子さん(仮名)の、病名右乳がん、
ニュウトウ作成手術を開始します。メス。」

おぉ、ドラマみた~い

でも、ドラマみたいなのはここまでで
この器械出しナースさんはどうやら新人のようで
メスとか糸は分かっても、記号モノになると「?」なときがあって
先生に「先がカーブしてるハサミがあるでしょ」とか言われてました。
こういう軽めのオペでトレーニングを積んでから、
チームバチスタの釈由美子みたくなっていくのでしょうね。

この後は痛みも、切られてるかんじもなく、
縫ってるな~、糸切ってるな~ぐらいなかんじでした。

術中、Dr.助手がいろいろ先生に質問するので、退屈しなかったです。

「高さってどれくらいにするの?」という質問内容から判断するに、
Dr.助手は再建、少なくともニュウトウ作成の立会いは
初めてなのではないかと思われます。
しかし、ためぐちで質問してるということは下っ端ではないらしい
とかいろいろ考えるのも暇つぶしになっていいものです。

この質問に対する模範回答:
インプラントは高さが半減するので倍の高さに作る。
LD(←おそらく自家組織のこと)だと2割増し位でよい。

「ほら、インプラントの人って皮膚が薄いでしょー」とか
「こうやって凹まないように工夫してるんだけど
凹むときは凹んじゃうんだよねー」とかいう会話が繰り広げられます。
「こうやって」がどうやってなのか、見る勇気はないけど
トークに参加したかったです。

で、完成。

「見ますか?」と聞かれたので
出来上がった先っぽにカバーをつける前に見ておくことに。

ブルーシートが外され、出来立てほやほやの先っぽとごたいめーん。

そこには、白っぽいウインナーの端切れに
黒のステッチを施したようなものが。

・・・・。

がっかりしたとかそういうのではありません。
なんと感想を述べればよいのかわかりませんでした。
人様のブログなどでなんとなくどういうものかは見てましたが
至近距離で見るそれはまた全く違う印象で
生まれて初めて見るフェイクニュウトウに
どうコメントすればよいものか。

私が固まっているので、看護師さんが「ねっ、ねっ?すごいでしょう?」と
言いましたが、それでも固まり続けてしまった私。

ぼんやりしたまま、のそのそと退場しました。
採寸の時間も入れて、所要時間約1時間半。

会計に持っていくファイルにオペで使用したすべての材料の
バーコードシール(「ナイロン糸(黒)450円」とか書いてある)が
貼ってあって、ホームセンターでの買い物みたいでした。
あのくっさいブルーシートが1,400円!しかも2枚も使ってるし!
2,800円かけるなら、良質なタオルを買って顔に乗せたかった。

費用は保険適用で約22,000也。


帰宅後、そういえば同じ病院で手術を受けた人が
先っぽを作ったときすごく感動したって言ってたな…と思い出し
その人の体験談を読み返してみると
「出来たニュウトウを見たときは、あの細かい緻密な技術に感動し、
『素晴らしいですね』と言うと、
先生は『そうでしょう、皆さんそうおっしゃいますよ』と自信満々でした」とありました。

皆さん、そうおっしゃったのね…。

たしかにこんな薄い皮膚を切って集めて丸く縫うなんてすごい技術です。
でも、私があのとき思ったのは「こんなことが出来ちゃうんだから
先生はボタン付けなんて朝飯前でしょうね」という頭の悪そうな感想でした。
気の利いたコメントのできる大人になりたいものです。


オペ後、がん友さんより「よく頑張ったで賞」をいただきました。

ポストイットとクリップです。








































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4 Comments

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Unknown (OPAL)
2009-06-06 13:10:22
オペお疲れ様でした~
(ってことは・・・もうごほうびライブも行ってきたってことですね)
オペ室行きが過去5回ってのは凄い!
ベテラン患者だ~

え~ニップルの形成って見られないんですか?!
せっかく局麻だし、ワキアイアイとDr.に説明うけたりおしゃべりしながら、どうやってるのかじっくり観察できるかと思ってましたよ。

ホームセンターでお買い物は笑える~~


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OPALさんへ (猫山)
2009-06-06 23:56:05
OPALさんの病院はオペが1回で済んじゃうし、
先っぽは自前だからオペ室行きも少ないん
ですよね~。いいなー。

ニュウトウ作成は「手術してる先生を観察できました」と言ってた人がいたので、軽く解説なんぞを交えつつ観察できるのかなと思ってました。
でも皮膚を切られてるところを見る勇気は
ないし、オペ用ライトが強すぎて目を開けていられないので、観察はなしでもよかったんですが。

それにしてもワキアイアイどころか、ブルーシートの下の私は完全にモノと化してました。
シートが先生の手元のジャマにならないようにときどき押さえられたんですが、シートの下は私の顔だってことは眼中になかったようで、くっさいシートを顔に押し付けられてました…。
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オツカレサマでした (YUKO3811)
2009-06-08 13:04:56
白っぽいウインナーの端切れに黒のステッチ....その表現力にポチですよ~キャハハハハッ!!(≧▽≦)彡☆バンバン
アタシはあっちの病院だったので、そういう手術っぽい手術な緊張感はなかったです。麻酔だって誰がやったんだか....みたいな。
「メス」とかって痛くないにせよ、聞こえてくるのとかって┣¨キ(*゜゜*)┣¨キ
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ゆーこさんへ (猫山)
2009-06-08 16:51:19
ゆーこさんの先っちょの写真とか見て、フムフム…と予習してたんですけど、自分で上から見下ろすと全然印象が違って、お礼とか感嘆より前に、このウィンナーはナニと思ってしまいました。

「メス」ってこの2文字だけで、「今、皮膚が切られてるんだぁ、うわぁぁぁぁ…」って一気に体が硬直して、足の裏がツリそうになりました。

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