共産党と異色タッグ…小池都知事が狙う「豊洲の先」
2016年9月14日 7時0分
東スポWeb
豊洲市場の“盛り土問題”で追及を強める小池百合子東京都知事(64)の進撃が止まらない。鍵を握るのは、独自路線を貫く共産党。12日、同党は豊洲市場の建設設計図を公開し、都が有識者の盛り土提言を無視して、独断で建物下を空洞化させていたと指摘した。タカ派で知られる小池氏だが、このところ共産党に急接近。異色のタッグを結成し、既得権益に群がる都議やドンたちを一掃したい考えだ。その本丸は豊洲市場でもない、あの巨大利権という――。
中央区の築地市場の移転が延期された江東区・豊洲の新市場で次々とずさんな建築過程が明らかになっている。
土壌汚染対策のため、建物下に盛り土を敷き詰めたと説明しておきながら、主要な施設の下がまさかの空洞だったのだ。しかも床には地下水なのか結露なのか、深さ2センチほどの水たまりが…。
液体の成分は現在検査中だが、かつて同所は東京ガスの所有地で、一部の地中からは2008年に環境基準値の4万3000倍の発がん性物質ベンゼンが検出されたこともある。万が一、水に有害物質が含まれていた場合、食の安全が心臓部から脅かされることになる。
豊洲市場を視察した都政関係者は「水産卸売市場の地下空間を視察した。ドアを開けると真っ暗闇でした。懐中電灯のスイッチを入れても前がよく見えない。地下空間は冠水していた。水は濁り、過去に嗅いだことのない異臭がした。青果棟は、まだ小池知事も都に視察させてもらっていない」と明かした。
さらにこの日、共産党都議団は東京都が遅くとも13年12月までに、建物下が空洞になった豊洲市場の建設設計図を作製していたと暴露。外部有識者による「専門家会議」や「技術会議」で汚染対策に盛り土が提言されておきながら、都が考慮せずに独断で空洞化を進めていたことが浮き彫りになった。そのくせ汚染対策費は当初の約580億円から850億円に増大。差額の300億円近くはどこに消えてしまったのか…。
「小池知事は就任後、不眠不休で都政に取り組んでいる。今後、都幹部職員の更迭を始め、都政改革を打ち出す。豊洲市場移転は都民に代替案を示した上で最終判断する」(小池氏に近い関係者)
今後も小池氏による徹底追及は間違いないが、気になるのは共産党との連携だ。実は一連の疑惑は都職員と独自のパイプを持つ共産党のスクープで、12日に発表予定だったという。ところが、その動きを事前に察知した小池氏が10日に緊急会見を開き、先に公表。手柄を横取りされた共産党はさぞやご立腹かと思いきや「結果オーライ。この件で小池氏との関係を深めることができた。小池氏はタカ派で共産党とは根本の部分で合わないはずだが、既得権益をぶっ壊す大義のためならそうも言っていられない」(政界関係者)という。
共産党は「永遠の野党」と呼ばれ、これまでも独自ルートで政界スキャンダルを暴いてきた。小池氏は都知事だが、都議会は反目する自民党の天下だけに、ひとり野党の状態。共産党から“闘い方”を学びたい意向もあるようだ。
小池氏にとって豊洲市場の問題はウオームアップにすぎない。小池氏といえば“都議会のドン”こと自民党の内田茂・前都連幹事長(77)との対立軸が注目されているが「豊洲の問題はいろいろな人が複雑に絡み合っていて、責任の所在までわかるかどうか。内田氏よりも、彼の子飼いの江東区区長の方が入り込んでいるという情報もある。小池氏も『豊洲では内田のクビはとれない』と自覚しているようだ」(同)という。
むしろ“本丸”は20年の東京五輪で晴海の選手村と都心エリアの競技会場等を結ぶ環状2号線の整備計画だ。事情に詳しい関係者は「道路利権は豊洲の移転などとは比べものにならない金が動いている。内田氏がモロに入り込んでいるのは、こっち。調べればいろいろと出てくると聞いている。そこに小池氏がメスを入れられるかどうか、だ」と話す。
2016年9月14日 7時0分
