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川西高2いじめ訴訟 母親「遺族は一生つらい」

2015-12-04 09:39:32 | 憎むべきいじめ
川西高2いじめ訴訟 母親「遺族は一生つらい」

12月03日 19:56神戸新聞


 2012年9月、兵庫県川西市の兵庫県立高校2年の男子生徒=当時(17)=が自殺したのはいじめが原因として、生徒の両親が当時の同級生や担任教諭、校長ら計6人と県を相手に総額約8860万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が3日、神戸地裁(伊良原恵吾裁判長)であった。母親(57)が「息子との17年間が生涯で一番大切な思い出。遺族は一生つらい」などと意見陳述し、結審した。判決は来年3月30日。

 母親は「息子はいじめられるために生まれたんじゃない」と涙をこらえながら強調。全国でいじめを苦にした自殺が絶えないことを挙げ、「いじめで命を無くす子どもがいなくなることを切に願います」と訴えた。

 両親はこれまでの弁論で、男子生徒の自殺は当時の同級生3人が「虫を食べろ」と強要したことなどによるいじめが原因と主張。県側は「いじめは自殺と結びつくほど悪質で重大とはいえず、因果関係はない」と反論し、同級生は「からかいのつもりだった」などとしている。

 当時の同級生3人については、神戸家裁が13年12月、保護観察処分とした。


 【「言葉は人を殺してしまう凶器」母親 意見陳述に思い込め】

 「お母さんに、力をちょうだいね」。自殺した息子=当時(17)=の遺影に語り掛けてから意見陳述に臨んだ母親(57)は、A4用紙3枚にしたためた思いを裁判長に向かって読み上げた。閉廷後に夫(63)とともに会見し、「つらく悲しく、悔しい日々だった」と提訴からの2年間を振り返った。

 この日の陳述で強調したのは、言葉が人をどれだけ傷つけるか、ということ。「言葉は人を殺してしまう凶器になるのです。心への暴力で、心を深く傷つけられ、考える力が弱くなり、正しい判断ができずに、死へと追い詰められてしまったと思うのです」と訴えた。

 途中、生きていれば二十歳になった息子の姿が頭に浮かんだ。優しく、生真面目で、車が大好きだった。「きっと、私たちをドライブに連れて行ってくれたやろな」と思うと、涙があふれ出しそうになったという。

 会見では、「いじめではなく、からかいのつもりだった」と主張した当時の同級生や、いじめの認識を否定した当時の担任教諭の姿勢を、「真実から逃げているとの思いが強まった」と強調。判決に向け「1人の生徒が自殺したことを重んじ、一石を投じてほしい」と声を振り絞った。

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