ぶろぐ猫の目

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関東大震災 吉村 昭 備えあれば憂いなし

2019-11-22 11:51:19 | 読んだ本の紹介
新装版 関東大震災 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

 

 

 

 

 

関東大震災 吉村昭

 

関東大震災後の混乱に拍車をかけたのが情報不足

 

現在のように情報網が空中を飛び交う時代ではなく

 

電線を伝っての情報網は、地震により壊滅状態

 

唯一の情報網は、海に浮かんでいる軍艦の無線だけでした

 

そのような中、各新聞社は「朝鮮人が騒擾を起こしている」という

 

伝聞によるいい加減な情報を垂れ流し、人心を不安に陥れました。

 

政府はその状況を重く見て、新聞各社を大きく規制し

 

検閲を行うなど言論の自由をはく奪する結果となりました。

 

その結果、軍人による社会主義者の謀殺「大杉栄事件」が起こったものの

 

言論統制され、真実が闇に葬られようとした事実も書かれています。

 

そして、復興に向かうのですが

 

死体から金品を奪うものが横行します

 

いつの時代も卑しい人間はいるのですね

 

生き残った人たちも

 

住む場所はない、地方に身寄りのあるものは地方へ向かうが

 

その手段がない。鉄道が復活すると山のように人を乗せて

 

地方に向かったそうですな

 

雨風をしのぐためのバラックを建てて急場をしのぐが

 

下水も無く、男も女も垂れ流し。

 

赤痢などの疫病が蔓延しました。

 

また日常生活に必要な物資について、強欲な連中が

 

値を吊り上げるなどで、政府が対策に乗り出すことに

 

いつの時代もそういうやつが多いのですね

 

また、諸外国からの救援物資もありましたが

 

ソ連からの救援物資については受け取りを拒否したとか

 

社会主義国家の物資は受け取れないという話

 

ラストは、地震の予測を誤った大森教授と今村博士の邂逅

 

大森教授は、病気で重篤な状態にもかかわらず

 

自分の後任に今村博士を推し、2人のわだかまりは消えたとのこと

 

今村博士は、その後次の震災は大阪方面で起こると予言したそうですが

 

それが阪神淡路大震災のことかどうかは

 

わかりません

 

なんにしても、いつ何時どこにいても震災に会うことを想定しておかないとです

 

阪神淡路大震災を経験した人は、一様に

 

枕元に靴下か靴を置いて寝ることと言ってました

 

絶対ガラス片が散乱するからと

 

そういったことも忘れてるんだよな~

 

身の回りを整理しその時に備えねばなりません

 

流言飛語には騙されない強い心を持つことも重要ですね

 
コメント (4)
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