東スポWeb
豊洲市場の“盛り土問題”で追及を強める小池百合子東京都知事(64)の進撃が止まらない。鍵を握るのは、独自路線を貫く共産党。12日、同党は豊洲市場の建設設計図を公開し、都が有識者の盛り土提言を無視して、独断で建物下を空洞化させていたと指摘した。タカ派で知られる小池氏だが、このところ共産党に急接近。異色のタッグを結成し、既得権益に群がる都議やドンたちを一掃したい考えだ。その本丸は豊洲市場でもない、あの巨大利権という――。
中央区の築地市場の移転が延期された江東区・豊洲の新市場で次々とずさんな建築過程が明らかになっている。
土壌汚染対策のため、建物下に盛り土を敷き詰めたと説明しておきながら、主要な施設の下がまさかの空洞だったのだ。しかも床には地下水なのか結露なのか、深さ2センチほどの水たまりが…。
液体の成分は現在検査中だが、かつて同所は東京ガスの所有地で、一部の地中からは2008年に環境基準値の4万3000倍の発がん性物質ベンゼンが検出されたこともある。万が一、水に有害物質が含まれていた場合、食の安全が心臓部から脅かされることになる。
豊洲市場を視察した都政関係者は「水産卸売市場の地下空間を視察した。ドアを開けると真っ暗闇でした。懐中電灯のスイッチを入れても前がよく見えない。地下空間は冠水していた。水は濁り、過去に嗅いだことのない異臭がした。青果棟は、まだ小池知事も都に視察させてもらっていない」と明かした。
さらにこの日、共産党都議団は東京都が遅くとも13年12月までに、建物下が空洞になった豊洲市場の建設設計図を作製していたと暴露。外部有識者による「専門家会議」や「技術会議」で汚染対策に盛り土が提言されておきながら、都が考慮せずに独断で空洞化を進めていたことが浮き彫りになった。そのくせ汚染対策費は当初の約580億円から850億円に増大。差額の300億円近くはどこに消えてしまったのか…。
「小池知事は就任後、不眠不休で都政に取り組んでいる。今後、都幹部職員の更迭を始め、都政改革を打ち出す。豊洲市場移転は都民に代替案を示した上で最終判断する」(小池氏に近い関係者)
今後も小池氏による徹底追及は間違いないが、気になるのは共産党との連携だ。実は一連の疑惑は都職員と独自のパイプを持つ共産党のスクープで、12日に発表予定だったという。ところが、その動きを事前に察知した小池氏が10日に緊急会見を開き、先に公表。手柄を横取りされた共産党はさぞやご立腹かと思いきや「結果オーライ。この件で小池氏との関係を深めることができた。小池氏はタカ派で共産党とは根本の部分で合わないはずだが、既得権益をぶっ壊す大義のためならそうも言っていられない」(政界関係者)という。
共産党は「永遠の野党」と呼ばれ、これまでも独自ルートで政界スキャンダルを暴いてきた。小池氏は都知事だが、都議会は反目する自民党の天下だけに、ひとり野党の状態。共産党から“闘い方”を学びたい意向もあるようだ。
小池氏にとって豊洲市場の問題はウオームアップにすぎない。小池氏といえば“都議会のドン”こと自民党の内田茂・前都連幹事長(77)との対立軸が注目されているが「豊洲の問題はいろいろな人が複雑に絡み合っていて、責任の所在までわかるかどうか。内田氏よりも、彼の子飼いの江東区区長の方が入り込んでいるという情報もある。小池氏も『豊洲では内田のクビはとれない』と自覚しているようだ」(同)という。
むしろ“本丸”は20年の東京五輪で晴海の選手村と都心エリアの競技会場等を結ぶ環状2号線の整備計画だ。事情に詳しい関係者は「道路利権は豊洲の移転などとは比べものにならない金が動いている。内田氏がモロに入り込んでいるのは、こっち。調べればいろいろと出てくると聞いている。そこに小池氏がメスを入れられるかどうか、だ」と話す。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます